影絵の時間 作者: 薄雪草 冬の終わりを思わせる 季節外れの一日が終わり 夜に向かう時間 空には透明な空気が満ちて 世界は影絵になっていく 冬から春へ 今は季節が変わるとき 強い風が吹いて 吹き飛ばされそうになる 寒さがなくなって コートが要らない日が増えていく 雪の記憶だけ、忘れないようにしていたい さようなら、過去 楽しかった時間たち 夢見る時間は過ぎていく また新しく始めるために そうやっていつまでも 初めて見るような気分で 新しい日を迎えよう 大切なことは 忘れないこと そうしていつまでも 空に向かって 手を伸ばして 伸ばすことを諦めないでいれば