19 夢
我が家に到着、ですが、
到着直前に、せっかく繋いでいた手を離されちゃったのが、悲しい。
照れ顔、ごちそうさまです、ヴェルネッサさん。
そして、ただいま、みんな。
ミナモ、アイネさん、イヴさんと、順番に優しいハグ。
いつの間にかミナモも自分からハグしてくれる様になったんだな。
西方、誠に侮りがたし。
事の次第は、すでにリシェルさんから知らされていたようですし、
俺たちが戻る前に、ミナモからも詳しい事情を聞いていたみたいですね。
みんなの眼差し、何だか気恥ずかしいです。
うん、晩飯食って風呂に入って、さっさと寝よう。
その夜、
夢を、見ました。
黒髪長髪で幸薄そうな細身の娘さんから、
ぎゅっとされたり頭をぽんぽんされたりする、夢。
よく知ってる様な、初めてお会いする様な、
不思議な、人。
たぶん、人、だよな。
でもさ、あんなに哀しそうに笑う人、
知らないんだけどな、俺。
あとがき
リヴァイスという世界は、ひとりの少年がプレイしている仮想現実ゲームです。
彼は長い時間この世界を旅するうちに『鏡の賢者』と呼ばれる存在になりました。
お供のメイドさんは『伝説のメイド』と呼ばれております。
ここで暮らしている人々はいわゆるAIですが、それなりに大変なこの世界を楽しく生きているみたいです。
リヴァイスの物語は、そういう人々のあれやこれやを短編として紹介するものとなりそうです。
iPadのメモ帳につらつら溜め込んでいたショートストーリーや小ネタをひとつの世界にまとめようとしたら、こういう設定になりました。
整合性や何やらいろいろアレですが、お話しがまとまり次第投稿したいと思っております。
楽しんでいただけたら幸いです。




