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再来

 人気の無い神社、社から光喜達が出て来た。

「よーやく帰れたー!」

「早いとこアミーナ達に言わないと」

「だなぁ」

 神社の鳥居から出た直後、いきなりアミーナが現れて驚いた。

「漸く帰ってきましたね」

「おぉぉぉ! びっくりしたぁ! なんでここだって分かったの!?」

 ディダですら一歩引いてしまう程だ。

「なんでって教えてもらったからです。坂本に」

 アミーナから出た名前に皆、げんなりした。

 知ってたのかと言う顔だ。

 そして坂本がやって来た。

「何してるかなぁ君達はぁ」

 かなり顔が引きつった笑いだ。

 ディダはすぐに訳を言い、マルスにスマホを取り出し、仕事内容を見せる。

「何って仕事だよ。ほら、マルス」

「これですけど」

 内容を見てすぐに頭を抱えたのだ。

「あー! 全くこっちに回せって言ってたのに!」

 光喜が坂本に聞くと、逆にある事を問われてしまう。

「何のこと?」

「あんたら、森沢って奴とやりあったでしょ?」

「何故それを!」

 どうして分かったのか不気味さが漂う中、何故か悟った一が坂本に噛みつく。

「……おっまえ知ってて、教えてない方が悪いだろ絶対!」

 こちらが未だついていけてない中、坂本はスマホを見ろと合図を送りながら言う。

「一ちゃん、あんたにもアレから来てない?」

 言われるがまま、言う通りにする一はそういえばさっきまで異世に居たせいで、通信が途絶えていたなと思いながら覗けば、一気に顔色が真っ青と化す。

「はっ……ひぃ! なんでアイツから!?」

 何の事だと、分からないジャンヌと卑弥呼、光喜が本当にどういう事だと戸惑う中、ザフラがそっとやってきて事情を話してくれた。

「実はここ、管理しているお偉いさんが居て、そのお偉いさんが代わったのか、今まで通りの管理じゃなく穏喜志堂に依頼、解明と救出だって言う事らしいが、裏事情を知らない別枠のお偉いさんが運悪くディダに依頼したって事だ。で、我々がその公園に居たもんだから万が一壊されたら怒られるんで止めにここまで来たら、森沢と鉢合わせ、あっちが煙幕使って来なかったら、フィンの居場所を吐かせる気だったんだがな」

 やはり今回はそのお偉いさんが絡んでいた為、森沢がいたのだ。

 同時に気付いたの坂本達が捕まえようとして、先ほどの手口で逃げたと言う事だろう。

「救出の件だけど、残念な話、その人達は見ていないわ」

「なんなら、ゾンビみたいな連中ばかりで危なっかしいんで細かくなんて無理だ」

「マルスさんと一さんが見に行ってたけど、どうだったんだろ?」

 光喜の言葉にニュートンも頷き、同調した。

「聞くも聞けないな」

 だが、異世の影響で出て来れなかったニュートンがいきなり出てきたら、それはそれで驚く。

「うぉぉぉぉ! 生きとったんかぁ!」

 言い方が可笑しすぎて聞いている方が笑ってしまう。

「生きとるわ、寧ろこっちのセリフになりえるんだが?」

 セフィラムも漸く出てきて言う。

「復活した」

「あぁ心配したぞ、まさかあそこが境目と言うモノだったのかと」

 ごめんねとセフィラムが言っている間に、ふと光喜がある事に気付いた。

「でも、あそこ、狭間のバーとあまり変わらないのでは?」

 そう、狭間ならあっちも一緒だ。

 ジャンヌとしてはキャサリンをあの異世と一緒にして欲しくない。

 しかもその理由もかなり大きいのだ。

「あそこと狭間のバーの山田吾郎を一緒にするな。あぁ見えて時空を制御出来る類も見ないタイプだし、番人達ですらあの人に逆らえないと聞く」

 流石の光喜も神として言うよりもっと分かりやすい言葉が出てきた。

「マジで⁉︎ 創造主みたいな?」

 ジャンヌは否定もしないが、神は存在するのを改めて言い、ただキャサリンを創造主とは考えてはいないし、一部として考えていた。

「さぁな、一応、どの世界にも神と定義される者は存在するから、あまり言う気は無いが、片鱗だと自身で言っていた」

「片鱗」

 光喜もその言葉に考え深くなっている所、言った当人が漸くここの対策出来る方法を思い付く。

「……あっ! 異世なら、普通に山田吾郎に聞いて修繕方法聞けば済む話じゃないか‼︎」

 ぎゃあぎゃあ言っていた大人組が、その言葉だけ耳に入り、一瞬でこちらに入って来たが、今の所キャサリンに頼め内容で、今後は管理者仲間の1人である理美が上達するのを待つと言った選択を取っていた。

