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【WEB版】水魔法なんて使えないと追放されたけど、水が万能だと気がつき水の賢者と呼ばれるまでに成長しました~今更水不足と泣きついても簡単には譲れません~   作者: 空地 大乃
第六章 Cランク昇格試験に向けて

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第84話 決定した昇格試験参加

「そうだ! いよいよ昇格試験参加が決まったんだね。頑張ろうねネロ!」

「う、うん。でも今まで全然だったから急に昇格となると緊張しちゃうかも」

「ネロ。お前はもっと自信を持て」


 張り切るエクレアと話しているとサンダースからの指摘が入った。


「お前は黒い紋章持ちとも渡り合ったんだからな。これから目指すCランク冒険者でも、あの連中と戦える奴なんて殆どいねぇ。それぐらいの力はあるんだ。ただ一点欠点を上げるならお前のその自己評価の低さだ」


 ビシッと人差し指を突きつけられ断言された。う、それを言われると辛い。確かに僕にはそういうところがある。


「そうね。私もネロはもっと自信を持っていいと思う」


 エクレアもそう思ってたんだ。うぅ、そう考るとちょっと申し訳なく思います。


「あぁ。そういう点ではガイの図太さも多少は見習ってもいいだろう。もっとも傲慢になれって意味でもないがな。多少はそういうところもあった方がいいってことだ」


 ガイか。確かにガイの自信の強さは僕にはない長所だと思う。


「う~ん……多少は見習ってもいいけどネロがガイみたいになるのは違和感あるわね。というかイヤね!」

「スピィ~?」


 ただエクレアは完全にガイみたいになるのはイヤみたい。む、難しい。


「ま、そういう意味でも今回はいい機会かもな。そもそもガイ達が昇格試験に出る。それにどうやら今回のCランク試験は粒ぞろいとも聞いてるからな。ネロの実力は俺も買ってるが油断していたら落ちてもおかしくないぞ。それはエクレアもだ」


 僕だけじゃなくエクレアにも注意を呼びかける。親としてエクレアを気にかけているようだけど同時に冒険者としてもしっかり見ているんだね。


「だから、そうだな今回かなりの報酬が入るだろうからな。この際だから装備品もしっかり整えておけ」

「えぇこのハンマー気に入ってるんだけど」


 サンダースに言われエクレアが鉄槌を手に持ち少し寂しそうに語った。


「だが見る限りかなり傷んでるぞ。お前は雷の紋章持ちでもあるからな。普通の武器じゃどうしても疲弊が早い。後は防具もそろそろ考えておけ」

「防具……でも私動きやすいのがいいんだけど」

「それならそういう装備を選べって話だ。特殊な魔草を素材にした魔糸で縫った服とかな。その分値段は張るが今回の報酬があれば問題ないだろう」


 サンダースがエクレアの格好を見ながらアドバイスしていた。なるほどね……確かにここのところ激戦続きだったし装備の新調も考える時期なのかも。


「それならネロもだね」

「ネロか……ローブも大分傷んでるからそっちは間違いなく考えた方がいいが、杖がな」


 サンダースが顎を摩りながら指摘してきた。改めてみると確かにローブにも解れが見えるしそろそろ買い替えどきかなとは思う。


 だけど、確かに杖となるとね。


「杖に何かあるの?」


 エクレアが不思議そうに聞いてきた。


「うん。僕がいま使ってるのはダンジョン探索で手に入れた杖なんだけどね。そもそも水属性に最適な杖って店では扱ってないんだ」

「え? そうなの?」


 僕が答えるとエクレアが意外そうな顔を見せた。これって中々他の紋章持ちには理解しづらいことだと思うんだよね。


「あぁ。お前だってわかってるだろう? これまで水の紋章持ちは無能とされてきた。戦闘面では役に立てないがこれまでの常識だからな。だから敢えて水属性に最適な杖なんてどこも扱わないんだよ」


 そうなんだ。僕もこれを手に入れるまではただの木製の杖だったしね。それにこの杖だって折角手に入れても最初はそこまで効果は実感出来なかったぐらいだ。給水の時に水量が増えた気はしたけど。


 だけど今はこの杖のおかげで負担が軽くなってるのを感じる。正直現状でこれ以上の杖を見つけるのは難しいかもしれない。


「杖はこれでいくことになると思う。それに杖で直接戦うことはないから傷むこともないしね」

「あぁ確かに言われてみればそうね」


 僕とエクレアがそう話しているとサンダースの顔が一瞬曇ったようなそんな気がした。


「あのマスター何か問題が?」

「……いや、確かに今の状態じゃ仕方ないしな。まぁすぐにどうって話でもない。だがそれだっていずれは力不足を感じるようになるだろう。迷宮探索で新しいのを見つけるとか、まぁこれは運任せなところもあるがな」


 頭を擦りながらサンダースがそう教えてくれた。確かにこれも以前は迷宮で手に入れた。でも、そう上手くいくものでもないよね。


 とにかくしばらくはこの杖で頑張るしかないのは確かだろうね。


「ま、頑張れよ」

「はい。ありがとうございます!」

「私とネロは最強のコンビだから大船に乗ったつもりでいてねパパ!」

「スピィ~♪」

 

 こうして僕たちはサンダースの部屋から出て報酬を受け取るために受付に向かった――

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