第5話 それぞれの思い
ある日の夜、スーパーへ買い物に行った帰り道。
ふと立ち寄った公園のベンチに見慣れた姿を見つけた。
星空を見上げ、深く考え事をしている様子の風華だ。
「風華どうしたんだ、こんなところで」
と声をかけた。
風華は一瞬、驚いた表情を見せたが、すぐに光輝の顔を見て、
いつものように穏やかにほほ笑んだ。
「実はね、将来のこと、色々考えてたの。このままでいいのかな、とか…」
そして
「あと喫茶研究会のこと。この活動、これからどうなっていくんだろうって。
もっと色々なこと、みんなで出来るといいのにって思って」
いつも明るい風華との違いに驚きと戸惑いを感じるも、
光輝も一緒に考えるのであった。
風華の隣に腰を下ろし、彼女と一緒に星空を見上げました。
「将来の事は僕もわからない。
だから悔いのないように生きていくしかないんだよ」
そして
「喫茶研はみんなでもっともっといろんなことをしよう。
やりたいことは全部やるんだ」
風華は頷き光輝を一瞬見つめ、再び星空を見上げたのであった。
美都里は神社へ行くのが好きだ
心が落ち着くからだ
休日の午後、美都里は近くの神社を訪れた。
神社の空気、木々のざわめき、玉砂利を踏む音。
それらすべてが、彼女の心を安らかにする。
神社へ行くと参拝の前におみくじを引く。
真っ先にみるのは恋愛運。
その結果に一喜一憂。
その後、拝殿へと進み深々とお祈りをする。
内容は自分自身の事・喫茶研のこと・そして…
こうして活力を取り戻す。
また一週間頑張るぞ!
学校ではいつも友達に囲まれてる友美 。
家に帰った時は一人でゆっくりしたい時もある。
そんな時は読書をする。
読むのは主に恋愛小説だ。
友美は読みながら私だったらこうするとか 、
それわかるなあと思いながら読む。
ある恋愛小説の物語の中で、登場する男の子が、
なんとなく光輝君に似ていると感じた。
その男の子の、真面目さの中に時折見せる優しさや、
一途なところに、光輝君の姿が重なってドキっとなった。
小説ではその男の子と主人公は結ばれたが、
私と光輝はどうなんだろうと思った。
その後喫茶研のことも考えた。
みんなで色んなことしたい。
色んなとこへ行きたい。
再び恋愛小説を読み始める。
今度の主人公は私に似てるといいな。
豆をミルで挽いたあと、ドリップを掴むが少し考えてから、
フレンチプレスを手にとった。
なんかこっちの気分だ。
ポタポタとコーヒーが落ちるより、コーヒーを浸してるのを見ていたい気分。
透明なガラスのフレンチプレスの中で、
コーヒー粉がゆっくりと踊り沈んでいく様子を見ていた。
出来立てのコーヒーを飲みながら喫茶研の事を思う。
今後はどうしよう。
あれもしたい。
これもしたい。
みんな気に入ってくれるかな。
そして三人のことも思ってみたのだった。




