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1 検索

「……で、どうよ未奈ちゃんとは?」

 教室でハンバーガーを頬張りながら、和也は尋ねてきた。

 購買で買った、さして美味くも無いものだ。

「今日帰ったら、また一緒にプレイする予定だけど」

 僕もサンドイッチを食べながら、答える。

 おーっ、と和也は感心していた。

「……意外に順調だな。共通の趣味って言うのは、やっぱデカイな」

「まあね」

 僕はノートパッドでニュースを視ていた。

 世界経済の停滞。

 国内失業率の低下。

 地方の疲弊。

 若年層および老年層の犯罪率の上昇。

 気が滅入る話題ばかり並ぶ。

 明るいニュースといえば、少子化政策と都市部への流出を抑えるために、東北地方において、道州制の段階的導入を行うというものくらいだ。

 僕はパッドの検索機能に検索項目に『ナーヴァス』、『ウィザード・ブレード』と入力する。

 さらに『SLG』、『MMORPG』と思いついたクエリワードを入力する。

「……何調べてんだ?」

 和也はハンバーガーの胡瓜を取り除きながら、言う。

 ピクルスは平気だが、ただの胡瓜は駄目らしい。

「ナーヴァス」

「なんだそりゃ」

「わかんないから調べてんだけど……」

 テンペスト社――ウィザード・ブレードを運営する企業である。

 『SLG技術提供会社』と出てくる。

「……っていうか、デートコースとか他に調べることがあんだろうが――」

 呆れる和也を尻目に、僕は苦笑しながら調べを続ける。

 ライフジェネティックス社――テンペスト社に魂読込技術を提供したバイオインフォマティックス会社。

 シュミラクラ――消費活動を知る為のシミュレーテッドリアリティ型仮想都市環境で、ウィザードブレードの舞台のベースとなったものだ。

 テンペスト社の黒い噂――魂読込データのアクセスコントロール無規制問題。魂読込データの不正使用疑惑。

 ネットに蔓延る根も葉もない誹謗中傷のようなジャンク情報で、どうもゲーム攻略に関係のないものばかりだ。

 最後に僕は『ソウルアーカイバ計画』と入力する。

 やはり、関係の無い項目ばかりが引っかかる。

 パッドにメールの着信を知らせる音が鳴った。

 未奈からだった。

 僕の関心は一気にミナに傾く。

 レビスの数々の忠告や言葉は頭のどっかに行っていた。

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