問題提起
最近、相互評価に手を染めるなろう作家が増えてきている。
それは気のせいとかいう類のものではなく、twitterを見れば「小説家になろうで活動しています」という書き出しの後で「相互評価をしましょう」というようなことを言っているWeb小説作家が何人もいて、更には「書いた小説を相互評価しましょう」という趣旨のLineグループまで作られているほどだ。
その背景には、やはり小説家になろうで掲載された作品が出版され、中にはアニメ化までこぎ着けるものが現れたことがあるということは、誰もが想像できることだろう。
実際、小説家になろうからは何十冊も書籍化する作品が現れ、一時期は書店のラノベコーナーに所謂「なろう小説」が大量に表れたほどだ。
となれば、この書籍化ラッシュを期に、作家志望の卵たちが書籍化を夢見て小説家になろうで活動を始めても、なんらおかしいことはない。
実際、小説家になろうで小説を掲載して書籍化するのは、自作の小説を公募に出して書籍化するよりも幾分か簡単なように思う。(もっとも、この二つから書籍化するのには求められる能力が違うので一概には言えないのだが)
だが、世間は甘くない。
当然、小説家になろうから書籍化するには日刊ランキングの上位を勝ち取り、そこからも順調にptを伸ばさなければいけない。
そのためには、まずは自作の小説を日刊ランキングに乗せることが前提条件になるのだが、そこに乗るためにはまず何人かの読者に小説を読んでもらい、ptを入れてもらう必要がある。
だが、そのためには流行に乗った題材を選び、人目を引くタイトルにして、ある程度の更新頻度を保つ必要がある上、そうしたからと言って確定で日刊ランキングに乗れるとは限らない。
そう、なろうから書籍化するのは、簡単なように見えて実はそこまで簡単なことではないのである。
そして、自作の出来が悪かったのか、運さえよければ日刊ランキングに乗れたのに……という作家達の中に、twitterなどのSNSで自作を告知する者や、相互評価を始める者たちが現れるのは、もはや必然でもあったはずだ。
そして、今批評するのは、その後者の「相互評価」である。
まず、相互評価について話をする前提条件として、今言った相互評価にもいろんなものがあることを知っておいてほしい。
仲のいい作家同士で作品を読みあい、お互いの作品のいい点や悪い点を指摘しあい、そのついでにptを入れる、相互扶助に近い相互評価や、ptを手に入れることだけを目的とし、副垢や組織票を用いて、集団で一つの作品を無理やり日刊ランキングに押し上げる純粋にpt稼ぎを狙いとした相互評価など、相互評価と一口で言っても様々な「相互評価」の形があるのであり、そのどちらも、小説家になろうの規約には触れていない。
小説家になろうの利用規約、14条の「15」において、小説家になろう内における相互評価の依頼などは厳密に禁止されているのだが、その外、つまり、小説家になろうのサイト外でやるのであれば、(副垢を用いない限り)相互評価を行うことはなんら問題ないのである。
だが、それでも悪いこととして挙げられやすい相互評価。
今回は、これについて語っていきたい。
もしかしたら、事実と違う点があったり、このエッセイについて思う部分があるかもしれませんが、もしそいった点がありましたら、感想欄にて忠告していただけると幸いです。
関係ない話だが、できれば次の話を早めに投稿したい(汗