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母の子守唄、星になったお母さんへ  作者: エリナ
小さな太陽
12/13

村の小さなヒーロー

夏の暑い日、川で遊んでいると、小さな女の子が川に落ちそうになっているのを見つけた。


「危ない!」


私は慌てて駆け寄った。女の子は川岸の石で滑って、今にも深い所に落ちそうになっている。


「手を出して!」


私は必死に手を伸ばした。女の子は泣きながら私の手を掴んだ。


「怖かった…怖かったよ」


女の子は私にしがみついて泣いていた。私よりも二つくらい小さい子だった。


「もう大丈夫よ。お姉ちゃんがついてるから」


私は女の子の背中を優しく撫でた。まるで昔、おばあちゃんが私にしてくれたみたいに。


「一人で川に来ちゃダメよ。危険だから、大人の人と一緒じゃないと」


女の子は小さくうなずいた。


「お名前は?」


「ミナ」


「ミナちゃんね。私はエリナよ。お家まで送ってあげる」


ミナちゃんの手を引いて、村の中を歩いた。小さな手が私の手をぎゅっと握っている。


「エリナお姉ちゃん、ありがとう」


ミナちゃんのお母さんにお礼を言われた時、胸がとても温かくなった。


「いえいえ、当然のことです」


家に帰って、おばあちゃんにその話をすると、おばあちゃんはとても嬉しそうに笑った。


「エリナちゃんは本当に優しい子ね。おてんばだけど、心はとても優しい」


「おばあちゃんに似たのかな」


「いいえ、エリナちゃん自身の優しさよ」


その夜、ベッドの中で考えた。私はおてんばで、よく失敗もするけれど、困っている人がいたら放っておけない。それは悪いことじゃないよね。

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