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87.ディティ本山③

「うう…この世界に来てからずっと生理不順が続く…」


レグとケンカして、シャルルさんに慰められた翌日。

お腹が痛くていつもより早く目が覚めるとシャルルさんはおらず疑問に思っていると、下腹部に違和感を感じてトイレに駆け込んで確認すれば生理が始まっていた。

今回も色々あったから生理不順になってたんだと思うけど、毎回毎回色々ありすぎて周期が読めない!

準備を整えるとシャルルさんが戻って来てモコモコの服や温かい飲み物を用意してくれた。


「ありがとうシャルルさん」

「身体は寒くない?」

「うん、おかげさまで」


そう言えば前も生理前に感情的になったっけ…。

前はこんなことなかったのにこの世界に来てからはずっとみっともないことばっかしてる…。

生理のせいであんなことを言ってしまったって言い訳したくないけど、うまく感情がコントロールできない気がして嫌だなぁ。

もうちょっと年をとれば落ち着くのかな。


「トワコ、王様来てるけど会う? 体調悪いならまた今度でもいいよ」

「あ……ううん、早く謝りたいからいいよ」


それより今はレグに昨日のことを謝らないと!

泣いて一晩経てばなんであんなに感情的になったのか理解できない。

始祖の能力を使うなってあれだけ言われたのに、昨日は突然バレたせいで焦ってついどうにかしないとと思い、使ってしまった。

使う前に彼らに相談すべきだった…。

アドリブに弱いというか、咄嗟に誤魔化すことができない自分が情けない。強引なやり方で勝手に行動したんだからレグが怒って当然だ。

それで言ってはいけないことを言って彼を傷つけてしまった。

どんどん膨れ上がる罪悪感に押しつぶされそう。早く彼に謝りたい。

シャルルさんが扉を開けると私の様子を見て少し驚いた顔をして足早に近づいて来る。


「昨日身体を冷やしたからか?」

「ううん、生理だよ。大丈夫」

「そうか…」


よかった、もう怒ってない…。

緊張していた身体から力が抜け、頬を触るレグの手に擦り寄ると優しく抱き締めてくれる。


「あのねレグ…。昨日は……その、ごめんなさい。大嫌いって言ったけどあれは嘘だから…本当にごめんなさい」

「ああ、解ってる」

「ワガママ言って困らせてるってわかってるけど私……あの、役に立たないけど…できることはみんなと一緒に…ううん、違う。私にももっと頼ってほしいの。できることは少ないけど私だってみんなの力になりたい…! でも、昨日は勝手な行動してごめんなさい…」

