70.リーデル国①
色々あったカカント国を抜け、新しい国リーデル国に到着した。
山や平原が多かったカカント国とは違い、リーデル国は森が多く点在していた。
舗装されていない荒れた道を進み、国の中心である首都に到着したのは入国して二日後だった。
大国である王都に比べてそこまで大きくはなかったけど、活気に満ち溢れた街。
「え、街に泊まらないんですか?」
「この馬車じゃ目立っちゃうからね。一人だけ外で留守番することにしたんだ。盗まれるのも嫌だし」
「誰が残るんですか?」
「くくっ…王様が留守番になった」
「レグが?」
城壁の近くに馬車を停め、歩いて街に入ると言われたときは疑問だったけど、確かにこの豪華な馬車じゃ目立つよね。おまけに珍しい魔獣の馬も連れてるし。
身支度をしながらレグを見ると明らかに苛立ってるレグが殺気を放って私を睨んでいる。
な、何で私を睨むのかわからないんですけど…!
でもあの殺気なら誰もこの馬車に近づいて来ようとしないよね。最強のセコムだ。
「ごめんねレグ。すぐ戻って来るから」
「お前もここに残れ。そいつらだけだと危険だ」
「そ、そうしたいんだけど下着は絶対に欲しいし…」
「チッ」
「ほらトワコ行くよー。じゃ王様、いい子で留守番しててね」
「あとは任せました」
「言われたもんはちゃんと買ってくるからな!」
少しだけとは言え、レグと離れると寂しくなるなぁ。もちろん、他の人が留守番でも寂しい。
久しぶりに自分の足で歩いて目的地へと向かうも、久しぶりに歩くせいかすぐに息切れを起こす。やっぱりずっと乗ってるだけだと体力も筋肉も落ちてるよね…。
私の足の速度に合わせ城門へと向かい、並んでいる列の最後尾で入門審査を待つ。
首都なだけあって警戒も厳しく、色んな兵士が私たちをジロジロ見てくる。
「うっぜぇ…。こっち見んなよな」
「トワコ嬢、城門までは顔を隠してて下さいね」
「はい、わかってます」
みんなもリーデル国の情勢にそこまで詳しくない。
だから万が一のためにフードで顔を隠し、変に目立たないよう喋らないことにした。
黙っている間は暇だったけど、三人が色んなことを話してくれたのであっという間に待機時間は終わり、城門で受付をする。
「おい、顔はちゃんと見せろ。怪しい奴は入れねぇぞ」
「あ、すみません」
「っメス!?」
「うわ、メスだ! しかもとびっきり可愛い!」
「メスが来るなんて久しぶりだな」
「見るんじゃねぇよ。俺の番だ」
「斬ったら駄目…。斬り落としても駄目…! ッおい、触ろうとするな!」
やっぱりと言うか、予定調和というか…。
怪しまれないためにも顔を見せないといけないのはわかるけど、この瞬間はいつまで経ってもドキドキする。
問題を起こさないよう三人にはしっかり伝えたけど、私に群がって来る男性を必死に突き放す。
その騒動に気づいた後ろに並んでいた人たちも遠目から私たちを見ている。
他の街や村だったら顔を見せなくても大丈夫だったりするんだけど…。さすがに首都となれば難しいよね。
「お願いします、門番さん。このまま通してもらえませんか?」
「もちろんだとも! だからせめて名前だけでも教えてくれないかな!?」
「君、番が三人しかいないの? 俺なんかどう!?」
「すみません、帰るときに返事しますね。疲れたので先に休ませてください」
「ああっ、ごめんごめん!」
「お勧めの宿屋とか飯屋案内しようか?」
「しつけぇっての! 早く中に入ろう」
「そうですね」
だけど私だって慣れたものだ。
話を遮って言いたいことを伝えるとすぐに返事をして中に入れてくれた。
ついて来そうな男性たちをアルファさんとセトさんが払いのけ、なんとか離れることができた。
