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4.紅蓮sideエピソード1


俺は代々この陰陽師の家系に使えている神谷紅蓮だ。



私の血筋は少々特殊で、半分妖半分人間とハーフなのだ。その妖の血を色濃く継いでしまった私を御館様は引き取って下さり、その中でも家族の様に育ててくださった御館様には一生頭が上がらないと思う。



そんな御館様に、息子夫婦の訃報が入ったのは俺が引き取られて1年後だった。



無き息子夫婦の忘れ形見に初めて会ったのは蝶子お嬢様が1歳の時だった。御館様が今日から一緒に住むことになったと告げられ一目見た瞬間、俺の中の妖が慟哭し、叫び呼び起こされるかのように叫び出した。



あア゛ア゛ア゛ア゛あ、ああ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"



自分に何が起きたのか分からず、御館様が俺に向かって陰を結んで結界を張り巡らせていた。



「やはり引っ張られたか!紅蓮!自分を強く持て!」



その後、御館様の術で自分を取り戻す事が出来たが、その後暫くは蝶子お嬢様と会う事は出来なかった。



その後、俺は自分の修行をする為に山に篭もり、その間御館様に課せられた事を、いち早く習得するのに余り時間は掛からなかった。



蝶子お嬢様が2歳になる前に修行を終え、屋敷に戻りはしたが、中々会うことは出来なかった。それは御館様の唯一の家族であるお嬢様を傷付けるかもと俺が怖がったせいだ。



「紅蓮や、(ぬし)はもう大丈夫じゃ、あの時とは違う、お主には蝶子を守ってもらう守り人になってもらいたくて引き取ったのだから。」



えっ?守り人?御館様は初めから解っていたのだ、俺とお嬢様との繋がりを。



「御館様、、、お嬢様はやはり、、、、」



「紅蓮にも解ったか、あれは産まれた時より運命(さだめ)られた子だ。」



それでも、御館様にはたった1人の家族なのだ、孫娘には話さないと息子夫婦にも言っていたそうだ。



だが、そんな息子夫婦も事故?いや御館様は違うと知っているのだ、それでも護ると決めている、だがそれは何も伝えていないお嬢様には辛いことかも知れない、何故自分なのか。それもまた、、、。



御館様より、守り人を言い使ってより自分の修行をして欲しいと御館様にお願いして、蝶子お嬢様が3歳になる頃には自分の力を制御出来るようになり、お傍に仕えるようになった。



お傍で仕えていても、お嬢は年々妖や人ならざるもの達に狙われる事が増えた。



高校入学する頃には、気付かれないように対処するようにしていたのが仇となった事件が、今日起きた誘拐だ。



その日御館様より、何か悪い知らせが有ったらしく普段御館様のお嬢に付けている式神が、消えたと言われ紅蓮に迎えに行って欲しいとお願いされたのだ。



ここ最近お嬢は思春期特有なのか、少々?いや結構反抗的になっていて、御館様や俺の言う事を本気に受け取らなくなってきたのだ。



何時もは式神が迎えに行っていたのだが、その式神が消されてしまったのだ、そして学園に向かった自分も目眩し、認識を阻害する結界やらを解除するのに少々手間取ってしまい、その間にお嬢は連れ去られていた。



そんな自分の不甲斐なさを払拭する為俺は力を解放し、お嬢の居場所を探知することが出来事なきを得たが、俺も今回の事は重く受け止めている。何が?何か?違和感があるのだ。



「紅蓮や、蝶子の事で少し話がある。」



そう言う御館様は、難しい顔をしていた。

御館様から、お嬢の封印が解けかけていると言われ、紅蓮は息を飲んだ。



「御館様の封印がそんなに簡単に解けるんですか!」



つい大きな声を上げてしまい、今回の誘拐が誘発剤となったのではと御館様が言っていた。



御館様が蝶子から話を聞くから連れて来なさいと言われ部屋を後にした。



その間御館様から言われた言葉が、頭の片隅に残ったが、取り敢えずお嬢を迎えに行くことにした。




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