14話 俺の部屋!
キーンコーンカーンコーン…………。
学校全体がその音に包まれ、生徒達はそれを合図に背もたれにもたれ、大きなため息を天上向けて吐き出す。
終礼後、生徒達は雑然とそれぞれにばらけ、愉快な色に染まっている。
そして世楽は、大きな欠伸を呑気に繰り出し、賑わう廊下を歩いていた。
(はぁ。なんもする事がねぇ)
昼休み終了後、クラス委員長の山三からカ○リーメ○ト(チョコ味)を食べさせて貰い、上機嫌のまま五・六限目に出席した。部活はどこにも所属していなく、習い事は当然していない。
何もする事がない世楽はボーッと放課後の賑わう廊下を進み、やがてある事を思い出した。
「あ、そうだ!俺の部屋行こう!」
校長との会話を脳裏に映しながら、学生寮へ走って行く。
「えーっと、俺の部屋俺の部屋………」
校長から預かった部屋番号が記された紙切れを、扉に貼り付けられている番号と照らし合わせる。
「……違う。……違う。……違う。………ここだ!」
やっと見つけたと言わんばかりに瞳を大きくする世楽は、自分の部屋の扉の前に立つと、鼻の穴をかっぴらいて胸に期待を膨らませた。
ドアノブに手を掛け、ひねり、押して、静かに入室を果たすと、ガチャリと閉扉する。
「…………」
身を乗り出せる程の窓に、スイッチ式のLEDライト、風呂・トイレ付き、木材で出来た床、広さ七畳の部屋を眼前に、世楽は唖然とした。
そして、ガクッと膝を崩すと、世楽は拳を握って天上を仰いだ。
「ここが、俺の部屋。…………マジ最高!」
涙を流す世楽は、感動のあまり部屋の中心で大の字に仰臥した。
「よし!今年の目標決めた!嫁作って部屋に呼んでヤる!」
ニヤッと一人で気持ち悪い笑みを溢れ出す世楽のその目標は、一段階関係を飛ばしているし、何をヤるのか、そもそも学校の学生寮で変態思考をフル回転している世楽は本当にクソ野郎だ。それなのにイケメンで女子にモテるのは本当に妬ましく腹立たしい!クソがッ!
世楽はニヤニヤしたままどういう形でここへ呼ぶかシチュエーションを想像しており、時間が経った時にはよだれを垂らして爆睡へ突入していた。