街の中に入ってすぐにフードを被り直し顔を隠す。
「トワコ、どっか触られた?」
「いえ、三人が守ってくれたので大丈夫です。ありがとうございます」
「不愉快極まりないですね。シャルル、アルファ、周囲の警戒を」
「ああ、任せとけ。トワコに近づく奴は丁重におもてなししてやる」
「アルファさん、よく剣を抜かなかったですね」
「や、約束ですからぁ…!」
剣を大事そうに抱きしめるアルファさんの頭を撫で、自分もと言って抱き着いてくるシャルルさんの頭も撫でる。
二人だけじゃ不公平なのでセトさんの頭も撫でようとすると察して屈んでくれた。
「さぁ買うもの買ってレグの元に戻りましょう!」
ここには食糧と水、それと下着とブラシを買うために寄った。
本当は見たことない食べ物や便利道具を見て回りたいんだけどレグを待たせてるし、顔を見られているのでさっさと用事を終わらせる。
「先に下着を買おうか。俺が選んであげるねー」
「だから私が選ぶからいいですって…」
「えー…」
上質な布を生産、輸出しているのできっと肌触りがいい下着があるに違いない。
商店街を通り抜け、少し高級そうな通りに向かうと人混みも少なくなって歩きやすくなった。
ところどころには女性もいて、ドレスや甘い食べ物なんかを番と一緒に楽しんでいる。
「トワコ嬢、あそこです」
「ドレスしか展示されてませんよ?」
「店の中に下着も展示されてます」
「さすがムッツリ。よく見えるな」
「タカ族だから見えるだけだ…!」
「そういうことにしといてやるよ。ほらトワコ、急ごう」
「はい」
シャルルさんと手を繋いだまま中に入ると黒服の男性が出迎えてくれた。
お店には私の他に一組の番がおり、一度こちらを見たあと目を細めて二階へとあがる。
私、何かしたかな? あ、変装のためちょっと汚い恰好してるから?
そんなことを考えているとセトさんが店員さんと話を終え、私たちも二階に案内される。
二階は廊下が続き、左右には部屋に続く扉のみ。
下着を買うのに別室に行かないといけないの?
よく解らないシステムだったが案内されるがまま一つの部屋に入ると、たくさんの下着が飾られていた。
ああ、なるほど。部屋一つが専用試着室になってるんだ。配慮してくれてるんだなぁ…。いやこの世界だとこれが普通か。
「本当に自分で選ぶ? 俺が選んじゃダメ?」
「ダメです。カタログでも見ててください」
「ちぇっ。あ、そこの二人鼻血出してカタログ汚すなよ」
「カタログぐらいで出すわけなかろう」
「お、俺見れない…! 目瞑ってる!」
さて、私は好きな下着をさっさと選ぼう。
その前にサイズを測らないといけないんだけど…。これ自分で測るの?
セティさんだったら恥ずかしげもなくその場で脱いで番に測らせるんだろうけど、私には無理。
「あ、トワコのサイズはこれね」
「………なんで知ってるんですか」
「抱き着いたときになんとなくだよ。微妙なサイズは解らないから色々試してみて。それとも俺が測ろうか?」
「いいですっ」
この人ほんとなんでも知ってるな…。
持って来てもらった下着にはサイズは書いてあったけど、AとかBとは書かれていない。
サイズ測ってもなんとなくしかわからないけど、今着ている下着はCカップ。それが苦しいってことは憧れのDカップになったってこと!?
もう成長しないと思ってたけどこの世界に来てからたくさん運動したし、メスお勧めの栄養価が高いものを食べたし、なんなら美容にいいサプリメントも飲んでるからかな? どっちにしろ嬉しい!
とりあえずシャルルさんに渡された下着とそのサイズに近い下着をいくつか持って試着室っぽい扉を開くと着替えるスペースと小さめのベッドがあって心臓が止まった。
な、なんでベッドがここに…?
