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竜の者

今回から作業時間の関係上1部省略します

 12:竜の者

 陽の光が差し込む静かな朝ミズは盆栽を剪定していた、パチパチとハサミで葉を切る音だけがする中、戸がガラリと音を立てて開いた。

「邪魔するっす」

「いらっしゃいませ、ゆったりとして言ってくださいね」

「ここは店屋さんなんっすか?」

「えぇ、そうですよ。雑貨屋をやっています」

「こんな切り立った崖の上でっすか」

「どんな場所でもですよ」

「まぁいいっす、丁度食糧が少し危うかったんっす。対価にはウチが持ってる宝珠を上げるから分けて欲しいっす」

「食糧なら貴女の鱗1枚で5日分は差し上げますよ」

「え?そんなんでいいっすか?それなら2枚上げるから10日分欲しいっす!」

「それでいいですよ。飲水は大丈夫ですか?」

「そっちなら大丈夫っす!」

「そうですか、それなら今から用意致しますのでその間他の商品でも見ていてください」

「分かったっす!」

 ミズは緑の鱗のある手と尻尾、そして頭の横から後頭部に向かって2本の真っ直ぐな角が生えている「竜人」の少女がぺりっと剥がした鱗を2枚もらい、店の奥へと消えていった。ミズが戻ってくる間に竜人の少女は棚を見て回っていた、四葉のクローバーを模した髪留めや中に燃えている火のある水晶玉、赤や青や緑の液体が上下に入れ替わり立ち代りしているボトルなど少女の目から見ても珍しい物が多かった。少女は時折「これ凄い可愛いっす!」や「並の宝珠なんて比にならないよねこれ」などと言葉を漏らして棚を見ていた。そしてミズが戻ってきた時彼女は髪留めやネックレスなどを沢山付けていた、まるで子供が遊んで付けたかのように沢山付けていたのだった。そして荷物を持ちながらそれを見たミズは思わず吹いてしまった。

「ふふっ……ふっふふふっ……ふくっ……いや、失礼しまし……ふふっ」

「あ、ひでーっす!笑うなんて!そんなに似合ってないっすか?」

「いえ、違うんですよ、それにそういうものは沢山つければいいというものではありません、髪留めとネックレス、これだけでいいんです。それにとてもお似合いですよ」

「へへ、そうっすか?照れるっすね」

「とりあえず10日分の食糧です、水はあるようだったので幾つか乾燥して固まっているものは湯で戻して食べてくださいね」

「分かったっす!あとこの髪留めと首にかけている鎖が欲しいんっすけど」

「それらなら鱗1枚で結構っすよ、あら、言葉遣いが移っちゃいましたね。そしてそれは鎖じゃなくてネックレスって言うんですよ」

「ネックレスって言うんっすね!ウチと同じ言葉遣い似合ってたっすよ!それじゃあこれはお礼っす!」

「あら?いいんですか?」

「いいんっすよ!とってもいいのを貰ったんっすから!それじゃあサヨナラっす!」

 彼女はお礼と言ってキラキラとした粒が中に入っている透明な珠、宝珠と彼女が呼んでいたものをミズに渡した、そして彼女は食糧を抱え店から走って出ていった。

「元気な貴女がより一層元気に可愛らしく見えますように」

 ミズはそう一言言ってクスリと笑った。

というわけで今回のお客さんは元気な竜人の少女でした!

彼女は手に入れたアクセサリーをとても気に入ったようですね。

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