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第91話 到着ノーランド!

 途中に出てきた魔物は無事撃退出来た。ちょっとヒヤッとする場面はあったけどね。


 今回倒した魔物は素材として得られる物は特にないタイプだったから放置していくことになった。


 魔物は放置しておけば他の獣とかに食われるか自然と大地に溶け込むように消えていくからね。


「それにしてもフィアの魔法は威力高いよね」

「高すぎるんですよねぇ。フィア本人も威力の調整が苦手なので今回はそれに役立つ道具も手に入ればと思ってるのです」


 爆発の痕を見ながら呟いた僕にセレナが反応した。確かに前からフィアの魔法は威力が高い分使い所が難しい場面もあったんだよね。


「威力が高いことに越したことはなくない?」

「時と場合によるでしょう! もうフィアはちょっと大雑把が過ぎます」


 セレナが呆れ顔で答えていた。その後は歩みを再開させながらも雑談混じりに進んでいく。


「セレナは何か欲しい物あるの?」


 エクレアがセレナに問いかけた。フィアの目的はわかったけどね。セレナも何かあるのかなぁ?


「私はローブですね。基本サポートに回ることが多いですがそれでもいざという時のためにもう少し丈夫なのが欲しいです」


 なるほどね。ローブなら僕も新しいのが欲しいところなんだけど。


「そういえばノーランドは鉱山を抱えてるという話だったけどローブとかも作ってるの?」

「ノーランドの鉱山では柔石という特殊な鉱石が採れますからね。これを上手く加工すれば細くて強靭な金属の糸が出来るようでそれを加工してローブや軽装を作る職人もいるのです」


 セレナがエクレアの疑問に答えてくれた。エクレアも感心している。


「ノーランドの職人技術は本当に素晴らしいのですよ。たくましい肉体で生み出される品々の数々。まさに職人芸と言ってよく」

「えっと――」


 最初はセレナの説明に感心していたエクレアだけど段々と表情が強張ってきた。セレナの職人に関する説明は止まらない。


「はいストップストップ!」

「ハッ!?」


 フィアが熱く語り続けるセレナを止めた。我に返ったセレナが赤面する。



「セレナは職人とか大好きだから我を忘れることがあるのよね」

「うぅ……つい」


 セレナってそうだったんだ……パーティーを組んでた時にも僕は気が付かなかったよ。


 皆とそんな話をしながら歩いていたらいつの間にかノーランドの町が見えてきた。ここまできたら魔物の心配はもうないかな。


「Dランクの冒険者なのかい。皆若いのに凄いね」


 町の出入り口で門番の男性が感心してくれた。Dランクといってもどのぐらいで昇格できるかは幅がある。


 この反応を見ると僕達は年齢で言えば早い方なのかもしれないね。

 

 僕も水の力が前のままだったら確かにまだまだ昇格まで掛かるか、もしくはDランクになるのは無理だったかもしれない。


 門番の方は快く通してくれた。街の景色はウォルトに比べるとのんびりしている。

 

「長閑な街だねネロ」

「うん。そうだね」

「スピィ~♪」

 

 町中では牛が普通に歩いていた。逆に馬車はそんなに多くはないね。

 

「入口近くはそうだけどこの奥。坂を上がった先は雰囲気が変わるわよ。職人の町って感じでね」

「うぅ、ウズウズじますが先ずは依頼ですね」

 

 セレナが待ち遠しいのかムズムズしてるけど依頼をしっかり優先させる辺りは流石だね。


 というわけで僕たちは先ず届け先に向かうことにした――

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