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契約と小説  作者: カイン
2/3

誘拐


「ん……メアリーか?」


「ジョン!よかった!目を覚ましたのね!今担当医の先生を呼んでくるから!」


「ちょっと待ってくれ。ここは病院か?となると、僕は助かったのか?」


「えぇ、全身血まみれで歩いて帰ってきたのを見た時は、本当に驚いたわ!ここに運ばれた時も、生きているのが奇跡だって!」


「僕が歩いて帰ってきたって?そんなバカな!僕は知らない男を乗せて崖の下に落ちたんだぞ?…そうだ、あの男は無事なのか?」


「ジョン…きっとショックでどうかしてるのね…大丈夫よ、もう助かったの」


「メアリー、僕は確かに…」


「待ってて、すぐ戻るわ」


「…どうなってるんだ?」



〜一ヶ月後〜



「なぁ、メアリー。無事に退院出来たのはいいが、一体何が起きたのかわからないんだ」


「あなたが無事に生きているならそれでいいのよ。家に帰りましょう、ジェーンが待ってるわ」






「パパ!おかえりなさい!」


「ジェーン!ただいま、会いたかったよ!」


「怪我大丈夫?」


「あぁ!すっかり良くなったよ」



二日後



「えぇ、そうです。そこの崖から落ちました」


「ぶつかってきたトラックのナンバーは覚えていませんか?」


「急でしたから…」


「回収した車は損傷が酷かったので廃棄しましたが、よろしかったですか?」


「えぇ。…それより、車の中に青年がいませんでしたか?十八かそこらで瞳はブルー、栗色の短髪の」


「いえ、車には遺体も生存者もいませんでしたよ。周囲に人影もありませんでしたし…」


「そんなはずは!僕は確かに青年を乗せたまま落ちたんです!二人とも足を挟まれて動けなかった!ガソリンが漏れ出して引火しそうだったのに青年は…」


「オズワルドさん、誰もいなかったんですよ」


「だが僕は確かに…」


「では…もし見つけたら連絡しますよ」


「……」



数週間後



「ねぇ、ジョン。ジェーンを見てない?」


「まだ帰ってないのか?…はい、もしもし」


「ジョン・オズワルドだな?」


「そうですが、どちらさまですか?」


「お前の娘は預かった」


「なんだって!?」


「娘を助けたければ金を持って来い。おっと、他人に言えば娘は殺す」


「やめろ!ジェーンに手を出すな!」


「生きている娘に会いたいなら、これから指示する場所に一人で来い。勿論、金は持って来いよ。いいか…」



一時間後



「約束通り一人だ、金も用意してある。娘を返してくれ!」


「よし、金をこっちに寄越すんだ」


「投げればいいか?」


「あぁ、さっさとしろ」


「さぁ、娘を返せ!」


「ほらよ、行きな」


「パパ!」


「ジェーン!」


「しかし、お前には顔を見られたな。指名手配になるのは御免だ。おい」


「要求通りにしたじゃないか!」


「言うことを聞け、娘を撃つぞ」


「…わかった。僕はどうすればいい?」


「そこの壁に両手をつけ」


「パパ!」


「ジェーン!お前は逃げッ…」


「ほら、パパを殺されたくなかったら大人しく逃げな。よし、いい子だ」


「コイツは取り敢えずトランクに積んで…適当に始末するか」



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