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第23話:選ぶということ(ユカ先輩視点)
静かな夜の帰り道。
ヒロトの告白が、心の中で何度も繰り返されていた。
(まっすぐだったな……あの目も、あの声も)
あの告白が、嘘じゃないとすぐに分かった。
誰よりも真剣で、誰よりも不器用で、でも……誰よりもあたたかかった。
けれど、ユカの心はまだ揺れていた。
タカトのことを嫌いになったわけじゃない。
彼にも愛された。尊敬もしてる。今でも、大切な人。
だけど、今、自分の胸に残っているのは――ヒロトの言葉だった。
(好きかどうかなんて、分からない。まだ怖い)
(でも、私も……あの気持ちに応えたいと思った)
家に着く頃には、空には星が滲んでいた。
スマホを取り出し、画面を見つめる。
“ヒロトくん”
その名前をタップしかけて、指が止まる。
深く息を吸って、思い直す。
「まず、自分の気持ちを整理しよう」
答えを急がない。
誰かに選ばれるんじゃない。私は、自分で選ぶ。
そうじゃなきゃ、どちらにも失礼だから。
でもひとつだけ、確かなことがあった。
――ヒロトのことを、もっと知りたいと思っている自分がいた。
▶︎ to be continued...