「トワコ、着替える?」
「ひゃ! び、ビックリした…」
「アハハ、何でビックリしてんの?」
「いやぁ…。ってなんでシャルルさんも入ってくるんですか」
「だって危ないじゃん。こういう場所って誘拐されやすいし」
「そ、そうなんですか?」
「一人になったメスを別の出入口から侵入して誘拐する手口は多々あります。ここだけでなく、ドレスショップでもそうです」
「こわぁ…!」
「だから、ね?」
「ならアルファさんで!」
「お、俺ですかァ!?」
うん、こういうときはアルファさんがいい。
さっきからシャルルさんの目つき怖いし、ベッドあるし警戒してしまう…。
アルファさんの名前を呼ぶとセトさんに目隠しをされ、ぎこちなくこちらに近づいて来る。
「そんな警戒しなくてもいいのに…」
「べ、別に警戒してませんよ。でもこういうときっていっつもアルファさんだから…」
「はぁ…残念。そこの部屋防音になってるから何かされたら加護を使って逃げてね。あ、ちょっと開けておこうか」
「アルファさんなら大丈夫ですよ。ね、アルファさん」
「も、勿論です!」
「そいつもあんまり信用しないほうがいいと思うけどなぁ…。わかった、とりあえずトワコを信じるよ」
「アルファ、解ってるよな」
「ああ、任せてくれ!」
目隠しもしてるし、水浴びで慣れてるから今更大丈夫でしょう。
一緒に部屋に入ってアルファさんには後ろを向いてもらい、服を脱ぐ。
「んー…まだちょっと苦しいかな…。こっちは……」
「ト、トワコさん…。あの、喋らないでもらえると助かります…!」
「あ、すみません」
悩んだりするとつい口に出しちゃうんだよね…。
今度は口に出さないよう別サイズの下着を身に着ける。
「あれー?」
「っひ、っひ…!」
シャルルさんが選んだサイズとその上下のサイズもどれもしっくりこなかった。
別サイズの下着を持って来ようと床に置いていた服を着るため屈んだ瞬間、お尻がアルファさんの足に当たってバランスを崩す。
それなりに広い部屋だけど誘拐されるかもしれないと言われてできるだけアルファさんの近くにいたのを忘れてた。
前のめりに倒れそうになったのをアルファさんの太い腕がお腹に巻き付いて転倒を防ぐ。
「あ、ありがとうございますアルファさん」
「っ…!」
「アルファさん?」
アルファさんは極度の照れ屋さんだ。
未だにキスはできないし、手を繋ぐのだって一呼吸と気合いがいる。
そんな彼が、心の準備もなくいきなりお腹や胸が触ったらどうなる?
背後から聞こえる荒々しい呼吸音に身の危険を感じる。
「アルファさんっ。もう大丈夫ですから離れてくださいっ」
「や…柔らかい…。可愛い、気持ちいい…! も、もっと触りたい…!」
「アルファさん!」
そのまま私を抱きしめ、ペロリとうなじを舐めて軽く噛みつく。
くすぐったいのに気持ちよさが勝って鳥肌が立つ。
ああもう最悪だ。ドジした私が悪いっ!
なんとか理性を取り戻してもらおうと腕を叩いたり、抜け出そうとするもそれ以上の力で抱きしめられ身動きとれず色んな箇所にキスをされる。
照れ屋であっても彼は四人の中で一番激しく豹変する性格! これは本当にまずい!
いくら叫んでも防音室なせいで誰も助けに来てくれない。
「トワコさん…可愛い…! もっとキスしたい…好き、大好き」
「ふっ、うう…!」
目隠しを外したアルファさんは軽々と私を持ち上げ、ベッドに運んで押し倒す。
そ、そのためのベッドか…! 知りたくなかった!