「解ってる。俺も………。いや、トワコが始祖の力を使って倒れたらどうすることもできないのが怖いんだ」


ゆっくりとレグの感情を言葉にして教えてくれた。

風邪や擦り傷となれば薬を使えばいい。だけど、始祖の力で原因不明の症状に陥ったらどうすることもできない。

下手に薬を飲ませて私…始祖には合わず余計症状が悪化するかもしれない。

それが怖い、と。

そうじゃなくてもこの世界の薬は私にとって強すぎる。解熱剤を飲ませただけでも幻覚を見るほどだ。

だからどうしても何に対しても慎重になってしまうし、できることならそういった事態にならないようしておきたい。

もちろん、始祖の能力が外部に漏れることも危険だ。これ以上の不安要素を作りたくない。

ああ、やっぱりレグは私のことを心配してくれてたんだ…。


「本当にごめんね、子供みたいなワガママ言って…」

「俺も過保護にしすぎた。だがお前に何かあったらと考えるとどうしても…」

「もう言わないから」

「いや。俺も押さえつけすぎていた。そうだな、明確なルールを作ろう」

「ルール?」

「ああ。まずありえないが、誘拐されたらまず逃げることを考えろ。加護を使って逃げて、それでも駄目なら遠慮なく力を使え」

「いいの?」

「その代わりこう言え」


レグの言葉に喉の奥がヒュッと音をたて、血の気が引いた。

隣にいたシャルルさんは「いいじゃん」と珍しくレグを褒めていたけど、とんでもない台詞だ…。


「………わか、った…。必ずそう言う」

「そうしてくれ」

「そんな言葉使わないようにこれからも気を付けるね」

「当たり前だ。そうじゃなくてもお前はどのメスより綺麗なんだ。俺だけを見ていればいい」

「俺もトワコのつがいなんですけどぉ? トワコ、これからも俺だけを見ててよね」

「私には四人いれば十分だから」

「俺だけでも十分だがな」

「俺のおかげでトワコと知り合えたくせになんなのほんと。当分の間トワコと一緒に寝れると思ったのに」

「トワコ、昨日は悪かった」

「私こそごめんなさい。もう絶対言わないから」

「ちぇー」


よかった、ちゃんと謝ることができた…。

再度レグに抱き着くとレグも抱き返して首や頬、それから唇にキスをする。

シャルルさんがいるから嫌なんだけど昨日のことがあったから拒否できない…!

