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010

 メーグ・オーガの駆除には成功した。

 だが、犠牲も大きい。

 コロニーの太陽電池パネル一機。メーグ・オーガに接敵して戦っていたうちの五十三機。そして。

「ジョージ・マシゲッル、ジーモン・テンプゲート、ボツダワ・シルカコノビッチ、ワガーハ・ニャコリアウヌス、アカザ・ゲッバーク。以上の戦死が確認されたそうですの」

「そうか。わかった」

 戦後処理が一段落ついたところで、ハルトはステイシアから報告を受けていた。

「少佐はこの後どうされますの?」

「機体の整備だな。先に共食い整備をしないと、配備の機体が定数を割る」

「わかりましたの」



「見せつけてくれやすね」

「副官から報告を受けることの何が見せつけることになるんだ?」

「またまたー」

「いいから手を動かせ。一週間で充足率八割までもっていくんだぞ」

「あいさー」





「なんであいつらが死なないといけない!」

「だから言っただろう。勝手な行動をすると死ぬと。流れ弾で撃墜されたワガーハ・ニャコリアウヌスはともかく、他の奴は命令違反で勝手に突っ込んで死んだ。それだけだ」

「そんな……」

「そもそも軍に入った時点で死ぬことは織り込み済みだろう? 他に生きていく道がなかったとは言わせんぞ」

「ぐっ、それは……」

「話はそれだけだな。解散!」

 生き残ったハルトのクラスメートに対して必要なことを告げ終えたアストナ。すぐに足早にミーティングルームから出ようとする。

「ネヌエットナ教官」

「コレクオット候補生、話は終わったはずだが?」

「いえ、別件です。ハルトに、ハルト・サマーリアに会うことはできないでしょうか?」

「少佐に? ふむ」

 顎に手を当て考え込む。

「……軍人としてたかが候補生が少佐に面会を申し込んだところで許可は下りまい」

「それはっ!」

 食って掛かるゼルエスを手のひらを見せて押しとどめる。

「軍人としての許可は下りまいが、友人として会う分には問題ないのではないか? 幼馴染なのだろう?」

 そういってアストナは一つのアドレスをゼルエスの端末に転送する。

「ありがとうございます。でも、個人情報ダダ漏れでいいんですか?」

「なに。お前が黙っていれば済むことだ」

「ひっど!」

 そういって二人は笑いあった。

 鬱屈した気持ちが少しだけ晴れたようだった。


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