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天上天下唯我独尊  作者: ひかりみ しあゆ
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01話 天上天下唯我独尊

ドサッ。

雑然と集って建ち並ぶビルらを一望出来る大草原。

そこで、腰辺りまで背を伸ばした草へ背中からダイブした少年が居た。

両腕を枕代わりに後頭部に敷いて、足をくの字に広げて仰臥(ぎょうが)するその少年、絶咲世楽(たさかぜら)は、今日入学日である。―――――であるはずなのに………。

「何しよっかなぁ。暇だなぁ」

とつまらなそうな顔でそんな事をぼやいていた。

蒼穹に浮かぶ太陽は丁度真上を通り過ぎている刻限であるにも関わらず、入学日、つまり学校初日から呑気(のんき)にさぼっている。

学校指定の黒い制服ズボンに白いシャツ(シャツ出し)。その上から生地の薄い半袖のパーカーを羽織っている世楽は、憂鬱そうにため息を大きく吐いて、学校へ行こうと起き上がろうとした。その時。

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

雄叫びのような声が幾重にも重畳して重低音のように大地を揺らした。

その大勢の掛け声を紡ぐようにして、ドドドドドドドドッ!!っと重い足音がここら一帯を包み込む。

「ん?なんだ?」

胃が揺れる感覚に、どこぞの仮○ラ○ダーのように跳ね起きた世楽は、その音源に視線を送る。

そこには、左に黒旗に白線で描かれた織田木瓜(おだもっこう)。織田信長軍が。

そして右には、白旗に黒線で描かれた五七桐(ごしちきり)本願寺顕如(ほんがんじけんにょ)軍が居た。

「織田?……信長か。で、こっちは?………誰?」

目を凝らして対になる軍の交戦を観戦する世楽は、呆れたようにため息を吐くと、学校へと歩き出した。

「あ~あ、面倒くせぇ。巻き込まれる前に学校(がっこ)行こっと」

槍を突き出し、矢を放ち、刀を振るって殴り合う二つの勢力に、手をひらひらと振って立ち去る世楽。

そこへ。

ひゅんッ!

奇跡的に軍からはみ出して射抜かれたどちらかの矢が、空気に揺れながら瞬く間に世楽へ直進する。

パシッ!

背中に刺さるであろう(しな)る矢は、世楽が振り返ったと同時に綺麗に手の中に収まり、世楽は楽しそうに口で三日月を作った。

「ニヒッ。楽しそうにしやがって。俺も混ぜて欲しい、なっ!」

断末魔の悲鳴が幾重にも響く軍勢へ、ギシリと握った矢を、思いっっっ切りにぶん投げた。

矢じりが走る閃は、そこの空間を斬るように光を残す速度で突き進み―――――。

ドドドドドン!!

地面を抉り進んで、兵士を何十人も吹き飛ばさせた。巻き込まれた兵士もその光景を見ていた兵士も、何が起こったか分からずと混乱を見せている。

「あー。早く学校行こ」

真昼に言う言葉ではないセリフを口に、世楽は腰まで背を伸ばした草を踏みながら歩き去った。











名前:絶咲(たさか)世楽(ぜら)

年齢:16歳(高校一年生)

好きな物・事:女 オムライス 戦闘 サボる

嫌いな物・事:朝 野菜

ちょこっと:めちゃくちゃ変態です

風格:目=黒 髪=黒、毛先があちこち跳ねたショートカット

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