表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

115/285

第113話 旧アクア鉱山探索⑦

 トロッコを上手く使って何とかあの怪物から逃れ身を隠した。蝙蝠みたいのは逆にあの大きな一つ目を頼りに周囲を観察してるようなので僕たちを発見できない。


 ここからどう動くか考える必要があるね。


「ネロってばどうしたのよ」

「もしかして危険な目にあってるのかも……」

「怪我でもしていたら大変です」


 声が近づいてきた。この声――皆、まさか僕を心配して!?


『キィキィキィ!』

「え? 何この蝙蝠みたいの?」

「魔物みたいね皆気をつけて!」

「気のせいか、なにかの合図を送ってるような……」


 三人があの蝙蝠に発見された! 不味いこのままじゃ!


『グォオォオォオォォオオオ!』

「え? なにあれ?」

「危険な匂いがします……」

「まさかネロってばあの怪物に――ちょ、ネロ大丈夫!」


 声を上げちゃ駄目だ。気づかれる。いや、もう遅い。あいつの走る音が聞こえ振動が響いてきた。


 なんとか足止めしないと! こうなったら!


「水魔法・酸泡水浮(さんほうすいう)!」


 トロッコから飛び出して魔法を行使。杖から放出された酸のシャボン玉があの怪物の進行上にばらまかれる。


 あれだけの再生能力を持つ怪物に効くかは正直微妙だ。だけど少しでも足止めできれば――


「スピィ!」

 

 するとスイムも燃える水を飛ばし地面にあたり炎の道が出来る。怪物も炎に呑まれた。


『グォオォォォオオオ!』


 良かった、酸と炎で少しは動きが鈍った。今のうちに皆に呼びかける。


「みんな気をつけて。そいつ目が見えない代わりに音に敏感だあの蝙蝠も協力して僕たちの位置を知らせてる」

「ネロ良かった! でもそういうことね! 任せて武芸・雷神槌(トールハンマー)!」


 エクレアが武芸を放った。あの一つ目の魔物を巻きこみ雷が落ちた。


「やったねエクレア! これで奴の目を完全に奪った」

「なら次は本体ね! 悪いけど強力なの一発いくよ爆魔法・紅蓮華!」


 フィアの魔法が炸裂。華が開いたかのような大爆発に怪物が巻き込まれた。


「凄い振動。これ洞窟大丈夫?」

「その時はその時よ!」


 セレナが不安そうにしていたけど、この状況で遠慮はしてられないとフィアは考えたようだ。


 幸い洞窟は無事だ。結構頑丈だね。だけど問題はあの怪物を倒せたかだけど――


『グォオオォォォォオオ!』

「スピィ!?」


 駄目だスイムも驚いているけど爆発して損傷した部位も再生してきている。


「セレナあいつアンデッドじゃない?」

「そう思って魔法をかけてみましたが駄目です通じません!」

「ただ再生能力が高いってこと?」


 セレナの魔法が通じればと僕も思ったけど、どうやらアンデッドではないみたいだ。


「どうしようネロ?」

「そんなの決まってるよここはやっぱり――逃げるが勝ち!」

「それがよさそうね!」

「今なら奥にいけますよ!」


 幸いエクレアが目になってる魔物を倒してくれた。だから僕たちは一目散にその場所を離れることにする。


「だけど――やっぱり体が大きい分迫るのが早い。それなら水魔法――水ノ鞭!」


 僕は現出させた鞭で壁をたたきながら逃げた。できるだけ音を分散させてあの怪物を撹乱する。


「なら私も、爆魔法――爆裂破!」


 フィアも一緒になって魔法を行使。僕たちの逃げるルートとは逸れた方を爆破させた。


『グ、グゥウゥオォオォ』

「やったあの怪物の足が止まった」


 うん。エクレアの言う通り音に惑わされて足が止まってくれた。よし今の内だ逃げよう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 音に敏感だあの蝙蝠も ↓ 音に敏感だ、あの蝙蝠も 音に敏感だ!あの蝙蝠も [一言] 爆魔法・紅蓮華!」 …どうしたって! 消せない夢も 止まれない今も 誰かのために強くなれるなら あり…
[気になる点] セレナにも事前注意されて 目が一つ足が六本の魔物たちが現れる区域までの道中で崩落状況まで見ているのに 自重せずその後も爆魔法を連発してパーティを崩落による全滅の危険に晒しつづけるフィア…
2022/08/07 00:25 ツユダク仙人
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