5 パロサント
エロエロエッサイム…
エコエコアザラク…
テクマクマヤコン…
唱える呪文の言葉で年齢が漏れる世知辛い世の中。
「ならばこれはどうだ。『パロサント』」
…呪文とともに浮き上がる巨大な魔法陣…
違う。それ、呪文ではない。
ワシントン条約で、伐採が禁止されている希少な木の名前だよ。
成長もゆっくりで、採取していいのは自然に枯れたり倒れたりした木のみと決められている、香り高い香木。
ネイティブ・アメリカンが「神の樹」と呼び、魔除けとして使用してきた樹木。
白く立ち上がる煙は、スマッジングという儀式に使われる。場を清め、悪い精霊を追い払い、良い精霊を招き入れる効果があると信じられてきた。
ペルーではシャーマンたちが煙でエネルギーの結界を作り、悪い精霊を倒すために使うとか。
「まいねーむいずコロンだよ。なのにあいはぶパロサント」
この語学力をみれば、コロンがネイティブなアメリカンではないとわかる方もいるのでは?と思う。
ネイティブ・アメリカンでも、シャーマンでもないコロンがなぜパロサントを持っているのか。別に厨二病が悪化したわけではない。
。。。
コロンはもう20年くらい石鹸を手作りしている。
作り出した頃は、材料を手に入れるのも一苦労だった。今はいい時代。
使うオイルや、香りつけのために使う精油などをたくさん調べた。今もずっと調べている。
ハーブのお勉強をしていると「ホワイトセージ」が出てくる。
これもスピリチュアル系で言えば場の空気清浄になる。
悪霊退散とか。で、同等かそれ以上の効果があるというパロサントを知った。
香木。神の樹。ワシントン条約…精霊、儀式…シャーマン、ネイティブ・アメリカン…
「え〜気になる。でも、これを買っちゃう私ってどうなの?」
なんて迷いながら、スピリチュアル系のお店でポチッと買った。800円。安!
それが今、おしゃれな若い子に人気があるらしい。
たぶんビュリーというフランスのお店が日本進出してパロサントを販売。その後にインスタグラマーが発信したのがきっかけかなと思うとる。
★オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー
(1803年創業の総合美容専門店。香水、ルームフレグランス、自然派化粧品、植物オイル、美容アクセサリーなどを販売している)
今はおしゃれなセレクトショップなどでも千円前後で売られている。ビュリーで買うと3190円。
10年くらい前に買ったけど、使い切れず手元にあるパロサントが今人気…。
ようやく時代がコロンに追いついたか…
油分を多く含む木のため、小さな火はすぐに大きく燃え上がる。
火をつける時は蝋燭のように横向きで火を近づけ、火が付いたら縦て持ち、木の先が少し燃えたらその火を消す。すると残った火種がしばらく煙を出し続ける。
どんな香りか?
うーん。
森林浴のようなスパイシーでウッディー。ミントのような爽やかさと、ほのかな甘い香りも含んでいる。
煙はそれを濃縮した感じ。それプラス、木が燃えた香り、炭の香り。
かなり独特な香りです。