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14.王都①

「はー…! すごい人の多さですね…」

「王都だからね。何か飲む?」

「あ、水が残ってるんでそれ飲みます。鞄は…」

「疲れてるんだから座ってて。僕が持って来てあげる」


城門を抜けると目の前は商店街が並ぶ大通りだった。

男性ばかりなので歩くのに苦労したけど、シャルルさんのエスコートのおかげでなんとか宿屋へ到着。

重たい荷物を置いて、ようやく椅子に座るとドッと疲労感が襲って来る。

今日も介護をしてくれるシャルルさんにお礼を言って水を飲み干し、少しだけ体力が回復。

この世界の男性はみんな背が高いし、マッチョな人ばかりだからその中を歩くのは本当に大変だった…。何度も潰れそうになったよ。


「明日も休む?」

「いえ、さっそく鷹の女王さんに会いに行きましょう!」

「休んでからのほうがよくない? かなり疲れてるよね?」

「この二週間でそれなりに体力はつきました。それに私にとってマリッジリングは重要事項の情報ですから」

「たくましいなぁ。じゃあ明日はタカの女王に会いに行こうか」

「って言っても、会ってくれますかね?」

「どうだろう。そればかりは行かないと解らない」

「んー…。会ってくれないと困るなぁ…」

「じゃあちょっと待ってて、情報集めてくるよ」


言うや否や立ち上がり、鞄に入れていた残りの食料を机に並べてあっという間に部屋から出て行った。

あの人ほんと何者なんだろう…。

よくギルドの仕事してるし、仲間っぽい人と会話してるからそれなりに有名な冒険者?なんだろうけど、なんかちょっと違うんだよね。

勝手なイメージだけど冒険者って複数パーティだと思ってるんだけど、シャルルさんは性格的にも会話の内容からしても一人っぽい。

もしかして凄腕の冒険者とか?それはありえる…。森で出会った鷹と戦ったときもほぼ無傷だったもん。


「ほんと、最初に出会ったのがシャルルさんでよかった」


ベッドに寝転んで、神様仏様に感謝の祈りを捧げる。

私が女だってことを隠さないといけないのは窮屈だし、バレたら大変なことになるから気が抜けないけど最初に出会ったのがシャルルさんで本当によかった。


「ただいま」

「わっ!」

「ははっ、驚いた顔も可愛いね。情報貰ってきたよ」

「は、早いですね…」

「店主とそこら辺にいた連中に聞いてきたからね。ご飯食べなくて大丈夫? 果物が良かったら貰ってくるよ」

「ううん、大丈夫です。情報を教えてください」

「タカの女王の名前はセティ。年齢は二十台後半。王都でも人気のメスで誰もが見惚れるらしいよ」

「美女…」

「だけど彼女は珍しく種族主義でタカのつがいしか選ばないんだって」

「それで鷹の女王って呼ばれてるんですかね?」

「そうかもね。お喋り好きって聞いてたけど実際は違うみたい。気難しい性格らしく、他種族と交友関係はないみたい」

「え…。じゃあ行っても無駄じゃないですか…?」

「と、思うでしょ? 残念、他のメスもそんな感じだよ」

「メス同士は仲良くないんですねかね…」

「だけどその中でまだ唯一話す機会があるとしたらタカの女王かな」

「なんでですか?」

「彼女がタカ一族だからだよ」

「ん?」

「タカ一族は名誉を大事にする一族で根が真面目なんだ。だから真摯に答えれば気に入ってくれるかも」

「なるほど。じゃあ下手に出ることにします。任せてください、そういうの得意です」


小心者だしね! いけるいける!


「もし不快な思いをしたら後で教えてね」

「……何故?」

「他に何か情報いる? もうちょっと時間貰えれば集めてくるよ」

「…はぁ。もう大丈夫です。あ、待ってください。鷹族の好物ってありますか?」

「好物?」

「タダでお話を聞く訳にはいきませんし、アポもなしで屋敷を訪れるのは失礼かなーって…」

「あぽ?」

「連絡もなくって意味です。だから好物を手土産にして持って行けば少しは許されるかなと」

「いい考えだね。じゃあ調べて来るよ。一人にさせてごめんね」

「いえ、私は何もできないので助かってます。ありがとうございます、シャルルさん」


いつもお礼を言うと少しだけ幸せそうに笑って、必ず私に手を伸ばす。

でも触ることなくくうを握り締め、頬だけを触って部屋を後にする。

前に首を噛まれたからまだちょっと警戒しちゃうけど、最近は抵抗感も危機感もない。

野宿するときは黒豹に抱き着いて寝てるのもあっていい加減慣れた。


「よし、明日の為に聞きたいことをまとめておこう!」

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