理性を失いかけたアルファさんの目の焦点はあっておらず、壊れたオモチャのように同じことを繰り返して貪るようなキスをする。
舐めるだけじゃなく、舌や唇を噛んで私をとことん味わう。
一時も離れようとしないせいで二人の唾液がポタポタと胸に落ちていく。
「やぁ…! アルファさんっ、ダメですって!」
「ああもうその顔可愛いすぎる…。困らせたくないのにもっと見たい…。き、嫌われるの解ってるのにもっと酷いことしてやりたくなるッ…!」
「っあ!? あ、やだっ、ダメ! うそ、うそやめて! お願いだからもう止めて! アルファさんッ!」
抵抗する私の両腕を掴んで固定し、空いた片方の手で胸に手を伸ばす。
サイズが合ってないせいで下に少しずらすと勢いよく胸が現れ、ゴクリと私にも聞こえるぐらい大きな音を立てて胸を舐め始める。
柔らかくてぬるぬるしたものが胸、乳首を這う。
ビリビリとした痛みに似た快楽が胸から脳と子宮に伝達し、初めて喘ぎ声を出してしまった。
「あ、っあ…! やぁだ、やめて…っ。んっ、ううう…!」
キスも気持ちいいけど乳首もこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
抵抗しなくちゃいけないのに気持ちよくて…。もっと舐めて、噛んでほしくてたまらない。
「あっ、…んん! やだ…アルファさんっ…! おね…っひ! や、そこはダメ、お願い…!」
気持ちいい。
そんな感想しか出てこず、言葉で抵抗するだけ。
強い刺激が走ると身体がビクビクと飛び跳ね、その度にアルファさんが興奮していくのがわかる。
ダメなのに…。こんなところで…みんなにも内緒でエッチなんてできない…!
本当はもっと触ってほしいし、舐めて、噛んで、キスされたい。
今まで溜まってた性欲が一気に消化されていくのが余計理性を失わせていく。
「ううう…!」
「はー…はー…!」
胸から口を離し、見下ろすアルファさんの目は完全に理性を失っていた。
不器用な呼吸で本能を抑えようとしているが口元は僅かに微笑んでおり、今度は下に手を伸ばす。
「―――アルファ、止めろッ」
「っぎ…!」
本当は触ってほしかった。気持ちよさに流され、この性欲を発散したかった。
でも扉の向こうにシャルルさんとセトさんがいるのを思い出し、強い言葉で命令するとビタリと動きが止まる。
動きを止めるとようやく理性が本能に勝ったのか、ポロポロと泣き出して唇を噛みしめる。
「っはぁ…! もう大丈夫ですか?」
私の質問に何度も頷いて乱れた呼吸を整える。
危ないところだった。本当に危なかった…。
油断して、流された私が悪かったと謝ると首を左右に振ってまた大量の涙を流す。
唇を強く噛みしめているせいで血が僅かに滲んでいた。
「動けます?」
「だ、いじょう…ぶです…っ」
「アルファさん、今さっきのことは私達だけの秘密にしましょう」
「だっ、駄目です…! 俺、トワコさんに…ッ。す、すみません…! 本当にごめんなさいッ!」
滲んでいる唇に手を伸ばし、噛まないよう声をかけると能力が解除されたらしくベッドに正座になって拳を握りしめる。
彼が本当に反省しているのは態度を見ればわかる。それに私がアルファさんの優しさに甘えていたのも悪い。
わざとじゃないにしろアルファさんに襲われたことをあの三人が知れば絶対に殴られる! というか殺される危険性もある…。特にレグは留守番していることもあってかなり苛立ってる…。
そんなの絶対にダメ!
「ちゃんと皆に俺がした失態を報告します…! こ、これで番を解消されても……ッ。本当にすみません!」
「それは私が許しません。いいですか、二人だけの秘密です」
「で、でも…」
「秘密です! 私も流れかけましたし、お互い様です。それよりアルファさんと番を解消するほうが嫌です」
「…っひく、ごめんなさい…!」
子供のように震えて泣き続けるアルファさんの頭を撫でる。
ともかくなんとか誤魔化さないと!
急いで服を着て持って入った下着を集めて扉を少し開ける。
「シャルルさん、このサイズより少し大きめの下着を持ってきてくれませんか?」
「いいけど…。大丈夫?」
「何がですか?」
「アルファの奴、トワコに手出してない?」
「はい、大丈夫です。耳も抑えてうずくまってます」
「なら安心だね。はい、これでいい?」
「ありがとうございます。もうちょっと待っててくださいね」
部屋の中を見られないよう腕が通るだけの隙間を開け、持って来てもらった下着を貰ってすぐに閉める。
に、匂いとか大丈夫だよね…?
