久々
休日。誰もが待ち望む安息日だ。ホリデイというくらいだし昔から神聖視されていたのかもしれない。知らんけど
そんな休日の片隅で俺は2週間連続で学園物のラブコメをリアルロールプレイングゲームでプレイしようとしている。
今度新作ゲームで『冴えない男の付き合い方』とかいうゲームでないかな?
最も相手の方はただの遊びとしか思ってないだろうがね。現実にあり得ないし。
だが、さすがの美少女補正。当然待ち合わせに現れた佳人一一心晴の存在は周囲の視野を可能な限り狭めて自身に集中させていた。
かくいう俺も、心晴と遊ぶのは中学以来で、さらに美しさに摩擦が見当たらなくなってきたのを見て、瞳孔反射をせずに入られなかった。
あ、反射って無意識か、しょうがねぇな。
要するに見惚れたわけだ。さすがに恥ずかしいのですぐに元の表情に戻った(つもりだ)が。
「あっ、巧樹ごめん!待った~?」
「まだ5分前だから全然大丈夫」
さすがに咲優ほど早くはなかったが、これくらいが妥当だろう。
「そっか!じゃあ早くいこう!」
「お、おう。まだ開く1時間前だぞ?」
「早く行くことに越したことはないよ!」
いつも以上にぐいぐい来るなぁ。
ぐいぐいすっ転ばないか心配だ。
まぁ、1時間前だし危ないからゆっくり言っても大丈夫だろう。
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そんなことあるはずがなかった。
なんで30分前なのにこんな人並んでるの!?
ん?あれはまさか...女優の新元花華じゃないか!?なんで超人気売れっ子女優がこんなところに...
あっ、もしかして...
やっぱり!今日この遊園地で握手会やるみたいだ!
あんまり女優とか興味ない俺でもこの人くらいはよく知ってる!かわいいって有名だよな(語彙力)
「...ねぇ、巧樹、さっきからあの女優ずっと見てるけど、好きなの?」
「ん?好きかどうかって言われると好きだな。俺あんま女優知らないんだけど可愛いって有名だからね」
「...へぇ」
....っ!?さっむ!
ちょっと、あなた太陽でしょう?ほらもっと照らして!
あぁ、うそ....あぶそりゅーと...
「ねぇ、今日の私ってどんな感じ?」
そういってこちらに自身の服をヒラヒラさせている。
した、めくれますよ...?
「どうって、いつも通りの心晴じゃないか?」
「そのいつも通りを詳しく!」
「ちょっ、今日ほんとにおし強いな....そうだな..普段から天真爛漫で明るくて可愛いが、今日のそのふりふりした服は心晴の明朗な人柄にあってるよ。」
まぁ、良くも悪くもいつもの心晴なんだけどね。逆にこれと違う心晴を想像できない。
「//...そっか、可愛いか....ありがとう...!」
「ありがとうって...いつも言われることだろう?慣れてるんじゃないのか?」
「ううん...巧樹に言われるのとじゃベクトルが違うよ...嬉しい...」
ちょっと、俺がいくらあなたの親戚だからってさすがにそれは皆かわいそうだよ?
とは言え、そんなことを言われては男としては赤面せざるを得ないのである。
お互い黙り混む。えーと、今は授業前じゃないんだけど....
「そ、そうだ!早く並ぼ!」
そんな空気に耐えかねたのか心晴が口を開いて走り出そうとした一
「おいっ!そこ段差...!!」
「えっ?」
心晴が走り出した場所には少しだが段差があったのだ。普通は踏み外したりしないくらいの物だが、こんな空気だったのだから仕方がないのかもしれない。
まぁ間一髪俺が心晴の手をつかめたお陰で、何もなかったんだが。
「怪我はないか!?」
「うん...ごめんね...」
「おう、まぁ俺もあんな空気にさせたのが悪いし、すまなかったな」
それでもまだちょっと、俯きがちだったので心晴の顔を覗きこんだ。
「ふぇ!?なにしてるの!」
「おわっ!心晴が俯いてたからどっか痛めたんじゃないかと思ったんだけど....」
「ほんとになにもないから!大丈夫だから!」
何故か顔を火炎なみの色に変化させた心晴。
よくわからないが、なにもなくて良かった...
てか、ほんとにずっこけたな。
新元花華はとある女優のアナグラムです。
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