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11 会談


 エルサニア城へ向かうは、


 国家間の難題も一刀両断、特使勇者モノカさん、


 メネルカ最強の才媛にして今回の件の全権使者、ヴェルネッサさん、


 御存知、はぐれ元王女イヴラシュカ様ことイヴさん、


 そして、何故かこれらの件との関わりが深くなってしまった一介の用心棒こと、俺。


 どうか滞りなく事態が進展しますように……



 エルサニア城の謁見の間、


 では無くて、案内されたのはやたらと守りが堅そうな会議室。


 用意されていたテーブルに着いた一同、会談開始。


 肩肘張らずに、とのツァイシャ女王様の御言葉に、一同安堵。



 しかしフィルミオラ女王様からの書簡に目を通されたツァイシャ女王様、


 少し眉をひそめましたが……



「大使の派遣はメネルカ側からのみ、という事でしょうか」


 ツァイシャ女王様がヴェルネッサさんを見つめておられます。



「もちろん将来的にはエルサニアからも、ですが、メネルカの受け入れの準備が整うまで、今しばらくの御猶予を……」


 ヴェルネッサさんの真剣な眼差し。



「そのためのヴェルネッサさん、ですものね」

「期待しておりますよ」


 ツァイシャ女王様とヴェルネッサさん、見つめ合いながらにっこり。


 いろいろと似ていらっしゃるおふたりが微笑み合う姿、


 今ここでしか見ることが出来ない光景、まさに眼福。



「それでは、メネルカ魔導国の大使は、私、ヴェルネッサが務めさせていただきます」


 覚悟十分なヴェルネッサさん。




 会談は緊張感を保ちながらも和やかに進んでおりますが、


 えーと、ここまで来ておいて何ですが、ここに居る意味あるのかな、俺。



「本当はシナギ様にお願いしたかったのですが……」


 ヴェルネッサさん、突然何を?



「フィルミオラ様は、シナギ様とイヴラシュカが仲睦まじく手を取り合って、両国の架け橋と成ってくれるものと期待していたのですよ」


 無茶振りにも程がありますって。



「いかにイヴラシュカさんでもシナギさんの鋼の如き御心は如何ともし難し、だった様ですね」


 ツァイシャ女王様まで……



 つまりは、これぞまさに国家間の陰謀、


 カミス師匠とシェルカさんが巻き込まれたアレ、ですよ。


 危ない危ない、間一髪でしたね。


 己の精神を鍛えておく事の重要性、あらためて身に染みました。


 西方も北方も、誠に侮りがたし。




 イヴさんは、かつて見たことが無い程の、真剣にして神妙な表情。


 流石に針のむしろと言いますか、公開処刑と言いますか、


 こうまで言われ放題では、流石にキツいかと。


 後でフォローすべき、かな。



 まずはそんな感じで、第1回両国親善大使選定会議は終了。


 皆さん、お疲れ様でした。



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