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私の彼は忍者  作者: 紅葉
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チョコレート大作戦 3

さて、やって参りました、2月13日。

バレンタインデーはいよいよ明日ですよ!!


授業と部活が終わり、空はもう真っ暗。いつもの1年女子剣道部三人組で、今夜はお泊まり会です。バレンタインデーを明日に控え、チョコ作り大会なのです。


今日はクラスでも部活でも、何だか男子も女子もソワソワしてたな。

そう言えば、今日は道場に張り付いている女子が少なかったな。

家に帰ってチョコ作りしてるのかな。


そんななかで、部活で見た藤波先輩はいつも通りだった。


バレンタインデー、興味ないのかな。

っていうか! 下調べもなにもせず女子で盛り上がってチョコ贈ることになったけど、藤波先輩チョコ嫌いだったらどうしよーー!!


「大丈夫だよーー。だって当麻先輩とアーモンドチョコ食べてるとこ見たことあるもん。」


「マジ? 私も見たかったぁ」


ほう。藤波先輩はナッツ入りが好きなのか?

あーー!!リサーチ不足だぁぁ

でも私にトリュフにナッツを入れるアレンジなんて出来ない!!しかもイキナリ本番なんて、ムリ〜。


「それならさ、チョコクリスピーに藤波先輩の分だけナッツとかレーズン入れて、豪華にしたら? 」


と、お菓子作りが得意な由希ちゃんが提案してくれた。


「でさ、ハート型に固めたら可愛いよ。いくら普段お菓子作りしないって言っても、ハート型のクッキーの抜き型くらいは持ってるでしょ?」


「母がそういうの好きだから沢山持ってるよ。バターとか買いたいから帰りにスーパー寄っていい?」

「なら、急がなきゃね」


バタバタと駅へ急いだ。


学校最寄りの駅から15分。5つ目の駅で降りる。

駅前に小さいスーパーマーケットやコンビニはあるけど、基本的に住宅街。

この時間は割りと塾帰りの小学生や中高生で人が多い。


駅前のスーパーマーケットに寄ってカゴを持つ。


えっと……トリュフはやめにしたから、生クリームは要らなくて、無塩バターと、アーモンドとクルミとレーズン……うわっ高っ!!


ちょっとずつしか使わないし、酒のおつまみナッツでいいかな。いいよね。製菓用のナッツを棚に戻して、おつまみナッツをカゴに入れた。


「こらっ、本命チョコでケチろうとすんな! 」

と由希ちゃんからお叱りを受けた。


というわけで、おつまみを返し、クルミとレーズンは諦めて製菓用のアーモンドを買うことにした。



住宅街の一般的な一軒家。

それがわが吉田家です。


どうぞ、どうぞ、と友人を玄関に招き入れ、お迎えに出てきていた母と、興味津々に付いてきた弟を紹介する。


あらかじめお泊まり会をする計画段階で親には友達の名前は伝えてあったけど、改めて紹介する。


「剣道部で一緒の川村優理花ちゃんと木村由希ちゃんです」


「こんばんは〜、お世話になります〜」

「あ、これ。うちの母からです。」


優理花ちゃんがそつなく菓子折りを手渡す。


「あらあら、そんなに気を使ってもらわなくてもいいのに〜。お礼の電話するから番号教えて貰えるかしら? 」


なんだかんだいいながら、まんざらでもない様子で母は奥に入っていく。


私は友人たちを自分の部屋へ案内した。

「夕御飯にするから着替えて降りてらっしゃい〜」

「はーーい。ありがとうございます」

母のあり得ないお上品口調で呼び出される。後でキッチンを借りることだし、素直に返事しておいた。


44人分だもんね。さっさと食べてチョコ作りに取りかかろう!!



「キッチンお借りしま〜す」

の一言で始まったチョコ作り大会。


ザクザクと粗めにアーモンドを刻む。その後、アーモンドをフライパンに入れて、炒ると香ばしい匂いが漂ってきた。

炒ったアーモンドを一旦皿に出して、今度はフライパンにバターと、マシュマロを入れる。


おお〜っ、ジュワジュワ溶けてきたよ!!

そこへチョコクリスピーとアーモンドを入れて、木のへらで混ぜ混ぜ。

熱いうちにオーブンシートの上に置いたクッキー型の中に詰める。


おお〜!! 簡単だ!

私にも作れた!


後はこれをアーモンド無しで大量生産ですね。


ところで、二人は何を作ってるの?


二人はそれぞれ小麦粉を計ったり、卵を割ったり……本格的ですね。


「ん?私はブラウニーだよ」と由希ちゃん。


「私はチョコマフィン」と優理花ちゃん。


何ですと。後で味見させてね。


オーブンを交替で使うため、先に下準備が終わった優理花ちゃんとチョコクリスピー作りを交替。

その間に、私はお茶を淹れる。


私はお菓子作りは殆どしないけど、母はお菓子作りが好きで、色々道具が揃ってたから、普段からお菓子作りをする由希ちゃんは、とても感動していた。

母はきっとこんな娘になって欲しかったんじゃないかな。

小学生までは、やれクッキーだケーキだと手伝わされたけど、用意されたピンクのフリフリエプロンも好きじゃなかったし、そのうち手伝いはしなくなった。


母の趣味のティーポットにお湯を入れて温め、それをカップに移したら、茶葉を計ってポットに入れる。

沸かし直したお湯を注いで、3分蒸らす……。

母のお菓子作りの趣味のお陰で、お茶を淹れるのだけは身に付いたけどね。

カップのお湯を捨てて、紅茶を淹れる。

マフィンはオーブンから出されて、次はブラウニーを焼いている。

チョコの甘い匂いが台所中を包んでいる。


「お茶入ったよ〜」


冷めたらラッピングもしなきゃね。





辻褄が合わなくなったところが出てきたので、加筆訂正しました。

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