48話 鶴姫、また絡む
世楽が御前によってボコボコにされている丁度その頃。
部活の休憩時間に剣道着姿が自販機を目を細めて睨む累がいた。
お茶・黒い炭酸飲料・アクエ○アスのどれを買うか悩んでおり、それぞれを交互に見ながら必死に悩んでいた。お金はもう入れている。つまり、どれかを押せば買える状況だ。そこへ。
「累ちゃん。おっひさ~」
弾んだ声でそう言った鶴姫が、以前のように累の後ろから抱きついた。
「うっ、鶴姫先輩」
一瞬にして表情を強張らせて嫌そうにする累に、鶴姫は頬を膨らます。
「もう~。何でそんなに嫌って顔するの?」
「だって嫌ですもん」
即座にズバッと告げた累に更に頬を膨らました鶴姫は、やがてニヤリとした不適な笑みを浮かべると、前のように世楽の話を持ちかけた。
「最近どう?世楽君と進展あった?」
「………」
「……?」
黙り込む累に、鶴姫は思っていた反応と違い、素で首を傾げた。
「……いいですよ」
「……?」
「別に良いですよ。世楽と付き合おうとしても」
その言葉がまさか累の口から出るとは思わず、氷のように硬直してしまう。
「わ、私は………」
累は、一度言葉を詰まらせ、頬をほんの少しだけ赤くすると、堂々と宣言した。
「私は、世楽の事、す……大好きなので、鶴姫先輩が世楽と付き合おうが、私が先に取ります」
すると、累はバンッ!と力強く自販機を押した。その衝撃が自販機の中にあるダミーラベルを揺らす。
ガチャン!と落ちたカフェオレ(選択枠外)取ると、累はツンとした、それでいて誇っているような表情で、固まって唖然とする鶴姫に言った。
「じゃあ、私は部活に戻るので」
ただ立ち尽くす鶴姫は、歩き去って行く背中に視線を貼られるが、次第に下へ下がっていく。
(な、何よ。好きって。てか、大好きって認めた!?)
内心驚きをしつつも、鶴姫の心にはもう一つ感じるものがあった。
(じゃあ私が先に世楽君を取るわ)
からかえず悔しさから滲み出た謎の対抗心だ。
鶴姫はクルンと丸まった毛先を指でくるくる遊びながら、家へと帰っていった。
誰も好きになったことがない、ただ周りから可愛いと言われ続けた鶴姫の、世楽への攻撃が始まる瞬間であった。
大祝鶴姫
胸:Gカップ
身長:163cm
体重:??kg




