13話 まさかの真実
ドゴーーーン!!
金に輝く数々のトロフィーや、企業や求人票諸々様々な本がびっしりと並んでいる本棚が固まってある壁側が、壮大な爆発音と共に激しく弾け飛んだ。
「…………」
エグゼクティブディスクに両肘を突いて穏やかな表情を作っているその人は、その破壊された方へゆっくりと視線を流す。
「ああ!やっと見つけた!もうマジで学校広すぎ」
拳を振り抜いた姿勢で表情に花を咲かせた世楽は、パンパンと手を払って歩き出す。
「ホントマジで疲れたわぁ。俺まだ何も食べてないんだけど。要件は速く済ませてね、校長………って」
部屋の最奥に居座っている人にブツブツ言っていた世楽は、エグゼクティブディスクの椅子に座る人を見て、眉をしかめた。
「あんた、誰だ?」
澄んだ白色の瞳に、黒髪をワックスか何かで固めて掻き上げ額を見せているその人は、未だに穏やかな表情を作っていた。
「元就様よ、バカ」
ツンとした声音で姿勢良く背筋を伸ばす累は、呆れたように呟いた。
「はぁ?校長?これがぁ?嘘だぁ?じじぃだったじゃん」
指さして疑問を率直に表す世楽に、累は目を見開いて「こら!元就様に失礼でしょ!!」と声を小さくして説教を下す。
「いいよいいよ累君。それより世楽君。忘れるなんて酷いなぁ」
苦笑を浮かべて口を開く元就は、困惑を浮かべる世楽に視線を移す。
「はぁ?忘れるも何も前はハゲたじじぃだったじゃん」
「あれは偶然だよ。時々あんな格好をしなきゃいけない時があるからね」
何か訳ありな事を口にする元就は、納得した様子のない世楽に、お淑やかな笑いを零す。
「それより世楽君。昨日はどこに行ってたのかな?」
「昨日?ずっと路地で寝てた」
「路地?また何で?」
眉を上げて興味津々の様を見せる元就に、世楽は少しむしゃくしゃした様子で語る。
「だって俺どこに住めばいいか分かんねぇんだもん!あのばあちゃんマジで俺殺す気?」
熱情こめて言う世楽に、元就は思わず吹きだした。
「フハハ、世楽君、違うよ。君はここの寮で暮らすんだよ」
「………」
……………。
木魚を叩く音が聞こえてきそうなほど間が空き、刹那に世楽は瞳をキラキラと輝かせた。
「おいマジか!?俺学校に泊まっていいの!?」
エグゼクティブディスクに勢いよく手を叩き付けて身を乗り出す世楽に、元就は嬉しそうに向かい受ける。
「そうだよ?ちゃんと世楽君の部屋も用意している」
「マジかぁ~!!」
顎を斜めに傾けて理想の部屋を想像するかのような仕草で星々を顔に宿らせる世楽に、累は一言。
「何よ。ほんっとバカね」
自分の住む所が分からず路地に寝るのだ。そう言うのも無理もない。
「世楽君。今日はちゃんと寮に帰るんだよ?昨日は本当に探したからねぇ」
「いやごめんな、本当に。今日はしっかり帰って飯食って寝るよ!」
「うんうん。よし!じゃあ要件はこれだけだから帰っていいよ?」
元就は楽しそうに表情を緩ませながらゆっくりと手を振り見送ると、世楽は「はーい!」と元気な小学生の如く返事を返して、自分で空けた穴へ踵を返す。
「あ、あと世楽君。出入りはちゃんと扉からね?」
扉を指さす元就に、世楽は「アハハ」と乾いた笑い声を漏らして扉の方へ向かう。
「ん?今昼休みらしいけどさ。そう言えばこの前も累ここに居たよね?何してんの?」
すらりと伸びた綺麗な足を見ながら振り返った世楽の質問に、累は背を向けたまま素っ気なく返す。
「大会の話よ。世楽には関係ないわ」
「……そうか」
バタン。
世楽はハテナマークを浮かべて、追及せずに退出した。
「…………」
緘黙する累は、やはり少し怒りが見受けられる。だが…………。
「累君。やはり世楽君に見初めているのかな?」
「違いますッ!!断じてないです!!」
頬を赤く染めて否定する累は、恥ずかしそうに目を伏せて、拳を軽く握った。
名前:毛利元就
年齢:46歳(校長)
好きな物・事:紅茶 読書 京都観光
嫌いな物・事:雨 不必要な戦争 辛い物
ちょこっと:生徒・教師思いです
風格:目=白色 髪=黒、オールバック




