17話 実技
「よし!今日は一限目から四限目まで実技を行う!怪我をする可能性もあるから、しっかり指示に従うように!」
実技室に政則の大声が木霊する。
「はーい」と生徒の返事が返ってきた事を確認すると、早速説明を始めた。
実技室。天華羽高校は四年制の高校であり、将来は大体がどこか将軍の下に就いたり、または自ら立ち上げる軍の長になるであろう者を、育成する学校である。勿論、普通に就職する者も当然居る。そして、実技室では、主に剣術や柔術、銃や槍、乗馬や鎧を纏う事に使用される。そして、実技室ではどんな大怪我をしても、その怪我は絶対に完全治癒される。
そして今日は、剣術の授業であった。
「と言う訳で、今日は二人ペアを作ってもらい、最後には二対二の試合をしてもらう。あと、簡易刀は使用禁止だから。よし!ではペアを作ってくれ!」
生徒は喋りながら二人ペアを作っていき、クラス人数は偶数だった四組は、世楽が入学してきた事によって奇数人数となった。で、必然的に世楽は余る訳で…………。
「先生!俺一人で良いからさぁ!二対一でも良いよ?」
肩を回しながら首を骨を鳴らす世楽の余裕の笑みに、政則は全力で受け入れる。
「大丈夫だ世楽君!俺がペアになってあげるよ!」
「いや俺の話聞いてた?一人でいいっつてんのに」
「いや駄目だ!ちゃんとペアでやることも大事な事なんだ!」
「教師とじゃ駄目だろ」
そうして、政則と組む事になった世楽は、面倒くさそうに肩をすくめて、政則は嬉しそうに気合いの入った握手をすると、生徒全員に木刀を配った。
「では!それぞれ練習開始!」
ピーーーッ!!と笛が甲高く鳴るのを同時に、生徒達はそれぞれ木刀を打ち合ったり回したりし始める。
「じゃあ世楽君!少し試合をしないかい?」
「は?」
「一対一だ。俺と世楽君で」
木刀を肩に担いで政則は楽しそうに世楽を誘う。
ニヤリと笑みを浮かべる世楽は、指の骨を鳴らして。
「いいねぇ。じゃあ俺が先生をボッコボコにしてやる」
ギシリと木刀を握ると、世楽は楽しそうな表情を作って、政則に期待を膨らませた。
名前:簡易刀
用途:天華羽高校同類の高校全校生徒に配られる刀の事。一人一本とし、常にポ
ケットに収められる仕組みとなっている。※5話(千代女)・10話(累)参照




