46話 ラッキースケベ!
「ぜ、世楽君!……その、これ。作りすぎたの。その、貰ってくれる?」
放課後。人気のない空き教室で顔を真っ赤にしてクッキーを世楽に突き出すクララは、作りすぎたと言う完璧な嘘を語った。
「え!?これクララが作ったの?」
まるで初めて見るかのような驚いた表情を浮かべて受け取った世楽は、ぱぁっと表情を輝かせると、直ぐさま開封し、口いっぱいに頬張った。
目をキュッと瞑って頭を下ろしていたクララは、受け取ってくれた世楽に安心感を抱き、その赤面した顔を上げると、目を点にする。
「ん~ん~ん~ん~!美味ッ!!」
クッキーが入っていた空の袋を握る世楽の絶賛する声に、クララは思わずきょとんとするが、ついには吹きだしてしまった。
「プフッ!」
「ん?」
「……ッ!?」
その反応に世楽はボーッとした顔を浮かべると、ハッとなったクララは恥ずかしさの余り口元を押さえて頬を染める。
ただ、クララは世楽に対する気まずさを抱いていなかった。もっと言うなら、居心地良く感じている。
「……その、美味しかった?」
「うん!また作って欲しい!」
「本当!?良かったぁ!」
喜色満面にぱぁっと表情を明るくさせて綻ばせるクララ。
それからほんの少しだけ会話を弾ませ。
「じゃあ帰るか」
「そうね」
そして歩き出そうとした時。
「あッ!?」
特に床が濡れていた訳でもなく、バナナの皮が落ちていた訳でもないのに、クララは足を滑らせてしまい、思わず世楽の腕を掴む。
だが、世楽はその引っ張られる勢いに負けて巻き添えをくらう。
むにゅッ。
「んあっ!?」
巻き添えをくらったにも関わらず、声を出したのはクララだった。それも色っぽい。
「んやッ!はぁんッ。あんっ」
その艶のあるピンク色の甘い声が止まらないのは言うまでもなく世楽の所為だろう。
手の平全体に感じる抱擁感がたまらなく気持ちよく、なにより触りたかったという欲をずっと抱いていた世楽はそれが叶い、現在揉みし抱いている。
「ちょッ、んはっ!世楽、くぅん。んやっ」
「あ、ごめん」
と言いつつ反省の顔は一切なく揉み続ける。
「んやッ、はぁ。あ、謝るなら、あん!手ぇ、とめ、てぇ、あん!」
真っ赤っかにして甘い嬌声を出すクララの言い分に、世楽は名残惜しそうに手を放す。
「つい触っちゃった」
てへぺろ的なのりでサラッと言うが、歴とした犯罪だ。
「はぁ、はぁ、はぁ」
胸を押さえて恥ずかしそうに甘い吐息を繰り返すクララは、世楽が差し伸べる手を握る。
握った事を確認した世楽は引き上げる。のだが、クララが思いのほか身体に力が入らずで、その勢いに引っ張られて世楽に覆い被さってしまう。
もみッ。
「んッ!?」
お尻からじわじわと広がる体験した事のない感覚に、ビクリと腰を震わせて目を見開く。
クララの下敷きになった世楽は上にあるはりのあるぷるんとしたお尻を鷲掴んで、揉みし抱いた。
「んあっ!?世楽君ッ!?また揉んでる!!あんっ、いや、ひゃうッ!?」
広げられたり、寄せられたりと回すように繰り返し揉みし抱かれ、キュッと足を閉じたくなるような感覚に背中を反ったクララは、更に恥ずかしそうに嬌声を漏らす。
「世楽、きゅん!?あ、あ、んやっ!んっ、あんっ」
目をキュッと伏せ、下唇を甘噛んで度々漏らす濃厚な吐息を目の前に、世楽はニヤリといやらし~表情を浮かべた。
もみッ!!
「んんんッ!?」
ビリリィ!とお尻に電気が走ったような激しい刺激に綺麗な黄色の瞳を大きく見せて、溢れ出る嬌声を必死に我慢したクララ。それに思わず見とれてしまう。
「あ、ごめん」
流石に今回はまずいと思ったのか、自分の身体の上でぷるぷる震えるクララにガチの謝罪をした世楽は、あまりの羞恥に涙を浮かべるクララを抱きながら状態を起こした。
つまり、世楽の膝の上にクララが跨がっている状態である。なんとも過激なッ!!
「う、うぅ~~//////」
世楽に促されるまま跨がった状態のクララは手で顔を覆って悶えるように唸り声を上げた。
「クララ?ごめん、やり過ぎた」
膝の上にあるふにふにな太ももの感触に視線が奪われそうになるのを必死に耐えながら再び謝罪をする。
世楽は本当に反省しているのか。
「う、うぅ~~。やり過ぎたじゃないよぉ。こんなのダメぇ」
肩を震わせて顔を伏せたクララのその顔に、男共は衝撃を食らうだろう。
真っ赤な顔で下唇を軽く噛んでほのかに頬を膨らまし、細めた目は上目遣いだった。
(やべぇ。可愛すぎるだろ。こんなん揉む一択しかないやん)
世楽は反省していなかった。
目を伏せたクララを見ると、緩みそうになる口元を必死に我慢して、自分の膝の上に乗ったふにふにでふっくらな太ももに手が伸びる。
こいつ、クソだ。
だが、そこで――――。




