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詠唱剣と悪夢(改稿済

今回は区切りたかったので短いです!

 俺は戦闘が終わったあと、ゴブリン達の死体を集めてモンスターが集まらないように臭い消しの道具を使ってから木の後ろに片付けておいた。

 そして今日のことについて木にもたれ掛かりながら考えていた。


 (どうやらゴブリン達は高い知能を持っていると見て間違いない。だが、そうなると残党が狙ってくる可能性もある。どちらにせよ警戒が必要だな....。)

 

 そして、残るゴブリン達が襲撃してきた時の対処法も考える。


 (まさか一階層から詠唱剣を使うとは思わなかった。あれは燃費が悪いから使いたくないんだけどな。まさか、階層が少ないからモンスターの強さも最初から強いってことか?) 


 俺はそんな事を考えながら次の戦い方を考えておく。

 ちなみにこのダンジョンの最下層は200階は越えているので、マグナが考える何十倍かは階層はある。




 そして詠唱剣とは魔法が使えない俺が編み出した技の一つである。


 そもそも魔法とは魔素に含まれるエネルギーを取りだし、それにイメージを伝える事で発動するものであり、比較的難易度は簡単だ。

 しかし、それでも習得には半年から一年はかかると言われている。


 それに対して詠唱剣とは、周囲の魔素に詠唱で指向性を与え操ることで身体能力や、本来出せないはずの一撃を出したりするものであり、難易度は魔法の数十倍ある。

 そしてそれに比例するように練習時間も延びていくことになる。

 更に属性などを纏わせる場合、魔素をマナと呼ばれる、精霊の根源ともいわれる力に変換してから指向性を与える必要がある。

 そうなった場合にはマナにも魔素にも親和性がなければいけないので、ただでさえ詠唱剣でさえ使える人間はいないので、使える人間は俺以外にはありえないだろう。


 簡単に言うと、魔法は魔素から取り出したエネルギーを最初から組み立ててあるものを放つだけであり、詠唱剣は、発動したあとその場に対応して魔素を操っていくという難易度が遥かに違う技なのだ。




 俺は燃費が悪いのは考えものだなと長らく問題になっている事についても軽く考えを纏めたあと緑色の宝石が嵌まった指輪を見て、夜営の準備でもするかと思い指輪から、テントを取りだした。


 これは、アイテムボックスといわれる魔道具であり、俺が師匠からもらったものである。

 非常に便利な魔道具で数十キロのものまで色々入る。

 あらゆる人物が使えるので当然値打ちもはかり知れないのだが、師匠との模擬戦で一回だけだが攻撃をかすらせた事があり、師匠はそれのご褒美としてこの魔道具をポンっとくれたのだ。

 最初はあまりの値打ちに壊れたらどうしようかと思い、持つときには手が震えたが師匠がそんな俺を見て、指輪を刀で一閃した。

 それを見て俺は心臓が止まるかと思ったが、なんと指輪はそれでも壊れなかったのだ。

 それ以来俺は安心してこの便利な指輪を使っている。

 

 そしてそんなショッキングな思い出しかない指輪には、今回ダンジョンに必要な物を色々と揃えてきた。


 俺は、直ぐに目当てのモンスター避けの魔道具をおき、色々と野営するための道具を取り出し始めた。

 料理の魔道具や、寝具、他にも火をおこしたりする魔道具など便利な道具が様々。

 俺は持ってきたレッドボアと呼ばれるモンスターの肉に、貴重な塩、胡椒更にその上にハーブを置いてから、蒸す様に焼ける魔道具に肉をぶちこんでしばらく出来るまで地面の上に座って待っていた。

 数十分で出来たその肉はいい臭いを出していて、むしゃぶりつく様に用意してあったパンと食べて、食事自体は数分で終わった。

 少しお腹がが膨れると眠くなってくるのが世の常であり、人体の不思議だ、そんな馬鹿な事を考えながらも寝具に入ると、戦闘もありくたくただった体には睡眠が大層なご褒美だったらしく俺は直ぐに寝てしまった。




 ......俺は火の渦の中にいた。


 周囲は村だったのだろう、数十軒の家々がある。

 それらは全てボロボロで何時も、周りの大人達はもっといい家がいいと言っていたが俺はどこかその安心できる雰囲気が好きだった。

 だがそんな面影は無くなってしまった焼け焦げた家々。

 その周囲には逃げ惑う人達。

 優しかった隣の家に住んでいたおばあちゃんは、逃げるのに必死になって子供だろうが押し退けて逃げている。

 常に人には優しく、と説法を説いてくれた村長さんは助けてと寄ってくる少女を蹴り飛ばして自分の大量の財産を持って我先にと逃げている。 

 燃え盛る豊かだった木々、花がたくさん咲いていて何もなかった村の中でも綺麗だったボロボロになった広場。

 そしてそこには俺と一人の少女。

 更に、狂ったように笑う五人の修道服を着ていた五人の男と女達がいた。


 俺は、腕に抱いている少女を見つめていた。

 自分が情けなくて、悔しくてこんな事になるならと後悔して俺は少女を見つめ、泣きわめいていた。


 少女は胸に大きな穴が空いていた。

 俺は泣きながらも必死に小さな手でポッカリと空いて、致命傷だろう事が一目で分かる傷口を押さえようとするが、傷口はでかく、勢いのある血液は止まる気配を見せなかった。


 そんな俺を血が足りないのだろう、顔が青白くなった少女は俺を見て、最後にニッコリと笑い、耳元で


 「大好きだったよ。夢を一緒に叶えられなくてごめんね。」


 そう、悲しそうに名残惜しそうに言ってから息絶えた。


 俺はそれを見た瞬間視界が真っ赤に染まった。




 「うわあぁぁ!はぁ、はぁ、はぁ。」


 どうやら昔の夢を見ていた様だ。

 汗をびっしょりとかいていて、じっとりと背中にまとわりつく汗に非常に嫌な気分となる。

 

 そして俺はあの日以来最近特に良く見るこの夢について思案したあと、俺は自分の右手を見てから、固く、固く握りしめた。

今更ながら解説の時は三人称です。

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