されるがままに続けていると耳を触ったり、腰を撫でたりどんどん怪しい雰囲気になってくる。

くすぐったいから止めてと腕を叩くとようやく唇を解放してくれた。


「な、なに…?」

「昨日触れなかったから触っただけだ」

「くすぐったいから止めてよ…」

「くすぐったい、な」

「え…?」

「トワコは耳と首が弱いよなー」

「えぇ? ……あっ、もしかして昨日の仕返しにくすぐってたの!?」

「トワコ、朝ご飯はどうする? ここで食べる?」

「セトに持って来させよう」

「なになに? 変なこと言った?」

「大丈夫だよ、気にしないでね」


意味深な笑顔を浮かべ、セトさんを呼びに行くシャルルさんとレグにハテナマークが飛び交った。







「地下にこんな部屋があるなんて思わなかった…」

「あのメスはつがい同士を戦わせて鍛えてたんだって。それも毎日」

「オヴェールさんらしいですね」


朝食を終え、レグはアーキルさんの屋敷へと向かった。昨日の話をより深堀りして連携を強めていくのが目的。

残った私たちはシャルルさんの案内で地下室にある訓練場へと足を運んだ。

本当はさっさと始祖像を見に行きたいんだけど、生理になってしまったからお預け。血の臭いがするのにあんな大勢の前に行けないからね。

訓練場は何もないただの部屋だったけど、いたるところが破損されていた。


「トワコのセーリが終わるまでジッとしとくのはもったいないし、これからのことを考えて身体を動かすってのも悪くねぇな」

「いつやり合うか解らないからな」

「お互いの連携を高めるためにも丁度いい!」

「あの、ケガしないように気を付けてくださいね」

「大丈夫だよトワコ。傷薬もたくさんあるし安心して見てて」


旅の途中でも彼らはよく組手をして身体を動かしていた。

そのときから小さな傷をしては傷薬を塗っていたけど、今回はいつもより激しくなりそうだ…。

最初にシャルルさんとセトさんが組手をすることになり、アルファさんは私の隣に少し離れて座って見守っている。


「ああやっぱりセトの動きは洗礼されてるな…」

「片目なのによくあんなに動けますね」

「タカ族は視界が広いですし彼の経験と勘でシャルルの動きを捉えきってます! どうやったらあれを崩せるのか…勉強になる…」


さすが元傭兵団のリーダーだけあって目をキラキラさせている。

素人の私から見てもセトさんの動きは俊敏で、無駄のない動きでシャルルさんの攻撃を凌いでいる。

反対にシャルルさんはすごく動きづらそう。

元々暗殺を得意としているから対面での戦いは苦手だと言っていた通り、なんとかセトさんの視界に潜り込んで殴ろうとしてもセトさんに読まれているから避けられる。

あと体格差。

私に比べてシャルルさんの身長は高いものの、身軽を売りにしているからいくらセトさんを掴んだところで投げ飛ばすことができない。

関節技をきめようにもセトさんが慣れた手つきでかわして逆に捕まって投げ飛ばされる。

そんな彼らをアルファさんは真剣な顔で見つめ、ブツブツと自分なりの対処法を考えている。


「アルファさんは勉強熱心ですね」

「えっ!? あ、いや、そんなことは…。それに強くないとトワコさんの傍にいる意味がないので…」

「アルファさんは十分強いですし、強くなくても私たちはつがいじゃないですか」

「っひ、う…あ……そ、そうですが…。で、できれば強くありたいんです…。シャルルに勝ててもセトとは同等ですしレグルスには勝てませんし…」

「レグは特別ですから」

「俺もそれぐらい特別に強くなりたいんです」


十分強いと思うのに向上心が高い人だ。

彼が戦っているところを見たのは数少ないけど、ゼメルの街では数多の武器を扱い知略と底知れぬ体力で敵を斬り捨てていた。

私の前ではこんなに真っ赤になって恥ずかしがっているのに、敵を前にすると無表情になって慈悲を与えることなく斬り捨てるアルファさん。

そのギャップに驚くことはあるけど、そういう部分も含めてアルファさんは格好いいし強いと思う。

手に軽く触れると過剰なほど身体が飛び跳ね、「ひゃぁ!」なんて情けない声を出す。


「な、な、なんっ…で…!?」

「すみません、可愛かったので」

「かっ、わいくは…ないです…」


そう言ってさらに顔を真っ赤にさせ、狼の耳と尻尾を出すアルファさんは誰が見ても可愛いと思うけどなぁ。

ふわふわの耳と手触りが良さそうな尻尾。

それに真っ赤になって戸惑っている可愛いアルファさんを見ると思わずいたずらしたくなる。

プルプルと震える耳に軽く握るとさらに震えて身体を硬直させた。


「……そう言えばレグに耳を触られたんですけど、くすぐったいんですよね。アルファさんもくすぐったいですか?」

「え!? あ、いや…俺はくすぐったいっていうか…」

「でも柔らかくて気持ちいいですね」

「びゃっ!」


耳を触っても特に楽しくないと思うんだけど…。

そう思いながらアルファさんの耳を触り続けていると、どんどん熱くなっていく耳にさらにいたずら心が芽生える。

シャルルさんやレグにはできない。すぐ照れてしまうセトさんやアルファさんにしかできない。


「じゃあ気持ちいいですか?」

「きっ、気持ちよくは…! あ、あのっ、そろそろ…」


自分がされたように耳を撫で、頬に手を移動させてまた撫でると手首を掴まれる。

やばい。ちょっと遊びすぎた…。


「っほんとに…もうっ…! や、やめてください…」


泣きそうなアルファさんに罪悪感と少しの嗜虐心が芽生える。

前にレグが言ってた言葉の意味が解った。

こんな顔されるともっと意地悪したくなる…。


「ごめんなさい、アルファさん。やっぱりくすぐったかったですか?」

「く、くすぐったいより………いや、なんでもないです! セトッ、交代してくれ!」

「えー、俺と交代してよ。もう体力なーい」

「じゃあシャルルでいいからッ!」


これ以上したら気絶するか鼻血出して倒れるかするので手を離すと、触った箇所を手で押さえて逃げるように二人の元へと駆け寄る。

うんうん、やっぱり可愛い担当はアルファさんだよね。


「トワコ、あいつに何してたの」

「ふふっ、ちょっとね」


シャルルさんと交代したアルファさんはすぐにセトさんと組手をはじめ、息を切らしたシャルルさんが隣に座る。

用意していた飲み物とタオルを渡すとお礼を言って汗を拭いて、甘えるように抱き着いてきた。


「ちょっとってなに? あいつ顔真っ赤なんだけど、もしかしてキスした?」

「し、してないですよ。そうじゃなくて…えっと、たまにシャルルさんとかレグってキスするときに耳触ったり、首触ったりするじゃないですか。だから何が楽しいんだろうと思ってアルファさんを触って感想聞いてたんです」