ともかくさっさと下着を選んで終わらせよう。
正座したままのアルファさんにそのままそこにいてもらって、さっさと下着を合わせる。
すぐに身体にピッタリな下着を見つけたので最初の服に着替えて、襲われたときに着ていた下着を手にしてアルファさんを呼ぶ。
「あ、目隠ししてますね」
「は、はい!」
「いいですか、外に出ても普段通りにしてください。絶対の絶対ですよ!」
「が、がが頑張ります…! ひ、秘密は絶対に守ります!」
「せっかく番になれたんですからね! それと、申し訳ないんですけどこの汚れた下着をあとで買い取ってもらえますか?」
「ああああのこ、これは…!」
「汚れちゃったんで買い取るしかないですよね。買い取ったあとは捨てて下さい」
「え、あ、…あ、はい…解りました…! でもあとでって…?」
「あー……その、アルファさんも色々あるでしょうから…。とりあえず落ち着いたらこれを買い取って、どこかに捨ててから合流しましょう!」
何か硬いものが当たっているのは解ってた。
あえて全部を言わずに逃げるように部屋から出てすぐに扉を閉める。
ベッドがあるってことはそういう行為をしていいってことだよね? じゃあ下着と自身のアレを処理してもらって合流しよう。
「お帰りトワコ、サイズわかった?」
「はい、このサイズがピッタリでした」
「じゃあこのサイズの下着買おうか。どれがいいかなぁ…」
「…トワコ嬢、アルファは?」
「あー…なんか動けなくなったみたいで…」
「…あぁ、なるほど」
「あっはは! なっさけねぇ! トワコ、これ可愛くない? これにしようよ」
「あ、はい。それでいいです」
「え、俺が決めていいの?」
「……際どくなければ何でもいいです。私も選んでいいいですか?」
「もちろんだよ。じゃあこっちの可愛いのと…」
「シャルル、カタログに目を付けていたのがあっただろう」
「あ、そうだな。これとこれもだな」
とりあえず二人には誤魔化すことができた。
選ぶ元気もなくなったので下着選びは二人に任せ、用意されていたお茶を飲んで乾いていた喉を潤す。
本当にアルファさんには申し訳ないことをしたなぁ…。大丈夫だからって甘えすぎるのはよくないよね、うん。
でも……き、気持ちよかったなぁ…!
自分で触った時と全然違った。何倍も気持ちよくて、全身が震えた…。
「はぁ…」
彼氏いたことないからそういう経験がないのは当たり前だけど、知識はあるから先のことを考えてまたモヤモヤする。
純情ぶってるわけじゃないし、番相手なら別に……エッチしても…いいと思うんだけどなぁ…!
いざってなるとやっぱり怖い。
しかも最初の相手を選ばないといけないのが一番辛い!
選んだってことは他の三人に「これからこの人と交尾してきます」って報告するようなもんでしょ!?
そんなの報告したくない。恥ずかしすぎる!
どっちにしろ、したらしたでバレるんだけどやっぱり番が複数いるってのがネックだ。
ある程度の心の準備はできてる。やってしまえば大丈夫だと思う。だけど残りの三人のことが頭にチラつくし、恥ずかしさでやっぱりまだエッチはできない。
「やっば、これ可愛くね? 絶対ぇトワコに似合う」
「いやそれよりこっちのほうが似合う」
「やっぱ紐パンかよ! でもいいぞ、俺も好きだ」
「(楽しそう…)」
ディティ本山に行って色々解決したら…そのときは彼らを受け入れよう。
気持ちいいほう、楽なほうに逃げるのは目的や目標を見失うってよく言うもんね。どっちにしろ用事が終わったら交尾するって言ったし…。
改めて彼らに流されないよう理性をしっかり保つことを心の中で決める。
「あの、そろそろいいですか。食料も買いに行かないとレグに怒られますよ」
「待たせておけばいいよ。それよりこれどう? いやじゃない?」
「イヤじゃないけど遅れると私がレグに怒られるので、あと五分で決めてくださいね」
「短すぎるよ!」
「解りました、早急に決めてきます」
アルファさんがいつ出て来るか解らないし、さっさとここから退散するに限る!
時計を見ながらカウントダウンして手早く選ばせ、逃げるようにお店を後にした。




