相互評価への肯定的な意見
確かに、相互評価が悪いこととして捉えられることは多々ある。
だが、実際は、小説家になろうの規約において、小説家になろう「内」での相互評価の依頼などは固く禁じられているのに対し、小説家になろう「外」での相互評価は運営が認可しているのだ。
少し考えてみれば当たり前の話である。
SNSの発達により、ネットを通じてユーザー間のコミュニケーションを取ることが容易になった現在、ネット上で「お互い自作の小説を読みあおう」というやり取りが行われるのは日常茶飯事でなのだ。
更に言えば、そうすることでユーザーの活動が積極的になるため、小説家になろうというサイト全体の活性化に繋がるのだから、運営にpt乞食が溢れかえる可能性の高い、小説家になろう「内」での相互評価は厳しく取り締まっても、小説家になろう「外」の相互評価は厳しく取り締まるメリットはまったくと言っていいほどないのである。
また、その背景には、小説家になろうというサイトのシステムそのものも関係している。
前提として、小説家になろうのサイトで多くの人に自作の小説を読んでもらうためには「ランキングに乗ること」が必要不可欠なのだ。
そのため、作者なら誰でもランキングに乗って多くの人に自作を読んでもらいたいのは言わずもがな、書籍化の道へと突き進みたい作家志望の人達にとっては、多少そういった手段を用いてでも自作を「ランキングに乗せなくてはならない」のは、小説家になろうから作家デビューを飾ろうとした人なら誰でも知っている事実だ。
そういった作者達の宣伝活動の一環、もしくはネット上の付き合いとして、ネット上で知り合った人と自作を読み合う行為の何に問題があるというのだろうか?
確かにそういった行為はptの獲得だけを目的とした馴れ合いと揶揄されることも多いが、やっていることとしたらお互いの自作を読み合い、その後にptを入れる、いわば相互扶助に近いものであり、作品を読んだ上でptを入れているのだから、それに他者が口出しをするのは間違っているのだ。
更に言えば、小説家になろうの評価は1ptから5ptまで選んで入れることができるため、より親しい人から読んでもらえば、自身の作品の客観的な評価を得ることにも繋がる。(実際は、そこまで真面目に考えて入れるptを考える人も少ないのだが)
また、少数でも「自分の作品を読んでくれている読者」がいる。という事実が作家の励みになるというのは、作者だけでなく読者の方々も少し想像すればわかるはずだ。
実際に、自作を書籍化して世間に発表したい場合、誰にも読まれない、読まれたとしても下読みの数人だけにしかならない公募よりも、最低でも何人かの読者が継続して自作を読んでくれる上、自分が書き上げた作品に感想が付く「小説家になろう」というサイトから書籍化しようとする人も多い。
そういった点から見れば、確かに誰にも作品が見られることがない公募を利用して書籍化を狙うより、大勢の人に作品を読まれながら書籍化を目指せるなろうを使う方が作者の励みになるはずだ。
それだけ、「誰かに自作が読んでもらえる」という事実は執筆の励みになるのである。
そういった事実を見てみれば、相互評価という行為の有用性がわかるはずだ。
ptが全く伸びなかったり、誰にも読んでもらえないということに悩む作家の皆さんは、一度SNSを利用し、相互評価をしてみてはいかがだろうか?
もしかしたら、それが今後の執筆の励みになる可能性も十分にありうるのだから。
次は相互評価に対する、否定的な意見を述べます。