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天上天下唯我独尊  作者: ひかりみ しあゆ
39/58

39話 準決勝進出

椅子に腰を落ち着かせた累は、防具を一旦外して汗を拭き取る。

「……ふぅ~」

お団子に結んだ髪を解いて水を喉へ流し込む累は、つい先程準決勝を勝ち進んだ。

他ではまだまだ試合が行われている中、累の試合では一瞬の出来事のように呆気なく終わっていた。それほど累も腕はあるのだ。

だが、もう一人、試合を終わらせていた選手が居た。

「よう累」

突然隣へ腰を下ろすその人は、挑発的な笑みを浮かべてそう言う。

「……なに?入鹿(いるか)

ひどく冷たい冷淡な口調。

「今年も決勝戦は俺達かな?」

「……知らないわ」

嫌がる仕草で顔を背ける累。

「それとも去年みたく選手として認められないか?」

その挑発する言い方に、累はギロリと睨み返す。

「ふっ。その怖い顔も後で泣き顔にしてやるよ」

鼻で笑って手を振る入鹿は、そう宣言して自分のベンチへ帰っていった。

去年みたく選手として認められない。入鹿が言ったこれは、去年、まだ累が一年生の時だ。

剣道の大会は女子の参加が認められない。だが、累はどうしてもと元就(校長)に頼み込んで、男装して参加させてもらった。だが、控え室で試合の順番を待っている時、間違えて入ってきた入鹿に女子だとバレてしまい、できる限りの口止めを要求した。そして試合が始まると同時に、入鹿は累が男装しているとバラして、選手として扱われなくなってしまった。だが、その時は元就が剣道の担当及び責任者であった為に、元就の無理難題で試合だけは続行となった。そして、それが原因である会議が行われ、女子の参加が今年から認められた。だが、女子の参加は累一人だけ。結局去年の優勝は入鹿だったが、累が負けた理由は単なるミスだ。床に(つまづ)いた事。それがなければほぼ互角に戦えていた。

去って行く入鹿の背中を睨み続ける累は、ゆっくりと深呼吸をして高ぶる色んな感情を落ち着かせると、胸の中で宣言する。

(今年は優勝する。絶対に優勝する)

本気の形相を浮かべて、累はもう一度口に水を流し込んだ。











名前:蘇我(そが)入鹿(いるか)

年齢:16歳(茶之橋(ちゃのばし)高校二年生)茶之橋高校=京都

好きな物・事:剣道 悪戯 抹茶

嫌いな物・事:常識のない外国人 読書

ちょこっと:悪戯好きです

風格:目=黄色 髪=金髪、四方八方ツンツン跳ねたショートカット

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