「あー、なるほどね。俺は楽しいよ。というかトワコに触るのが好きだから触ってる。だから気にしないでよ」

「でもくすぐったいから苦手だなぁ…」

「まぁ時間かかるからね」

「なにが?」

「なんでもないよ。それより見てた? やっぱ対面でのやりあい苦手すぎる…」


シャルルさんの言うことはたまに的を得ていないというか、理解できないというか…。

よく解らないけど聞き返すほどのことじゃないので適当に相槌を打ち、二人の組手を見ながら解説をしてもらった。

セトさんとアルファさんは体格差はないものの、鷹と狼という種族で体力に大きな違いがある。

だからかセトさんはアルファさんと戦うのが苦手で、できるだけ距離をとって一撃で静める戦法をとっている。

アルファさんは戦場育ちなので洗礼された動きをするセトさんとは違い、どこか乱暴で動きが読めない。

得意な武器を使っていないけど殴り合いだって彼は強い。


「セトとやり合うのはいいんだけど、アルファとだけはやり合いたくないんだよなぁ…」

「そうなんですか?」

「あいつ体力バカじゃん? それに動きが読めないし勘が鋭いから逃げにくいんだよ…」

「セトさんも動きづらそうですね」

「あいつもどっちかと言えば奇襲型だからね。まぁそれでもさすが第一空軍部隊隊長様だけあって肉弾戦も強いよ」

「頼もしい限りです」

「俺だって夜だったらもっと強いからね! セトの目玉潰してやったし!」

「そ、そうですね。まぁ得手不得手はありますから」

「むー…トワコには負けたとこ見られたくないなぁ…」


別に負けたからと言って格好悪いとは思わないんだけど…。

ふくれっ面になったシャルルさんの頬を軽く突くとちょっとだけ恥ずかしそうに視線を背ける。

こんな表情見たことがない!

