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聖女の祈り  作者: K
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聖女の祈り ~伝承~

むかしむかし、とおいむかし。

世界中におおきな疫病が広まりました。

治療もくすりもみつからず、ただ死を待つしかない苦しい日々がつづいたのです。


人々は苦しみ、すがる思いで神さまに祈りました。


『 神様、たすけてください。どうか、この病をとめてください 』


その祈りに神さまはこたえ予言をのこしました。


『 聖女が祈りをささげれば、この病はとまるでしょう 』


神の予言に国中の人々が希望をみいだしました。

聖女はふしぎなチカラをもった奇跡の人。その証として体のどこかに花模様のアザがあると神さまは言いました。


あたたかい国からさむい国まで、人々は聖女を探しつづけました。

そして、ようやく聖女を見つけたのです。


聖女がいた国は、はるか遠い自然に囲まれたのどかな王国でした。

その地では疫病にかかった人はおらず、皆が豊かにくらしていたのです。


『 きっと、これは聖女さまの力にちがいない! 』


世界中の人々が、王国に聖女に祈りをささげてほしいと願い出ました。

そうすれば疫病はおさまり、世界は救われる。


多くの願いを聞いた、その国の王さまはこたえました。


『 聖女に祈りをささげさせることはできない 』


王国の王さまは人々の願いを断りました。

たとえ、どんな大国からのおねがいであろうとも願いをききいれることはしませんでした。


かたくなに聖女を出さない王さまにより、疫病はさらに沢山の人々を苦しめました。

そしてついに、とある国の王族たちが病にたおれてしまったのです。


王さまも王妃さまも、まだ幼い王子さまやお姫さまたちも疫病により亡くなってしまいました。

たった一人の王子様をのこして。


『もうだれも失いたくない!』


王子はこれ以上悲しみを繰り返さないために、王国に攻め入る決意をしました。

つもりにつもった思いに人々は王子に力を貸して、王国に押し寄せたのです。


聖女の力をひとりじめしていた悪い王さまをたおし、王子さまは閉じ込められていた聖女さまと出会います。

なんと聖女さまは幼い少女で、目もみえず話すことさえできなかったのです。

狭い部屋の中に閉じ込められていた哀れな聖女さま。悪しき王にその力を利用されていたのでしょう。


『もう大丈夫だよ、わたしといっしょに行こう』


王子さまは目の見えない聖女の手を引いて、じぶんの国へとかえりました。

そして、神さまの予言どおり聖女に祈りをささげてもらい、病はおさまり世界に平和がもどったのでした。



めでたしめでたし。


****


最後までお読みいただきありがとうございます。

数ある小説の中からこの小説をお読み頂き、とても嬉しいです。

少しでも本作品を面白いと思って頂ければブクマやコメントを頂けると大変活力となります(*'ω'*)

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