7話 はじめのクエスト
大変遅くなりました!申し訳ございません。
グラジオが何とか頑張ってくれました…。
最後のほう急いだので誤字脱字などあるかもです。
今回はお待ちかねのクエスト受注回。やっと異世界要素が強めになってきました。
グラジオがお送りします!
「武器もそろったから、今日はギルドに行って依頼を受けよう。」
今日行かないと、明日のご飯はあるけどにも困ることになる。
「よっしゃ、ついに異世界転移の定番、クエストに行くのか。」
建治は嬉しそうだ。
まあ、こっちに来てからやったことって、料理したり畑作ったりばっかりで
異世界要素がスキルくらいしか無かったから、そういうのを期待していた建治にとっては
うれしいのかも。
「では、さっそくギルドに行ってみようか。」
「うん」
「おう」
僕たちは、各々武器を持ってギルドに来た。
来夢は魔法陣部屋の本棚にあった小冊子を持っている。
僕は弓矢に加えて腰には和泉守兼定、かばんには魔法陣部屋に落ちていたガイドブックを入れている。
このかばん、いくら物を入れても重くならないな。
サイズ的に持ち運べるものに限度はあるけど。
より高度な魔法の使い方が書いてあるらしい。
ギルドの中には、冒険者がたくさんいた。
朝にはみんなギルドに来るらしい。
ほとんどの人が僕たちより強そうな剣や盾、弓を持っている。
そして高価そう。
「狩寛、どの依頼を受けるの?」
「最初だし薬草採取とかでいいんじゃないかな。」
「それなら俺の【鑑定lv2】が役に立ちそうだな!」
そうか建治の【鑑定】を使えば、薬草の判別も楽になりそうだな。
「じゃあ、この回復草の採取範囲を聞いて来ようか。」
受付に向かい、受付嬢のセーラさんに薬草の採取はどこでできるのかを聞いてみた。
「回復草は東の森に多く生えていますよ。
他の薬草は受け取れませんので、間違えないように注意してください。」
東の森かぁ。
街の東側にある大きな森で、たまにモンスターなども出るらしい。
注意していかないと。
僕らはギルドを出た。
やわらかい春のにおいがする。
街の門を出てすぐの舗装された道からちょっとはずれて100mほど歩くと
東の森に到着する。
奥に進むにつれて険しくなっていくらしいけど、
今回はそんなに奥に行かないから大丈夫かな。
森の前で僕はガイドブックを開いた。
「回復草はその森に生えているホワイトオークの木の根元にあるらしい。
葉の部分しか使わないから、根は残しておこう。」
「はーい」
自然を壊さないためにも大切なことだ。
「回復草は葉脈が平行になっている青色の葉っぱなんだって。
同じ青い葉っぱでも葉脈が網のようになっているものは猛毒があるから注意が必要だよ。」
「こわいねー」
あんまり怖いと思ってなさそう…。
「気を付ける…」
建治が急に自信を無くし始めた。
「ま…まあ、建治は鑑定魔法使えるじゃん」
「そうだな。よし、じゃんじゃん鑑定するぞ。」
急に元気になったな。
感情の上がり下がりがかなり激しい…。
回復草の採取は、建治がメインになると思うから頑張ってもらいたい。
「じゃあ、僕たちは周りを警戒したりしてるから、建治は回復草を採集してくれる?」
「おう、任せとけ」
まだこの辺りは深くないし魔法の練習でもしてみようかな。
しかし、スキルって凄いな。
やったことがなくても自然と出来るようになっている。
「まずは水魔法をやってみよう。」
水球が出るように念じると目の前に、拳ぐらいの大きさの球が出現して、
体の中から何かが吸い取られたような気がした。
「なるほど、これでマナってやつが使われた感覚か。」
「見てみて~。」
来夢は、水球いくつか出してふよふよと動かしている。
「まだこっちに来てから1週間もたってないのに、もうそんなに使いこなせるのかぁ。」
「ふっふーん」
来夢は自慢げに胸を張る。
「こんなこともできるよ」
そう言うと水球をドリルのような形にして近くに生えていた木に放つと
木の表面が少し表面が削れた。
もうそんな威力に!