「そこ、大正解! でも、キャサリンも仕事で忙しいし、理美ちゃんも育てば行けるんじゃないかって話にはなってる」

「でも今の理美ちゃん、時空使えます?」

 今の所、時間が使えず代わりに空間が使えてる状態だ。

 坂本的には育てば良いが、それは時間が許してくれればの話で、もっと早い段階で作り主に会えれば済むとも言った。

「使えないから、育つまでって言ってるでしょ? それに作った本人を捕まえれば良いんじゃないの? まぁ捕まればだけど」

「生きてる?」

「一応最初に作られたのが戦後の初期、あまりにも怪奇現象があって、ただ霊力ある無自覚人間がいるとそこだけに起きるからって、定期的に放り込む事で抑えてたのをある陰陽師によって解決したの。ただ、誰かが弄った為に今やこういう騒動になったのよ。戦後だからもしかしたらの話だけどね」

 やっぱり町内会長ではとジャンヌと卑弥呼がこそこそ話す。

「だからって、そのまま放置したら結局同じ事が起きてなかった?」

「あれは、引き継ぎ途中で起こったガチめな故事です」

 先の話と合わせれば何となく理解出来たが、正直な話監視の目を止めるのは如何なものか。

「うわぁぁ引き継ぎ中でもそのままやってなよ」

 ジャンヌもそれを聞いて、あだ名を付けようとする。

「もうお前の所あだ名財団って付けるぞ」

「やめて! 保護や収容なんてしてないわ!」

 ディダ達も含め、えぇと声が溢れ疑われた。

 光喜ですら、絶対エージェントとして見ている節があり、明らかに疑う目が怖い。

 ふと、1人足りない事に気付き、光喜が聞く。

「あれ? ナイチンゲールは?」

 何故か、一の方からぼかして答えてくれたが、ザフラが言う。

「今自分の知り合いから、ナイチンゲールを借りたって」

「ユダだよ」

「なんで、名前伏せたのに言う!」

 かなり険悪に……とはならず、詳細を知っているのか、ディダはユダに対して裏切り者と言わずこんな事を言った。

「……あー貧乏クジ引かされた人」

「貧乏クジなのかアレ?」

「愛が憎悪に変わったせいで裏切り者になった。間違い無いけど、抜ける気ではいたのを僕でも分かってたからね。まぁ他信者からは間違い無く裏切り者だよ。で、なんで借りたの? 誰か見つかったとか?」

 もしかしたらと思ったが、全然違う答えが来た。

「いんや、なんかほら冬美也君が春日谷咲楽って子が最近おかしいのと、ジルもその点について気になっていたから、それに関して付き合ってもらうからって」

 坂本の話を聞き終えた後、一が怒った。

「そもそも治療班を連れてくな!」

 ザフラがさらに余計な事を口走る。

「万が一、大怪我しても卑弥呼様が居れば大丈夫ってユダが言って連れてった」

「あんの野郎!」

 ディダも今回はこちらが貧乏クジを引いたと乾いた笑いが起きる。

「貧乏クジ引かされちゃったねコレ」

 これでおしまい、そうしたかったが、今回まさかの春日谷の名が出た時、恐怖心もあったのに冬美也の心配が上回った。

「どこ行ったか聞いてますか?」

「いや、借りるだけとしか書いとらんからなぁ」

 どこで待ち合わせをしているのか、流石に今から聞くにしてもいつ気付くか分からない。

 とりあえず、loinに書いておき探しに行くかと考えた時だ。

 ディダは自身の鼻で追えると言って来た。

「匂い覚えてるからどっち追う? ナイチンゲール? それとも冬美也君?」

「冬美也で、なんとなくアイツも大変だしなんか不安だし」

 多分、春日谷を連れて来るのは冬美也に違いない。

 納得した上で、ディダは坂本に言った。

「そうだね、それとあそこ、今後使いたいから修行場に!」

「絶対ダメ!」

 結局、許可は下りずだが、後でこっそりと行けば良いやと呟いていたのは内緒だ。

 

