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転生賢妻は最高のスパダリ辺境伯の愛を独占し、やがて王国を救う〜現代知識で悪女と王都の陰謀を打ち砕く溺愛新婚記〜  作者: 夏野みず
王国の変革と中央政界での戦い

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辺境伯邸での再会と「知性の報酬」としての甘い時

 ローゼンブルク帝国との安定的な貿易協定が結ばれ、王国の対外的な信用が確立された後、摂政であるマクナル様は、一区切りついた王都の政務を新内閣に託し、辺境伯邸に戻ってきました。この再会は、わたくしにとって何よりも待ち望んだ瞬間でした。


「アナスタシア!ようやく君に会えた」


 彼は、書斎で数字と向き合っていたわたくしを強く抱きしめました。王都での激務を物語るような、彼の少し疲れた顔を見上げるだけで、わたくしの心は満たされます。


「お帰りなさいませ、マクナル様。王都でのご活躍、心より誇りに思います。帝国の使節団を、数字と合理性だけで納得させるなんて、貴方様以外にはできません」


 わたくしは、彼の頬に手を添え、優しく撫でました。彼は、政務の報告書よりも早く、わたくしの知性の成果を褒めてくれるのです。


「全て君の戦略のおかげだ。帝国側の使節は、君の緻密なシミュレーションと、辺境貨幣の信用力の前で、完全に戦意を喪失していたよ。『これほど予測可能なパートナーはいない』と、感嘆していた」


 彼はそう言って、わたくしを深く見つめました。


「君は、この王国を、血筋や権威から、知性と効率性という新しい原則に基づいた、完全に新しい国に変えた。私は、その君の偉大な頭脳の実行者になれたことを、心から光栄に思っている」


 マクナル様は、王都の貴族たちが未だに理解できない、わたくしの知性の本質を、誰よりも理解し、評価してくれます。彼こそが、わたくしの最も完璧なパートナーです。


 その夜、私たちは久しぶりに二人だけの夕食を共にしました。執務室から離れた、静かな辺境伯邸の食堂は、王都の重苦しい空気から解放された、彼にとっての安息の場所です。


 食事の後、彼は暖炉のそばでわたくしを抱き寄せました。


「君が王都にいなかった間、私は常に君の書簡を読み返し、そのたびに力をもらっていた。君の文字は、どんな宝石よりも私を魅了する」


 わたくしは照れくさく思いながらも、彼の胸に寄りかかりました。


「わたくしの書簡が、貴方様のお役に立てたなら、本望です。ですが、わたくしにとっても、貴方様からの報告書こそが、最高の報酬です。わたくしの理論が、貴方様の手で実現される。その事実以上の歓びはありません」


「私にとっては、君のこの温もりこそが最高の報酬だ、アナスタシア」


 彼はわたくしの髪に顔を埋め、深く息を吸い込みました。


「王都の貴族たちは、私を摂政として恐れているが、彼らが知る由もない。私の真の強さは、君という最高の知性が隣にいることなのだ」


 わたくしは、彼が王国の頂点に立つ権力者でありながら、わたくしの知性に対し、常にこれほどまでに謙虚で深い愛情を注いでくれることに、胸がいっぱいになりました。彼の腕の中だけが、わたくしが純粋な一人の女性として安らげる場所でした。


 私たちは、この夜、王国の未来や、残る改革の話を一切しませんでした。ただ、夫婦としての愛と信頼を確認し合う、甘く、静かな時間を過ごしたのです。それは、権力闘争という激しい戦いを終えた後の、わたくちたち二人だけの、かけがえのない至福の瞬間でした。


 彼は、わたくしの額に優しく口づけながら言いました。


「ありがとう、私の賢い妻。君の知性のおかげで、私は最高の統治者になれた。そして、君の愛のおかげで、私は最高の夫になれるだろう」

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