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悪質な相互評価による、小説家になろう崩壊の危機

 この前は、相互評価がなぜ悪なのか。そういったことについて語った。

 なので今回は、悪とされる相互評価が「小説家になろう」更には、小説家になろうを利用する「ユーザー」にとって、どのような害をもたらすのかを解説していこうと思う。


 前に話をした、いわゆるptの水増し。

 これによって小説家になろう、更には小説家になろうを利用する読者にとっておこる害、それはすべてランキングというものそのものの存在意義が薄れる、ということに帰結する。


 基本的に、日刊を始めとしたランキングは、ptの量、すなわち作品がどれだけ多くの人に読まれたかできるかで決まる。

 更に、どれだけ多くの人に読まれたかというのを言いかえてみれば、すなわち、作品のタイトルが人に「読んでみたい」と思わせるか、後は、どれだけ高い更新頻度を保てるかというものであり、そうして考えてみると、日刊ランキングに乗れるということと、人目を引くタイトルであるか、どれだけの更新頻度を持っているかとイコールである。


 そして更に突っ込んでみてみれば、ほとんどの作品を傾向を見てみても、人目を引くタイトルであるかということと、更新頻度の高さは「なろうで言う」作品の面白さと高い関連性があり、最終的には「日刊ランキングに乗る=面白い作品である」という絶対的な方程式にたどり着く。


 だからこそ、大勢の面白い作品を求めるなろうユーザーのほとんどは日刊を初めとしたランキングに乗るのであり、日刊ランキングは多くの読者にとって面白い作品でなくてはいけないのだ。


 だが、ある要因が介入することにより、この「日刊ランキング=面白い作品である」という絶対の方程式が崩れることがある。

 そう、それこそがSNS上で行われる宣伝であったり、同一のコミュニーティー同士の相互評価である。


 基本的に、それらの要因により入るptは、その作品の面白さとはまったくの関係がない。

 つまり、この宣伝や相互評価が介入することにより、日刊ランキングの上位が、まったく面白くない作品で埋め尽くされることもありえない話ではないのだ。


 だが、そんなこと、本当にありえるの? という人がいるかもしれない。


 しかし、2016年6月22日の、全ジャンルの中で多くの人が注目する部類に入る、ハイファンタジーの日刊ランキングの隅に乗るのに必要なptは、たったの26ptである。


 これは、ある作品に3人がブックマークをして、そのうち二人がその作品の両項目に5ptを入れれば足りてしまう程度のもので、極論を言えば、SNS上に2人と相互評価を行い、新着一覧から1人がその作品をブックマークさえしてくれれば、人気の高い、ハイファンタジージャンルの日刊ランキングに乗ってしまうのである。


 ちなみに、2016年6月22日現在、日刊、ハイファンタジージャンルの10位に入るのに必要なptが283であることからも、相互評価だけで日刊ランキングの10位に食い込めるというのは、それだけ相互評価の持つランキングへの影響力が多いことを表しているといっても過言ではない。


 考えても見てほしい、仮によからぬことを考えている30人人程度のptを入れあう相互評価クラスタが存在した場合、最悪、ただ単に「あああああああ」としか書かれていない小説が、日刊ランキングのあるジャンルの10位より下を埋め尽くす可能性だってあるのだ。

 もちろん、規約には違反していない以上運営にとってもこれに介入するには少々リスクを伴うものになる。


 そう、これこそが、相互評価による最大の悪影響。

 ランキングの存在意義の低下である。


 もっとも、これはptを入れた本人たちにとっても悪気があるとは限らず、これは致し方ないものでもあるのだが……。

 だが、ptの獲得だけを目的とした相互評価は、対して面白くもない作品を、卑怯な手口でランキング上位に押し上げる行為に他ならず、即刻断罪することが求められるほど悪質なものになるだろう。


 更に言えば、ジャンル別のランキングが設置された今、一番人気の異世界転生・転移ジャンル以外の小説でも日刊の総合ランキングに上ることが容易になっており、実力があれば99%の確立で、日刊ランキングの5位までに上ることが可能になっている。


 更に言えば、pt乞食にも似た相互評価を使って日刊ランキングを駆け上がったとしても、その後、その作品に待ち受けているのは転落だけであり、ただ単に、ランキングの存在価値を低下させるだけの荒らし行為ですらある。


 仮にそうしてランキングの存在価値が低下し続けた場合、最悪、小説家になろうのユーザー数が激減し、本来日の目を見るはずだった作品すら日の目を見ないという、忌々しき事態にも陥りかねないのだ。


 そう、小説家になろうの作者達によるptの会得を目的とした相互評価は、皆さんが思っている以上に危険なものでもありうるである。



 ptが伸び悩み、pt乞食にも似た相互評価に手を染めようかと考えている作者の皆さん、少しだけ考えてみてください。

 なろうにおいて面白いといわれる作品を描く実力があれば、あなたの作品は絶対に多くの読者に読まれるものになります。

 そういったptを得る手段に頼ったところで、結局あなたの作品は、ランキングを駆け落ちるだけです。

 モラルに違反した行為によって日刊ランキングを勝ち取って楽しいですか?


 今、小説家になろうの未来は、あなたたちの手にかかっているのである。


ご精読、ありがとうございました。

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