転生とモンスター
書ききった、ぜ...パタ。作者は謎パワーとかで済ませるのが嫌いで、一応全部設定あるので気になったら感想等で質問してみてください。
「ところで、勇者は何処にいるんだ?俺勇者と喋ってみたいんだが。」
俺がそう聞くと、イシュリアは一瞬悩む素振りを見せてから、こう答えた。
「んー、多分またどっかに出掛けてるんだと思うわ。でも、この神殿内に居ないことは確かね。」
それを聞いた俺は少し落胆した。勇者は最強の名を好きにしていたので戦って見たいと少しばかり思っていたのだ。
お手伝いさんと化した勇者はあまり見たくはないが。
そんな話をした後に俺はこう切り出した。
「で、この後はどうするんだ?そして、俺は何をすればいい?」
すると、イシュリアは今までの雰囲気からガラッと変わり神に相応しい雰囲気を出してこういいはなった。
「貴方にしてほしいのは、創造神とその他の神々殺しよ。」
と、
俺は少し呆気に取られた。
というのも、その願いは俺の最終目標と一部一致しているからだ。
「そんなことでいいのか?」
そう俺が聞くとイシュリアは、満足気に首を振りながら、
「貴方ならそう言うと思ったわ。でも重要なのは、その他の神々ではなくて創造神殺し、貴方が殺りたくない相手だったら他の神は見逃していいわ。」
イシュリアは、そう条件などを話す。
であれば、最早俺の目標といっていい。
ちなみにやってほしい理由は下らなそうな事なのでスルーする。
「そういえば、俺はどういった状態で生き返るんだ?前の状態のままか?」
そう気になって聞くとイシュリアは、
「いいえ、違うわ。肉体は貴方の望んでいた姿で生き返るわ。けど、ステータスは前と同じようには行かないわね。ステータスは、魂に刻まれる物だから失われてしまうわ。スキルも同じようになっているわね。」
それを聞いて、死んでしまってから一番のショックが走った。
死んでしまったのは大した感情は湧かなかった。
それは何故かと言うと、冒険者や、傭兵、兵士など様々な戦う職業の人間がいるが、その大抵は死ぬ覚悟はもっている。
なので、俺も例には漏れずしっかりと覚悟は出来ていたのであまり大した感情は動かなかった。
しかし、これは違う。
今までの努力が全て無駄になってしまった。
俺が今まで努力した証が消えてしまった。
それを聞くと、どうしてもやるせなさだけがただただ残る。
イシュリアの言い方にも引っ掛かりを感じたが気のせいだろうと思って話を聞く。
「じゃあ俺は、どのような状態で生き返るんだ?」
するとイシュリアは、
「最初から、と言いたい所だけど流石にそれじゃあいつまでたっても強くなれないから貴方にあったスキルを用意しておくわね。体も成人?どう言えば良いのかは分からないけど直ぐに動ける状態よ。固有スキルも同時に消えているし安心して?大した事はないわよ。直ぐに強くなれるわ。」
それを聞いて、多少の虚しさは消えた。
唯一の懸念だった固有スキルも消えたのだ。
更にはスキルをくれると言うだから大丈夫だと、言い聞かせる。
そうもしないとやっていられなかった。
けど、やはり何か引っ掛かりを感じる。
気のせいだろうか?
