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マグナ・アルトの日常(改稿済

 初投稿です!気になる部分や読みづらいとこあったら作者を叩く勢いでいってください!

けど、メンタルは豆腐ですなので余り言うと崩れ落ちます笑!よろしくお願いします!

 「9998!」「9999!」「10000!!」


 そう叫び、辺りもまだ寒く夜が明けていない道場の固くて冷たい木製の床に崩れ落ちるように倒れた俺は日課の腕立て伏せ1万回を終わらせ、正に息も絶え絶えと言う状態だった。

 

 「はぁ、はぁ...」

 

 俺は軽く息を整えて服を整えながら床に手をつき、立ち上がった。

 そして、次の訓練木剣素振り5000回に取りかかる為に、無造作に幾つかの剣や槍が立て掛けてある道場の隅まで歩いていくと、その中でもひときわ大きい剣を取り、素振りを始める。

 体は悲鳴を上げていたが俺はその声を無視して黙々と訓練をこなしていった。

 

 俺の名前はマグナ・アルト。まだ16歳になったばかりだ。身長は165cm程度で、切れ目なので、良く目付きが悪く、むすっとしたような不機嫌な顔をしていると言われる。

 ボサボサの灰色の髪と、茶色の目。

 かなり色が違い、良く髪を染めているのかと聞かれる。

 そして、体付きが細く初めて見た人からだと、不機嫌な子供が()ねている様にしか見えないとも良く言われる。


 そんな俺がこのアホみたいな訓練をするのにも理由がある、でなきゃこんなアホくさい訓練誰がするか心の中ではやめてやると何度も思っていた。


 俺には一つの目標がある。

 それは俺が剣聖になるという目標だ。

 

 

 この世界の剣聖とは遥かに意味が重く、子供が夢を語るならともかく俺の様な成人しかけの人間が不用意に喋ったりすると、首を切られる可能性もある。

 それは、神殿という場所が関わっているのだが、それは置いておいて今は別の話をしよう。

 「剣士」は達人と呼ばれるようになれば、一人前。

 剣豪と呼ばれるようになればAランクモンスターを打ち倒し、剣帝でSSSモンスター、龍を切れるようになる。

 他にも剣客や、剣貴などもあるが一般的に知られているのは、この3つ、いや正確には4つが知られている。

 その4つ目が剣聖である。

 神をも切れると冗談交じりに言われていたこの称号は、今や神を(たた)えている神殿の目の(かたき)にされている。

 一般人よりも遥かに高位の権力を持つ神官達は、何処であろうともその剣聖という言葉を聞けば、懲罰行為を行い軽くて奴隷落ち、最悪で公開処刑で晒し首にするほどなので、今は剣聖という言葉はこの町で禁句となっている。

 そして、そんなことは、世界中でしばしば見られる光景の為に剣聖と呼ばれる人物は今まで一度も現れなかった。

 

 だが俺は絶対に剣聖になりたい理由があったいや、ならければいけなかった。



 俺が棒立ちとなり、思考の渦に(ふけ)っていると、


 「終わったか?」

  

 そう、後ろから低い響くような声がした。

 俺はビクッと体を震わせてギギギ、と機械顔負けな音がたちそうな仕草で振り返った。


 「師匠、、。」


 俺がこの世の終わりのような顔で答えたこの人物は、白髭を蓄えた老人であった。

 顔付きは目が鋭く猛禽(もうきん)の様な目をしている。

 鼻はスラッとしており、若い頃はモテたのだろう事が容易に想像できる引き締まった顔をしていた。

 身長は180cm程度はある。

 そして、髪をみると何時もと変わらないオールバックの髪だが白髪がどこか老いを感じさせる。

 

 何を隠そうこの人が俺の師匠なのである。

 

 そして最後に俺がこの馬鹿みたいな訓練をしている原因でもある。


 「終わったのか?」


 師匠がその猛禽の様な、町でそんな目をしたら殺すぞと言っているようにしか見えない鋭い目で早く答えろと促してくる。

 

 「その...まだ腕立て伏せまでです...」


 俺は言いたくない!と思ったが勇気を振り絞りその顔に似合わないが怯えた子犬の様に緊張しながらもおずおずと答えると、師匠はその蓄えた白い髭を鋭い目を細めて右手で擦り始めた。


 (マズっ.....)


 この顔付きがとてつもなく恐ろしくなった様に感じるのは師匠が怒る時の合図であるが、何時も静かである。

 だが、静かな怒り方に反していつもとんでもないことになるので、俺は内心俺の人生は終わったと思いながらも師匠の様子を伺う。

 すると、師匠は、怒るときについついやってしまうその癖をしながら、次第に剣呑な空気をまとい始める。

 ピリピリと高位のモンスターを相手にしているかのような緊張感が漂っていく。

 俺の師匠には、怒るときにはその決まった動作があるのだが今回は非常に不味い事態になっている。


 怒るときに師匠が行う癖の一つ目は目を細める事だ。

 これも相当恐いが、まだ俺でもプレッシャーに耐えられる程度だ。


 しかし、このように髭を弄っているときはヤバい。

 師匠は老人扱いされるのが大嫌いなので、このような老人っぽい癖はいつもしないのだが、怒るときには我を忘れるのか出てしまう、ということがしばしば見られる。

 

 あの師匠を怒らせて無事で済むと考えてはいけない。

 俺があの過酷な体にすりこむかのような恐ろしい修行よりも早く覚えた事である。


 俺は何かに気付く様に走り出し、考え事をしている最中に置いてしまった剣を必死に走り込みながらも何とか手に取る。

 そして、咄嗟に後ろを向き、袈裟斬りで走りながら切りかかってくる師匠を迎撃した。

 そして、刀を会わせた瞬間に、細い体付きの俺と、鍛え上げた師匠の明確な違いが出たのか遥かに重い一撃に手が痺れてしまった。

 だが、剣を落とさなかっただけでも上々だろう。

 そんな事を考えた俺は直ぐに次の攻撃に移るために、直ぐに動きを切り替えながら剣を戻そうとする。

 

 だが、そんな甘い考えがいけなかったのか、俺の意識がそれた瞬間に、俺の顔面には師匠の蹴りが入っていた。

 

 「ギャアアアアアア!!」


 蹴られた顔を押さえて悶絶している俺に師匠が、


 「意識がそれてしまうからそうなる。お前はまだ体が弱い。体が作られきっていないからだ。そうならないためには今は筋肉を付けろ、その為の訓練だそして、何時もよりペースが遅いばつだ。メニューは倍にしてやる。」




 まだ開けて間もない雲一つない綺麗な青い空に俺の悲鳴が響き渡った....。

 

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