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私の彼は忍者  作者: 紅葉
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不純な動機

タイトルが既にネタバレになってますが(笑)コメデイーな内容になる予定です。

よろしければ、お付き合い下さいませ。



ここは伊賀。


山々に囲まれた盆地。夏は蒸し暑く、冬は底冷えしてとんでもなく寒い田舎。


私は吉田理沙。県立高校1年生。


生まれも育ちもここで、いつかは都会に出て働きたいなぁ……と漠然とした希望は持っているけど、具体例に何になりたいかというとまだ絞りきれていない。


そんなことより、私は剣道部と恋に忙しい毎日を過ごしている。


何故剣道部に入ったかというと、中学の時、高校受験の息抜きに読んだ『新撰組』の小説にハマったから。


まあきっかけはそんなものなんだけど、最初は自分の竹刀にニマニマが止まらなかった。


ま、現実は直ぐに思い知らされて、部活は結構厳しい。先輩、後輩の上下関係は勿論のこと、冬の寒い中、裸足で道場のお掃除、ランニング。稽古も勿論裸足で。


男女比は圧倒的に男子が多くて35人、女子は12人。

1年女子は私も入れてたった3人!

正直、先輩にしごかれてる時は何度も辞めたい!!って思うけど、それ以上に魅力的なことがあって辞められません。


剣士を目指す男子って、なんであんなに細いのに、いい筋肉付いてるんだろ。

白い道着に紺の袴、防具を外した時の汗さえも色っぽい〜!!くぅ〜!!


最初は、そんな男子たちの姿を沖田総司や土方歳三に重ねて陰でキャーキャー言ってたんだけど……え?それも充分キモいですか?


2年生男子の中に一際格好いい先輩がいるんです。


その名も、藤波 涼先輩ですよ。なんて素敵な名前!

お姿も名前負けしてませんよ。


さらさら黒髪に二重まぶたかつ、切れ長の涼やかな眼、171センチの身長は細マッチョの完璧な剣士の理想体型。


まだ2年生なのに、大会ではレギュラー入りだし、学業の成績も良いらしい。うーーん、天は二物を与えたのね……。


部活中は男子には厳しい先輩なんだけど、女子には優しくて、1年の仕事であるお茶汲みも、重いやかんをフラフラ運んでたら、さりげなく持ってくれたりする。


そんな先輩が、女子人気がないわけはなく、毎日放課後には剣道場に出入り待ちの女子が鈴なりになっている。

しかも、その顔ぶれは1年生から3年生まで幅広い。


そんなに気になるなら剣道部に入れば良いじゃんかって思うけど、髪にも化粧にも爪にもオシャレに気を遣っているオネーサマ方には、そんな選択肢は無いらしい。


現代に転生した沖田総司のような先輩に恋しちゃった私は、こんなオイシイ部活を辞めれますか!!ってかじりついて頑張っちゃってます。


ええ、完全に片思いです。


告白なんて恐れ多いし、先輩のファンが怖くて出来ないけど、同級生とキャーキャー言い合ったりする現状でも結構楽しい。皆に紛れてバレンタインデーにはチョコを贈るくらいは許されるだろうか。


バレンタインデーまであと1ヶ月。


友チョコと藤波先輩に贈るチョコを一緒に作ろう!! と同級生で同じ剣道部の優理花ちゃんと由希ちゃんと誓い合った。今度ラッピングとか見にデパートに行こうねって約束もした。

あーー楽しみだなぁ。



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