湧き出る庇護欲に頭を撫でると上機嫌に笑って抱き着き、チュチュとわざと音を立てながら色んな箇所にキスを落とす。

唇だったり頬だったりがいつもなのに、今日は耳や喉、首にもキスをするシャルルさん。

やっぱりくすぐったいなぁ。


「ひゃっ! シャルルさん、そこはちょっと…」

「トワコはうなじが弱いんだね。覚えておくよ」


くすぐったくて笑っていたけど、シャルルさんの手がうなじを触った瞬間、その周辺に鳥肌が立った。

くすぐったい……と言うより…なんか言葉に表現できない感触に混乱する。

変な悲鳴が漏れた瞬間、パッと手を離して最後に唇にキスをすると二人の元へと向かい、セトさんと交代した。

なんだったんだろう、あの感触。


「トワコ嬢? 寒いのですか?」

「え? あ、いやそんなことは…」


自分でも触られた箇所を触るとブルリと身体が震え、セトさんが心配そうな顔で聞いてきた。

着こんでるしブランケットもあるし温かい飲み物もあるから寒くない。

なのに何で身体が震えたんだろう。


「それよりお疲れ様でした。片目しか見えないのに見事な動きでしたね」

「片目だからこそ相手がどういう動きをしてくるのか解りやすいので」


片目のハンデがあろうとセトさんは強かった。

続けて組手していたから息も切れきれで、汗も滝のように流れている。なのに私を優先してくれるセトさん。

新しいタオルを出して汗を拭いてあげると目を細めて喜び、されるがまま汗を拭かせてくれる。


「やはりアルファ相手になると大変ですね」

「シャルルさんも苦手だって言ってました。逆にシャルルさんはどうなんですか?」

「あいつは完全な奇襲型、暗殺型なので動きが読みやすくて助かります。夜で森の中じゃなければどうとでも対処できます」

「じゃあ最初の出会いは最悪でしたね」


懐かしいなぁ。

あの頃の私は記憶喪失だなんて嘘ついて旅をしようとしてたんだっけ? 今思えばお粗末すぎる…。

信用していいのか、この世界がなんなのかわからないときにセトさんと出会って目を失ったんだよね…。

セトさんは気にしてないようだけど、思い出すたびに胸が苦しくなる。

無意識に眼帯に触れると私の手にセトさんの大きな手が重なる。


「心を痛める必要はありません」

「ありがとうございます。でもどうせなら両目があったときのセトさんも見たかったなぁと。もちろん今のセトさんも素敵ですけどね」

「あ、ありがとうございます…。私も許されるなら両目でトワコ嬢を見つめたいです。きっと今見えるトワコ嬢より愛らしいのでしょうね」


顔が赤く染まるのに惜しげもなく愛を伝えるセトさんに私まで顔が熱くなる。

なんというかロマンチストな感じがするんだよね。

ちょっとむずむずするけど嫌な気持ちにはならない。それ以上に私もそれぐらいの愛情を返してあげたい。

眼帯にキスをして、セトさんがいつもするように私も額や目尻、頬にキスをしながら耳を触ってみる。

するとアルファさんのとき同様、過剰に身体が跳ねて引き離された。


「ごめんなさい、くすぐったかったですか?」

「……どうして…じゃなくて、なんでいきなりこのようなことを…?」

「シャルルさんとレグが触るからそういうものだと思って…。私はくすぐったいんですけど、アルファさんもセトさんも同じように驚きますよね」

「あー…なるほど…。トワコ嬢、あの二人をあまり見本にしないほうがよろしいかと」

「……あっ。もしかして獣人的にマナー違反なことしました!?」

「そうではなく…。その……さ、誘われているの、か、と…思いまして…!」

「…………えッ!?」

「も、勿論トワコ嬢にその気がないのは解ってます!」


なんてこったい…!

あの二人がすることだからただのスキンシップなわけがなかった!

もう何でもかんでもあの二人を真似するのは止めておこう。

………ん? ということは誘われてたってこと?

そっか…そうだよね、ディティ本山で目的を達成したら交尾するって言ってるもんね!

でもまだ何もしてないのに誘われても交尾なんてしないのに…。もうほんとわかんない…!


「おい何をしている」

「わっ!」


微妙な空気が流れる中、元凶の一人であるレグが戻って来た。

気配もなく背後に立ち、耳元で囁く声に心臓と肩が飛び跳ねる。

まさかこんな早く帰って来るとは思ってなかったから油断した…。


「お、おかえりなさいレグ」

「レグルス、もう終わったのですか?」

「いや途中で邪魔が入ったから一旦戻って来た。また昼食後に向かう」

「では私もご一緒します」

「そうだな。セトもいてくれると助かる。たまにあいつの無神経な発言を聞くと潰したくなる」

「そんなことしたらダメですからね」


レグは私をそのまま抱え、膝の上に乗せて抱きしめる。

アーキルさんはいい人そうだけど、ちょっとだけ軽い性格に見える。少しシャルルさんに似てる気がする。

レグはそういう人嫌いなんだよなぁ。今でさえ一日一回は絶対に口喧嘩してるほどだし。

なんとなく疲れているように見えたから頭を撫でてあげると抱きしめたまま首を舐めてその周辺にキスをする。


「あのレグ…。くすぐったいからそれ止めてほしいんですけど…」

「そうか」

「えっと…。あのね、さ、誘われても…しないよ…?」


セトさんに教えてもらったことを口にすると、パッと顔をあげ不思議そうな顔で私を見つめる。

え、違ったの?


「知ってる。お前の用事が終わるまで俺も考えてない」

「じゃあ何で…いつもと違うキスするの…?」

「さぁな」

「レグルス、まさかとは思いますが……」

「下準備は早いほどいいだろう」


下準備ってなんだっ…!

無知なばかりにされるがままだけど、なんとなくそっち系なんだと思う…。

違ったら恥ずかしいから口にしないけど。


「ちょっと王様、いちゃいちゃしてる暇があるなら参加しなよ」

「どうせなら四人でまとめてやるか?」

「いや、三対一で十分だ。まとめて捻り潰してやる」

「はぁ? 上等じゃん。セト、作戦立てようぜ」

「レグルスもさすがに三対一はきついんじゃ?」

「問題ない。ああ、獣化になってもいいぞ」

「マジむかつくわー」

「ケガしない程度にお願いしますね」

「俺がするわけないだろう」


宣言通り、三対一になってもレグは持ち前の戦闘センスと異常な怪力で文字通り三人を叩き潰したのだった。

ほんとどうしてこんなすごい人が私のつがいなんだろう…。

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