まずい、どんどんおいてかれている気がする。
僕もはやく攻撃手段を手に入れないと。
「ふぇ~、すごい。僕も向こうで弓の練習してくるね。」
「うん。頑張って~。」
周りを見渡すと、ちょうどいい感じの開けたスペースがある
「ここなら丁度良さそうだ」
僕の攻撃手段は近距離の刀と遠距離の弓の二つ。
元々弓道部だから弓の扱いには慣れている。
さらにスキル【弓術lv2】で強化されているはずだから、物理攻撃はこれで十分だろう。
「慣れない弓だけど大丈夫かな?」
そんな心配は必要なかった。
射ってみると、放たれた矢は木の真ん中に刺さった。
感覚的には大丈夫そうだ。
少し使えばすぐに慣れるだろう。
「よし!どんどん練習するぞ。」
そして、20本ほど射った頃
「ふぅ、だいぶ集中力を使うな。ん?あれは」
視線の先には、ウサギのような動物がいた。
確かあれは魔物に分類されていたはず。
初心者が最初に倒すのには持ってこいな、弱い魔物だったな。
しかも、今はちょうど餌を食べていて、こちらには気づいていない。
魔物との距離は約20m。
もし外して、相手が襲ってきても、刀があるから大丈夫だろう。
「やってみるか。」
矢筒から矢を引き抜き、弓につがえる。
そしてゆっくりと弦を引き、矢を放った。
果たして、僕の射った矢は一直線に魔物めがけて飛んでいくと、その腹に突き刺さった。
しかし、まだ生きているらしい。こちらを向いて走ってきた。
「もう一射。当たるかな…?」
すぐに2本目を弓につがえ、放ったが、何しろ魔物が走るスピードが速く、
矢は近くの茂みに飛び込んでいった。
まずいと思って、刀に左手を伸ばし、鍔を親指で押しかけたけど、
魔物は僕のところに来る前に力尽きた。
「良かったぁ。このまま突っ込んできていたらちょっと危なかったかも。」
倒せたことはよかったけど、この死体はどうしよう…。
魔物って食べれるのかなぁ?
「あれ?狩寛、何やってんの?」
後ろから話しかけられたので振り返ってみると建治が立っている。
「魔物を倒したんだけど、この先どう使用か悩んでるんだ。」
「ふむふむ。ならば俺の出番だな。その魔物の死体はどこにあるんだ?」
「そこにある。」
死体はさっきから僕の足元に落ちている。
何で気づかなかったんだろう…。
「ああ、そこにあったのか。」
と建治はつぶやくと、魔物の死体に近づき、それを拾い上げた。
「何をするの?」
「まぁ、そこで見てろって。スキル【解体】!」
建治がそう叫ぶと、魔物の死体は毛皮と肉、
おでこにちょこんと生えていたツノ、そして青っぽい透き通った石に解体された。
「ふぇっ⁉」
思わず変な声が出た。
「万能錬金ってそんなこともできちゃうんだ…。」
「うーむ、少し違うんだよな。
まぁ、長くなりそうだから時間があったときに詳しく話すよ。
薬草もかなり集まったからそろそろ切り上げないか?」
「そうだね。来夢は?」
「ここだよ」
来夢はすぐ後ろに立っていた。
びっくりした…。
「みんな集合したね。ギルドに報酬をもらいに行こうか。」
太陽はそろそろ南の空から下ろうとしている。
もと来た道を歩いて、ギルドに到着した。
今回の収穫は、回復草を合計125枚と、魔物の肉、毛皮、ツノ、そして魔物が落とした
「魔石」という石。
「わぁ、ずいぶんたくさん集めてきましたね!それでは、回復草の収穫クエストの報酬に、
魔物「ツノウサギ」討伐の報酬を加えて、銀貨2枚になります!」
セーラさんが笑顔で銀貨を二枚渡してきた。
思ったより少ないな…。
まあ、大したことはしていないから、しょうがないといえばしょうがない。
ちょっとずつ繰り返して、もうちょっと上のクエストも受けて、
安定した収入を得られるようにしよう。
「じゃあ、お家に帰ろうか。」
「うん」
「おう」
僕たちは、帰路についた。
街の門を出ると、太陽はさっきよりも西に傾いている。
帰ったら本でも読もうかな。
お読みいただきありがとうございました!
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次回は12/1(水)に投稿予定です。
もう12月ですね。
寒い日が多くなると思います。
お体にお気を付けください!
次回もよろしくお願いします!