そんな話をして、俺は直ぐに生き返らせてもらえることになった。
「じゃあ、生き返らせるわよ?あ、行き返ったらポケットの中を確認してね?私からのメッセージが入っているわよ。決してラブレターじゃ無いから安心してね?」
俺が心の中でいい年して、と思うと何かを感じたのか顔に似合わない鋭い目で睨んでくる。
結構怖かった。
「分かった。確認するよ。いいスキルをくれよ?じゃないと下界で冥界神の事を広めた後に、容姿は良いけどおばさんだったって広めてやるからな?」
俺がそういうと、イシュリア静かにニッコリとして、
「本当にそんなことしたら、私の信徒に貴方の事を色欲魔って伝えさせるわね。」
そんな俺の世間体が崩れ落ちる様な事をいってから、最後に
「精々面白いものをみせてよね?」
と、そう言って俺の視界は暗転した。
スキル「鑑定」を鑑定しました。
スキル「強者の種」を獲得しました。
スキル「強欲なる者」を獲得しました。
スキル「進化のスパイス」を獲得しました。
スキル「魔眼」を獲得しました。
スキル「魔素の支配者」を獲得しました。
スキル「力への渇望」の獲得を失敗しました。待機状態へと移動します。
肉体を本人の意思通り再構築中....冥界神からの介入を確認。要請を受諾しました。
肉体を再構築中...完了しました。起動します。
俺は深い夢から覚めたようにまどろみながらも目が覚めた。
目を開けると木々の下に倒れていることが分かる。
木々の隙間から見える木漏れ日と、爽やかな風が肌を撫でてきてとても気持ちいい。
「うーん、えーと何をしてたんだっけか?」
そして、ふっと今までの事を思い出す。
「そうだ!俺は生き返ったのか。全然実感湧かないな。凄い脱力感だが、ステータスが下がったからか?それにしてもこれは酷いな。」
ものすごい倦怠感と脱力感に襲われて動くこともままならない。
他にも自分の体と違うような感覚もあるが、生き返るなどこの世界の人間の中でも初めてだろうから、自分の知らない副作用の様なものかと一人で納得する。
「あんの女神め、すぐ動けるっていったくせに。ステータスが急に無くなったらどうなるのか忘れてやがったのか?」
女神とは当然イシュリアの事である。
イシュリアの事を散々愚痴っていると、イシュリアの言葉を思い出す。
「そういやメッセージがなんとかとか言っていたな。手だけならなんとか動かせるか?」
いつもなら絶対に確認しないであろうメッセージを確認する気になったのは、イシュリアが他の神々よりも人間らしく更には人間を玩具としているがその中でも人間を大切にする節もあったのでマグナは、知らず知らずの内に態度が軟化している。
しかし、それを本人が気づく事は無いだろう...。
必死に手を動かして、上着のポケットを探る。
どうやら、俺は今コートを着ているようだ。
すると、言われた通りポケットに手紙らしき物を発見する。
なんとか顔の前まで持ってきて読むと、それは嫌な予感しかしない内容だった。
「えー、何々?先ずは転生おめでとうと言っておくわね。貴方には鑑定というスキルを与えておいたわ。このスキルは、自分と周りのあらゆる物のステータスを表示するスキルよ。使いこなしてね。」
どうやら、随分と便利な物を色々と貰ったようだ。
やっぱり、そこまで悪い奴ではないのか?
だが、続く内容で、そんなことは頭から吹き飛ばされた。
「あ、そう言えば肉体の文句は受け付けないわよ?貴方が死に際に望んだことだし、私はその願いに引き寄せられたのだから。」
感じない筈の冷や汗が、ツーと流れた気がした。
こんなふざけたこと書いてあるってことは絶対に何かある。
(何しやがった!?あんの女神めぇ!)
女神に届く筈もない呪詛をたっぷりとはいた後、俺は比較的体が楽になってきたので、行動を起こそうと思った。
(まあ、先ずはもっと楽に起き上がれるまで鑑定でも試してみるか。)
俺はそう思うと頭の中で自分に鑑定、と念じた。
すると脳内に情報が浮かんでくる。
名前 マグナ・アルト
年齢 16歳
種族 蜥蜴人
レベル 1 (ロスト)
HP 12/12 (ロスト)
MP 5/5 (ロスト)
攻撃力 15 (ロスト)
防御力 22 (ロスト)
魔法攻撃力 7 (ロスト)
魔法防御力 9 (ロスト)
素早さ 12 (ロスト)
<固有スキル>
鑑定 強者の種 強欲なる者 進化のスパイス 魔眼 魔素の支配者 非才 (ロスト)
<通常スキル>
ロストされました。
<称号>
神を憎んだ者 神に裏切られた者 復讐を誓いし者 あらゆる努力を否定された者 狂った様に努力するもの 虚弱体質 (ロスト) 冥界神の使徒 冥界神の加護
鑑定...あらゆる事例や物事、森羅万象を読み解き、数値化したり説明を行う事が出来るスキル。
強者の種...今までに進化した魔物や、殺して取り込んだ生物を形作ることができる。そして、擬態中は擬態している肉体が生きている間持っていたスキルをレベルを1にして使用できる。
強欲なる者...相手のスキルを一つだけ、相手を目視しながら、頭で念じる事でレベルを低くして取り込む事ができる。最低の場合には、そのままのレベルで取り込む。
進化のスパイス...格の昇華をする際に、自分が強く願った魔物や、本来進化出来ない魔物へと進化する事が出来る。
魔眼...MPを消費する事で、自分の望む事象を起こす事ができる。
魔素の支配者...魔素を自分の意思で好きに動かす事ができる。
ロストというのは、生前俺が持っていた物が失われているという事だろう。
だが、俺はそんなことより気になる点があった。
「蜥蜴人って、何だよこれえええええぇぇぇ!!!」
かくして俺は蜥蜴人への転生を果たした。
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