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籠の渡り鳥  作者: あゆー


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籠の渡り鳥

渡り鳥と云うものは、賢いものです。

昔、私の家に巣を作った鳥が居りました。私はその時、家の庭に柿を置いていたのですが、目を離したうちにそれが無くなっておりました。

ぴよぴよと可愛らしい雛鳥の鳴き声が頭上から降ってきて、上を向くと親鳥が雛鳥に柿を与えておりました。

私は感嘆しました。何て賢い鳥であろうと。

私はそれをきっかけとして鳥の動向に興味を抱きました。

私は試しに、一つ鳥籠を用意して、鍵を開けたまま放置いたしました。中には鳥用の餌が入っております。この中に鳥は入ってくるのだろうかと考えたのです。

私は初め、鳥は中に入ってこないと考えておりました。しかし違ったのです。鳥は籠の中に入ってきて、餌を啄み始めたのでした。

私は素早く籠の蓋を閉めて、鍵と云うにはお粗末なものではありますが、鍵を掛けました。その様子を、その鳥はじっと眺めていました。

私が少し部屋から出て、あの鳥をどうしようかと考えていると、不意に部屋から、かちゃり、と音が聞こえました。何の音なのだろうと部屋に入ると、鳥が己の口を使って、籠の外に出ていたのでした。

私は大変感激しました。鳥という生き物は、ここまで賢く高潔なのだ、と。

調べてみるとこの鳥、渡り鳥の一種だったそうで、一定の期間になるとこの町から去っていき、また帰ってくるを繰り返しておりました。

では旅立つ季節に、私がこの鳥から目を離さずに世話をし続けていったらどうなるのだろう。そのように考える私は、まるで新しい玩具を手にした童のようでありました。

鳥は最初、鍵を開けて外に出ようとしておりましたが、私が鍵を閉め続けていると、あきらめたのかその様な行動は取らなくなりました。

餌を与える時間を決めて与えていたのですが、一度だけ私が餌やりを忘れた時、鳥は籠にぶつかりながら鳴いていたのです。鳥は餌を与えられる時間も覚えていたのでした。

暫く籠の中で飼い続けた後、私は鳥を外へ放してみることに決めました。こんなに賢いこの鳥も、長い間飛ばずにいれば飛び方も忘れてしまっているだろうと思ったのです。

しかし鳥は私の予想を遥かに上回ったのでした。

鳥は危なげもなく飛び立ち、渡り鳥としての生活に戻ったのです。この町を去り、暫くすると戻ってくる。

渡り鳥と云うものは、なんとも賢い生き物なのだと見せつけられたようでした。

こんにちは。もしくはこんばんは。あゆーです。

【籠の渡り鳥】いかがだったでしょうか。

普段敬語口調の文を書かなさ過ぎて今回の試みは失敗だったと突き付けられました。多分私は今後敬語口調で掌編を書くことは無いでしょう。

ではまた、次回の作品で会いましょう。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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