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3.朝のお勤め


翌日の朝まだ日も登らない、何時もの時間にしっかり目が覚め、朝の支度を済ませ、裏山に向かう。裏手の門の所に見慣れた人影を見てため息を吐いて。



⠀「、、、おはよう。」



一応朝の挨拶はしておくが、朝から見たい顔ではない。



「おはようございます、本日より朝の儀式もご一緒させて頂いきます。」



なっ!と大きな声が出そうな所で、ギリギリ堪えることが出来た。



昨日お爺様が言っていた事を思い出したからだ、まさか朝からとは思ってもいなかったからだ。



「もう良いわ、言っても仕方ないし、行くわよ。」



そう言って私は裏山にある祠に向かう。これは私が小さい頃からしている事なので習慣になっている行事である。記憶に無い位小さな頃からしているので決して強制的にさせられているとは思っていないが、昔はお爺様と一緒に来ていたが、今では1人で来るようになった。



物心着く頃には少し疑問に思った位で、元々、家が特殊だった為気にも止めないって感じだった。



祠に入る前に、禊をする為近くにある泉の前に着いた。



後ろを振り返ると、紅蓮はこちらを見ているだけで特に話しかけてもこない。



「えっと?ずっとそこに居るつもりなの?」



私は1度ここで着替えないといけないのに、紅蓮はさもそのままどうぞ?見たいな顔をしている。



「ああ、お嬢は気にするんですか?小さい頃から風呂だって一緒だったのに?今更お嬢の裸見たって何も感じませんのでそのままお続け下さい。」



は? え? 何を言っているのだろうか?こちとら華も恥じらう17の乙女なのに?等考えを巡らすがもうめんどくさくなってきたので、



「気にした私が悪かった、せめて後ろ向いていて!それぐらい良いでしょ!」



そう言うと、紅蓮はヤレヤレみたいに頭を振りながら後ろを向いてくれた。最初からそうすればいいのにと思ったが敢えて言わなかった、これ以上時間をかけたくなかったから。



泉の近くには小さな屋根の着いた場所が設置してあるので、そこで私は白い着物に着替え泉の前まで移動する



「今から泉に入るけど終わるまでこっち見ないで!わかった?」



紅蓮に向けて声を掛けると、わかった。と返ってきたのでそのまま私はゆっくりと泉に浸かる事にした。



私は、泉に浸かっている時何も考えなくていちばんリラックスできるが、今日は紅蓮がいるから、何時もの半分位の時間で泉から出た。


だが、紅蓮がまさかこっちを見てるなんて思ってなかったので、油断していたのだ。



「ちょっ!な、何でこっち見てるのよ!」



その目は何か神聖な物を見るような目で、紅蓮は何も言わず後ろを向いた。



私は急いで屋根の下に戻り、サッと水を拭き、もう1枚上に着物を羽織った。本当に油断ならない、何を考えてるかなんて全くもって分からない!そう思いながら紅蓮を置いて祠に向かった。



どうせ何も言わなくても付いてくるんだから、と思ってそのまま進んだが、紅蓮は普通に付いてきていた。



祠に着くと私は手馴れた手順で、祠を開き、御神体がある本殿前まで進み、祝詞を読み上げる。ここまでが、朝のルーティーンだ。



朝のこれをやらないと目が覚めないと言っても過言ではない。まぁ実際はここまで出来るのはお爺様達歴代の陰陽師がここに結界を張って幽世(かくりよ)となっていて何時でも小春日和と言うぐらい暖かな場所にしてくれているからだ。



「終わったわ、ここには結界があるんだから、付き合わなくても良いのに。」



と、伝えたのだが、お爺様のいい付けを破るつもりは無いらしい。



「もう、朝餉の準備も出来ているでしょうから戻りましょう。」



言われなくても戻りますー!と不貞腐れながら母屋に戻る山道を戻って行った。



はぁー、これから毎日これなの?ちょっと流石に息が詰まる。絶対隙を付いて1人の時間をもぎ取ってやる!と考えながら歩いていため、紅蓮が少し気を張っている事に気が付かなかった。



紅蓮が小さく何かを呟いていたのを全くもって聞いていなかった。



「チッ、結界があるのに触りにきやがったか!」



蝶子は、その囁きを聞いていなかった。紅蓮は素早く、式神を放ち、結界を越えようと試みる気配を断ち切る為に動くが、お嬢に気が付かれる事が無いよう細心の注意を配ったのだった。



お嬢が母屋に入るのを見届け、素早く結界の外を探る為術を発動させた。



「ハッ!笑わせるこんな小物を送り込もうとするとは。」



結界の前に黒いモヤが5個、それも半端者だこんな者達に結界を動向できる訳が無い。



「本確的に動き出したとでも言いたいのだろうな!」



そう言いながら黒のモヤの下に五芒星を巡らし、術を唱える。



「「ぐ、ググギャーギャー」」「「、、ガがァあァァァァァァァ」」「っ!クソ!が!」



ん?1匹は普通位の力があり、耐えていた。



フン、そんなもんで俺の力が破れるとでも!右手を胸の前に指を合わせ陰を結び力を強めると、流石に耐えられなかったのか消滅した。



家の周りの気配を探ったが特に何も引っかからなかったので、そのまま御館様に式神で報告を送りお嬢の後を追いかけた。



「ちょっと、今日は遅くなったから、急ぐわよ!」



母屋に入って振り返りながら喋っていたら紅蓮が後ろにいると思って喋りかけてたら、紅蓮の姿は無く独り言ってる見たいになっちゃって、顔を赤くしてぷるぷるしていると扉が開き



「おや?どうしました?お嬢。」


もう、何も話したくなくて廊下をダッシュで走っていき部屋まで戻った。



「もう何なのよ!付いてくるって言ったのに結局居なかったしもう何なのよ!」



ここ最近で、1番嫌な日だわ!朝からこんなのうんざり、本当にお爺様は何を考えているのかしら?


そうは言っても、お爺様の言い付けはちゃんと守るけども、何かあるのかって思ってしまうじゃない、ハァ

ーーー。



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