18 後始末
その後、リシェルさんが来てくれて、諸々説明してくれました。
アレは広域指名手配のお尋ね者になっていたそうです。
強盗やら、辻斬りやら、内容もあれだけど、イタした数で刑が重くなっていたとか。
で、結構な額の討伐報酬は、判明している被害者の方々へ、って事にしました。
流石に貰えないですよ。
いくらアレのでも、ね。
リシェルさんがずっと涙目なので、
ちらりとヴェルネッサさんに目線を泳がして助け船を。
リシェルさんが泣きだしちゃうくらい優しいハグをありがとうございます、ヴェルネッサさん。
まだまだ修行不足の若造です、俺。
落ち着いたリシェルさんは司法官本部へ。
お騒がせした事をカミスさんたちに謝罪。
ありがとうございます、師匠。
この恩は、いつか必ず身体で返しますね。
『ゲートルーム』を使おうとした俺を、ヴェルネッサさんが呼び止めた。
ゆっくり歩いて帰りましょうって。
もちろん、仰せのままに。
ヴェルネッサさんとふたり、
無言でゆっくり歩む帰り道。
もちろん警戒は忘れずに。
途中でヴェルネッサさんが手を伸ばしてきたんで、
てっきり手を繋いでもらえるのかとワクワクしてたら、
腰の『ぶなしめじ』に触れて、
「シナギ様を御守りしていただきありがとうございます」って。
俺のドキドキを返してくれよ『ぶなしめじ』




