クィルとダンジョン
今回から、どんどん戦闘シーン入れてきます!
俺は朝が明けて間もない時間に起きて直ぐにダンジョンへと向かう。
その為にクィルの家へと向かい迷惑かも、と思ったが訪ねてみる。
すると、寝ぼけたままのクィルが出てくる。
「うーん?誰ですかこんな朝に。まだお父さんも起きてませんよ。」
「いや、俺何ですけど。クィルさん迷惑でしたか?」
すると、彼女は段々と意識が覚醒していったようで、目が段々と大きくなっていく。
「え、ええぇぇー!?ちょっ!?待ってて下さい!」
すると、中から何かが割れるような音や、倒れるような音が聞こえてきた後にクィルが出てきた。
そして、彼女の案内でダンジョンまで歩き始めた。
「マグナさん、貴方早すぎですよ?いつもこんな時間に起きているんですか?」
少し怒ったような彼女の声に対し、俺は
「ああ、そうだ。すまないな。俺も迷惑だと思ったんだがクィルさんに教えてもらわないと俺はダンジョンの位置がわからないから訪ねてみようかと思ってな。」
すると、彼女が急に足を止めてこう言った。
「じゃあ、罰としてマグナさんは二人っきりの時は私に対して敬語使うの禁止です!」
すると彼女は急にそんなことを言い出し始めた。
「いや、それは不味いと思うんだが。誰かに見られたり聞かれたりしたら...」
と、そこまで言うと隣から視線を感じて横を見てみるとジーというような擬音が合いそうな目をしながら見つめてくるクィルがいた。
「分かった。分かったよ、クィルこれでいいか?」
すると、彼女は満足そうに頷きながら、
「ええ、ええ、それでいいんです!」
すっかり気分が良さそうになった彼女と喋りながら15分程歩いていると、蔦や苔に覆われた古ぼけた遺跡が見えてきた。
「ここがトレタスのダンジョンか。案内ありがとうクィル。俺は早速ダンジョンに潜ってくるよ。」
するとクィルは俺に
「ええ、でも二週間以内には出てきてくださいよ?ここは、ついつい熱中してしまいがちですからね。」
そんな心配に俺は、
「ああ。けど、二週間も入っていないと思う。潜るのも階層が浅い所だし、直ぐに出ていくと思うぞ?」
華麗にフラグを建てていくのであった。
彼女と別れて、俺がダンジョンに入っていくと、そこを見渡すと、地平線まで広がる森や砂漠も点在する大きな平原だった。
(これ、二週間以内に出ていけるかな?)
早速アホの子状態のマグナ君であった。
俺は目の前の事態を一旦置いておいて、移動しながら重要な戦闘について考え始めた。
(魔眼はヤバかったな。あれは戦闘に組み込むには威力を減らすか、遠距離かまた違う効果を試すしかないか...。)
貰った能力が、予想以上に強力過ぎてため息が出てくる。
しかし、それでも考えているとふとあることを思い出した。
(そういえば、説明にはMPを消費して、とあった。つまりは使用するMPの量を減らせば威力を弱められるのでは?)
そして、思い付いたらすぐやろう!という事になり俺はそこらにあった草に出来るだけ、あの時出ていった様な感覚を当てにしてなるべくその感覚が少なくなるように草に向かって見つめながら、発火と念じると、草が一本だけ勢いよく燃えて鎮火した。
(よし!成功だ!)
前とは明らかに違った反応だ。
自分のステータスでどのくらいMPが減ったのかを確認してみる。
名前 マグナ・アルト
年齢 16歳
種族 蜥蜴人
レベル 1
HP 12/12
MP 0/5
攻撃力 15
防御力 22
魔法攻撃力 7
魔法防御力 9
素早さ 12
<固有スキル>
鑑定 強者の種 強欲なる者 進化のスパイス 魔眼 魔素の支配者
<通常スキル>
無し
<称号>
神を憎んだ者 神に裏切られた者 復讐を誓いし者 あらゆる努力を否定された者 狂った様に努力するもの 冥界神の使徒 冥界神の加護
ここで、あれ?と疑問が出てきた。
前使った時よりも明らかに制限したのに使用されているMPはすべてなくなっている、つまり一緒になっている。
しかし、前と違い吐き気や目眩がなく、更には睡眠欲もない。
(つまり、前はMPを使いすぎてぶっ倒れた、ということか?)
