35話 お市のイケナイ秘密
※これは、まだ世楽が古本屋に行っている最中の話である。
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一人寂しくしょんぼりと肩を落として寮へ向かうお市。
流石に世楽の青春を奪う事をしたくなかったお市は世楽を気遣い、一緒に同行する事を止めた。偉い。
だが、それでも世楽への好き好きが収まることがないお市は、自分の部屋へ荷物を置いて、制服から和服へ着替えた瞬時に世楽の部屋へ飛び込んだ。
何度も言うと思うが、ホントにお市はどこでそんなに世楽を好きになったのか。不思議だ。
部屋の中心で、儀表と言っても過言ではないレベルの正座をするお市は、満足そうに、しかし寂寥感も漂わせるような表情で眺める。
今朝には部屋を片付けた。家具は極少数。寂しさの存在が激しく感じるが、お市はそこで、ある一点を集中的に見据えていた。
躊躇するような、それでも私欲を優先したいような目は、無駄に回りをキョロキョロと警戒しつつあちこちへ遊びに行っている。
「えいッ!」
とうとう私欲に支配されたお市は我慢出来ずに、なんと三分の一に畳まれた皺のある布団へ身を投げ出した。
ポフッ。
衝撃を和らげる布団に顔を埋めるお市は、ほんのりと頬を染めて鼻で大きく息を吸う。
「はぁ~」
(世楽様の匂い。良い匂い)
頭を愛撫される子猫のように目を細めるお市はニヘラと笑い、世楽の匂いを堪能した。
そして、この子のヤバいところがここらで爆発を遂げる。
上半身だけ布団に乗り、枕をギュ~ッと抱き締めて匂うお市は、顔を染めつつ妄想を始めた。
もしも世楽の彼女になったら。
ずっと一緒にくっついていたり、甘えたり、甘えられたり。
もしも世楽のお嫁さんになったら。
愛し愛され、世楽とあんな事やこんな事をずっとする。
そのモザイクが掛かりそうなピンク色の妄想を繰り広げるお市は、湧き上がる羞恥に更に顔を埋め、足をもじもじとし、腰をくねくね動かす。
それを数時間も行い―――――。
ガチャッ。
開扉する音が鳴った瞬間。
警戒心を緩め、堪能し尽くしているお市は一瞬にして私欲を飛び越えた焦燥感に、慌てて枕を放して、バレない程度に布団の皺を広げ、数時間乗ったせいでズレた位置を元に戻した。
そしてこれでもかと背筋の伸ばして平然を装ったお市は、数滴汗を垂らす。
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これがお市のイケナイ秘密。
なかなかの変態っぷりを見せつけてくれるお市。
男である世楽の変態っぷりはクソだが、超絶可愛いお市が好きな人だけに変態なのは素晴らしくイデアなものだ。
テキト-に書き始めていましたが、結構登場人物も気に入っていて個人的に面白い作品です。(突然申し訳ありません、失礼いたしました)




