相互評価問題を食い止めるため、私たちが取るべき行動
相互評価によっておこる問題。
それを解決するためには、ユーザーと小説家になろうの運営、その両方が動くことが必要不可欠である。
というわけで、今回は小説家になろうの運営とユーザーの方々の両者がするべき行動、それを一つ一つ解説していこうと思う。
まず、相互評価問題がこれから悪化すれば、他者の好機が奪われ、ランキングの価値が低下し、小説家になろうというサイトそのものの寿命を縮めることになるのは、前回話をしたはずだ。
ならば、やるべき政策としては、ひとえに、悪質な部類に入るランキング操作を目的とした相互評価を減らすことに他ならないだろう。
相互評価が大きな問題と化した原因として、1ptの持つ価値が増加したことが上げられるのは前話をした通りだが、実は悪質なptを獲得する相互評価が増えてきている要因はそれだけでなく、運営が規約で「故意にランキングを操作する」行為を禁じていないからでもある。
そう、小説家になろうを利用するユーザー、その中でも、特に作品を生み出す作者達の中から「ルールに書いてないのだから相互評価は運営公認」だとか「ルールの隙間をついて勝負をしかけるのも努力の内」と考え、相互評価によるランキング操作に手を染める集団が現れたのだ。
となれば、運営の取るべき政策の一つ目として、規約の改正が上げられるのは言うまでもない。
運営が故意にランキングを操作することを厳しく禁じることで、そういったptの獲得を狙った相互評価を行う作者は減少し、ランキングもコネではなく実力が試される場へと戻ることだろう。
また、その作品を読んだ時間を計測し、その計算結果から、まったく読んでいないのにつけられたptは無視される。というシステムを導入することも、故意なランキング操作が起こりにくくすることに繋がるかもしれない。
実際、小説家になろうと似た、カクヨムというWEB上のサイトでも、ほとんど同じようなシステムが導入されており、一定の成果を出しているらしい。
そう考えてみれば、私的な見解にはなるが、相互評価問題に対し、そういったシステムを導入することも、運営の打つ手の一つとなりえるのではないだろうか?
とはいっても、やはり運営の立場からすれば、そういったユーザー間の交流を厳しく取り締まることはユーザーの反発にもつながり、ユーザー感でコミュニケーションが行われにくくなる可能性もあるため、慎重な対策をせざるを得ないはずだ。
だからこそ、私たち小説家になろうユーザーは、運営が変わることを望むだけでなく私たち自身から変わる必要がないのではないだろうか?
実際、私の考えでは、ユーザーの相互評価に対する意識が改善されるだけでも、そういった相互評価問題が起こる可能性は限りなく小さくなるように思う。
ならば、私たちユーザーは悪質な相互評価によって、本来日の目を見るはずだった他者の好機が奪われ、ランキングの価値の価値が低下することを防止することができるのか。
その方法は2つある。
1つ目は、ユーザーたちが、積極的に活動をすることである。
新着一覧をもっと活用し、その中から面白い小説を探すのはもちろんのこと、小説の感想を他者にも伝えることができる「レビュー」機能も使用されれば、今まで以上に、しっかりと「本当に面白い作品」がランキングに上がり、ランキングの価値は現在よりもはるかに高いものとなるだろう。
そして、更に言えば、そうやって新着一覧やレビュー機能を使う読者が増えれば、運営も安心して、それらを読者が使いやすいようにバージョンアップに踏み切ることも可能となり、小説家になろうというサイトの完成度が、より高いものになる可能性だってありうるのだ。
そして、その方法の2つ目が、相互評価という行為への意識をはっきりと持ち、そういったランキングの故意な操作に加担しないことである。
ユーザーの一人一人が、相互評価という行為への意識をしっかりと持ち、自作を宣伝するときにも決して「ptを付けてほしい」とは言わないようにすることも、pt獲得を目的とした、悪質な相互評価が減り、前にも言った、いわば相互扶助に近い、より良い相互評価をする人が増えることだろう。
また、ただの読者も、ptを付けてほしい。という作者のささやきには安易に乗らないように心がけることも、不正にランキングを操作する行為を抑制することに繋がる。
と、私は今相互評価の問題を解決するため、いくつかの案を出しては見たのだが、本当にそれが正解とは限らない。
大切なのは、他人の意見を鵜呑みにするだけではなく、小説家になろうというサイトの未来を自分でしっかりと考え、それを行動に移すことなのは言うまでもないだろう。
小説家になろうから数々の作品が書籍化され、小説家になろうというサイトもめまぐるしい変化を遂げている今こそ、ユーザーの一人一人の意識が試されるのではないだろうか?
この話で連載は終了となります。
私がこの作品を描き上げることができたのは、皆さんがこの作品を評価していただいたからでもあります。
この話を読んでいただいた読者の皆さん、ご精読、ありがとうございました