車中仮眠も程ほどに・・・
車でぶらり一人旅をしていた時の事
新潟県糸魚川市の国道8号線を富山方面に走行中、少し疲れた私は丁度良い駐車スペースを見つけたので仮眠をとることにしました。
右手には見下ろす感じで日本海、左手は2m位の壁?みたいなのがあって、その向こうはお山さんだった気がします。
朝早くに出かけたので、少し眠くなり そのままエンジンを切り、座席を倒して寝ていました。
しばらく寝ていましたが、目を覚ました時に誰かに肩を揉んでいてもらっていました。
(まだ夢の中なのかしら?)
そんな風に思ったものだから、このまま微睡んでいれば、まだまだ肩を揉んでいてもらえるやー!なんーんて思ったのです。
(そうそう、そこそこ、もう少し右!)
とか思ってれば、その通りに揉んでいってもらえます。
肩から腕をくまなく揉んでいただき、背中をグーって押してもらっていました。
(良い感じ良い感じ!)
なんて思っていたら、ちょっと強くなってきます。
(ん?んーー!?強い強い!! もういいよ!)
って、思ったのだけれど止まりません。
そのまま グーーッ!!って押され続けています。
まずいです、このままじゃ体が折れてしまいそう・・・って思ったときに、意識が覚醒しているのに気が付きました。
???
あれ? 夢だと思っていたのだけれど、目が覚めてしまっています。
じゃぁ今、背中を押してくれているのは誰なのでしょう?
慌てて目を開けましたら、異変に気が付きました。
体が、反っています。
座席に頭だけつけて、ブリッヂ状態です。
まずいまずい、また何かがやってきているのかしら?
度々こうゆう経験をしている私といたしましては、あまり慌てることも致しません。
背中がもうすぐ折れそうなのですが、痛いのを我慢しながら慌てずに不思議な呪文を唱えます。
『南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無・・』
どんな意味なのか分かりませんが、子供の頃からこの言葉に何度救われたかわかりません。
しばるくすると、体がもとに戻ってきます。
ようやく座席に体が、くっついて ホッ としますが、経験上ここで唱えるの止めると良からぬ事が起こりそうなので、気持ちが落ち着くまでは
『南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無・・』
これで大丈夫だと思ったのです。
気持ちも落ち着いたし、体ももとに戻りました。
とりあえず、車の座席をもとに戻しましまた。
一人旅の途中なのですが、後ろに誰かがいる気がします。
振り向きたいのですが、怖くて振り向けません。
このまま走り出すのは、もっと怖いですし・・・
確認するしかありません。
ギギギギギ・・・
音が鳴っているのか?って気分で振り向きました。
ホッ!!っとしたんです。
本当に!
何もいなかったのですから・・・
後ろを向きながら安心して、そろそろ出発しようと前を向いたその時です
ルームミラーに人の手がこれでもかっ!ってくらい写っていました。
ヒッ!ってなって慌てて後ろを見ましたが、何もありません。
そーーっと前を向いた時には、ルームミラーには何も写っていません。
気のせい?なぁーんて思った瞬間
車のガラス一面が無数の手で覆われました。
死にました私
あの一瞬で、心臓5回は止まっています
再び鼓動が開始した頃に、一心不乱で
『南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無・・』
これしかありません。
体感時間で30分は唱えていた気がします。
ようやく落ち着いて、目を開けてみます。
どうやら戻ってきたみたいです、日常に・・・
今までの私だったら、ここで慌てて車を発進させるところですが、少し成長しています。
車も運転できる年齢になっているのですから、成長しております。
とりあえず車から降りてみました。
まずは山の方を確認します。
心を落ち着けて、ジーと見つめます。
何も感じません・・・ならばと、道路をわたり海を見渡します。
こちらも特に感じません。
車に戻り、あたりをグルグル確認しますが、感じません。
ならばと、話しかけてみようと心の中でつぶやきます
(何か伝えたいことでもあるのかな?)・・・と
しばらくそんな事おもっていましたが、何もなさそうだったのでとりあえず
『南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無・・』
って、唱えておきました。
私はなんだか変なものを感じたり見たりする事が、たまーにあるのでこう思うようになったのです。
何か、伝えたいことがあるんじゃないのか?って
だからいつしか、話しかてみるようになったのですが、成功したことはありません。
今回も返事はもらえませんでしたが、しばらく日本海を眺め
ヨシッ!行くかって車のキーを回し走り出しました。
その時、頭に「ありがとう」って聞こえてきました。
何がありがとうなのかは、解らないけども
「どういたしまして」って走り出しました。