最終的にそういう結論に至る。
俺が勢い良くスキルに期待して思いっきりやったからああなってしまったのでは?、と。
そう考えると一気に恥ずかしくなってくる。
(ええい!もういいんだ使えるようになったのだから!次はまだ試していない魔素の支配者だ!)
そして俺がスキルを発動した瞬間、世界が広がった。
否、そう感じただけだったが、今までと違い魔素を動かしているのでは無くて、動く。
更には魔素を空気中にどう飛んでいるか、動いているか感じる。
常に心眼や、魔素での身体強化を行っているかのような感覚になっている。
全方位のあらゆる部分が魔素により、知覚可能となる。
(これは!これは凄い!俺のステータスが、何倍にも膨れ上がったのと同義だぞ!?)
俺はこれに今までで一番興奮した。
このスキルが一番単純に今は戦力となる。
そして、数百メートルの生物、物体の知覚が可能になり近くにモンスターが一匹で行動しているのを発見した。
姿形から魔物と判断。
直ぐに走ってその場に向かうと、そこにいたのは錆びた剣を持つ群れからはぐれたであろうゴブリンだった。
(俺ってダンジョン入ると何で真っ先にゴブリンに会うんだろうな?)
そんな疑問を抱きつつも、臨戦態勢に入ったゴブリンに鑑定をかける。
名前 無し
年齢 3歳
種族 ゴブリン
レベル 5
HP 18/18
MP 3/3
攻撃力 8
防御力 4
魔法攻撃力 2
魔法防御力 3
素早さ 6
<固有スキル>
無し
<通常スキル>
剣術 Lv1
<称号>
小鬼
このステータスを見て俺は少しうるっと来てしまった。
(そうだよな!このステータスが普通のゴブリンだよな!意味わかんねえよあそこのダンジョンの難易度。あのゴブリンおかしいだろ。)
と、この世の理不尽さに愚痴を言いつつも、俺はスキルを試すことにする。
強欲なる者を使い、ゴブリンを目視しつつスキルに集中すると、何かがふっと体の中に入ってくるような感覚がした。
もしかしてと思い、ステータスを確認してみると、
名前 マグナ・アルト
年齢 16歳
種族 蜥蜴人
レベル 1
HP 12/12
MP 3/5
攻撃力 15
防御力 22
魔法攻撃力 7
魔法防御力 9
素早さ 12
<固有スキル>
鑑定 強者の種 強欲なる者 進化のスパイス 魔眼 魔素の支配者
<通常スキル>
剣術 Lv1
<称号>
神を憎んだ者 神に裏切られた者 復讐を誓いし者 あらゆる努力を否定された者 狂った様に努力するもの 冥界神の使徒 冥界神の加護
(このスキルもすごいな、これだけでも、使いようによっては最強の一手は直ぐに手に入る。)
そして、痺れを切らして襲いかかってきたゴブリンを切り捨てて、死体の前で考える。
(強者の種のスキルって、取り込むってどうするんだ?食うのか?流石にそれは勘弁だぞ。)
と、一つ思い当たる。
俺は以前師匠も言っていた事で、冒険者や傭兵が金と換金出来る主な部位に心臓に埋まっている魔核という物があったはず...。
そして、心臓を剥ぎ取り魔核を取りだし食べてみると、
個体名 ゴブリンの種を獲得しました。
という声と同時に何かが脳内にインプットされるような感覚と自分の中に何かが入ってくる。
更に自分のレベルが上がった事が分かる。
何故かは知らないが、レベルアップをすると不思議と感覚でいつも分かるようになっている。
一般的には格の器が大きくなり、その以前との誤差を感じとるため、と言われている。
簡単に言うと、身長が急に伸びてそれに違和感を感じている状態と考えて貰って構わない。
そして、衝撃の事実にどうやら俺は魔核を食わないとレベルアップが出来ないようだ。
生物のレベルは、自分より高いレベルのモンスター相手を倒し、一般的には経験値と呼ばれている物を吸収して、格の器が満たされた瞬間には絶対に上がるので、俺がゴブリンを倒した瞬間にはレベルが上がらないとおかしい。
しかし、今は魔核を食べた瞬間に上がった。
つまりは、俺は魔核からしか経験値を頂けないようだ。
だが、スキルも魔核を喰らう事を必要としているので大した問題ではないか、と思考を切り替える。
(まだまだ今日はレベルを上げなくては。)
そして、俺は新たな反応がある場所へと移動を開始した...。
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