 この後はザフラとアミーナだけ迎えの車で帰り、他の女子達もマルスと坂本に連れられて帰るとの事。

 で、冬美也に会いに行くのはディダと光喜と一だ。

 マルスも女性陣達を送り届けたらすぐに向かうから会ったらすぐに連絡を寄越すように言われた。

「異世に行くメンバーと一緒とは」

 普段なら一も帰って仕事辺りしていそうなのに珍しい。

「まぁ良いやろ別に」

 しつこいとかは無く、なんか先ほどから素っ気なさを感じたが、あまり気にも止めなかったのに、ディダは目敏かった。

「なんか、マルスと何かあった?」

「いんや何にも」

 あまり気にして貰いたくない態度に、何か隠している様に見える。

 ディダは鼻を引くつかせ、こんな事を言う。

「……匂い」

「ひぃ!」

「僕、ただ匂いって言っただけで驚き過ぎじゃない? まぁ確かに冬美也君の匂い微かに一さんから感じるけどさ、さっきからずっと」

「なんでそんな青ざめるんです? こっち来る前に会ってきたとかは?」

 まあ、それも無いだろう。

 だって冬美也と離れたのは冬美也のバイト前なんだから。

「新撰組なんでしょ? もう少し誤魔化したら?」

 何を言っても通用しない。

「はぁ……どない説明しよ。後から説明しても良いか? 経緯を話すと長くなるから」

 一はとうとう折れたと言った感じだ。

「了解、もしかしてマルスにもやられた?」

「やられました! この義理親子が!」

 知りたい気もするが、こういうのはもう後でにして早めに会いに行きたい。

「まあまあ、俺はよく分かってないけど、とりあえず今回は冬美也に会った後大人だけで会話してください」

「だんだん知りたがり屋さんも大人になっていくんだね」

「誰のせいや誰の!」

 ただもう時間的にバイトも終わって、用事だって終わっているに違いないのだから自分の住むマンションに着くだろうと思っていた。

 ディダが鼻をひくつかせ、何かに気付く。

「今冬美也君と、理美ちゃんの匂いが近くにいるな? こんな時間帯はもう寮だって――」

 入院中を思い出し、光喜は焦り出す。

「おいおい、今の理美ちゃん精神おかしくなっているのにわざわざ会いに行ったんか?」

「やばいんじゃ、坂本さんの話だと春日谷がいる」

「ディダ神父どっちに⁉︎」

 他2人が焦ると1人は落ち着いたままの法則と呼ぶべきか、亀の甲より年のこうと呼ぶべきか、ディダは本当に冷静に指を指して言った。

「分かったから落ち着きなさい、そっちか……ら――⁉︎」

 直後だ。

 直後に振動と土煙が上がった。

 しかも今いると言われた場所にだ。

 皆一斉に走り出したが、流石ドラゴン、ディダはすぐに飛び出していつの間にか見えなくなってしまった。

 一方光喜と一も走るが、一は先程の影響もあり足がおぼつかない。

「やば、やばい、体りょ……おふっ‼︎」

 足を止めようとした一を土鬼が背に乗せてくれたのだ。

 光喜も乗り、一気にその場所へと向かった。


 ディダが向かった場所に行けば、泣き声が聞こえる。

 理美の声だ。

 土煙が消えていく所で詳細が見えて来た。

 理美が泣き崩れた所を見て気付いてしまう。

「冬美也……!」

 頭から血を流し動かなくなってしまった冬美也の姿があった。

 だが理美の所いる誰かが立っている。

「理美ちゃん逃げて!!」

 その声に気付いた理美は後ろを見た。

「えっ……嘘……そ――」

 何かを見て驚き戸惑う理美の顔に手が伸びる。

 

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