15話 古代の遺跡 -1 街の異変
さあ、いよいよ1章最後にして最大の山場です!
もう書いてて楽しくなってきた。
ギンカガミがお送りします!
辺りはまばゆい光に包まれ、僕はまたもや目を閉じた。
目を開けると、もうそこに神様の姿はなかった。
「…朱い眼を持つ…グラジオラスか…。」
僕はそうつぶやいた。
…目は別に朱くはなかったけどな?
「とりあえず、いわれた通りに街に行ってみようか。」
「そうだね。」
歩き出そうとすると、ふと魔法陣の真ん中に目がいった。
さっきまで神様がいたそこには、1冊の本が落ちていた。
「なんだろうあれ?」
拾ってその古ぼけた表紙を見ると、「異世界について」と書いてある。
「あげる。読んで。」ときれいな文字で短く書かれたメモと一緒に。
「神様がくれたのかな?」
そういうことにして、バッグにしまう。
僕らは一回家に戻り、街へいった。
ーーー
街につくと、なんとなくいつもより活気がない。
閉まっている店もいつもより多い。
大変なことになっているとは言っていたけど、いったい何が?
とりあえずギルドに向かう。
「こんにちはー」
年季の入ったドアを開ける。
いつもならたくさんの冒険者でにぎわっているギルドだが、今日は冒険者はほとんどおらず、職員だけが気ぜわしく動いている。
「あっ!カリヒロさんにケンジさんにライムさん!」
セーラさんがこちらに気が付き持っていた荷物を置いてこちらに来てくれた。
「ごめんなさい、今日は依頼の受付はできないです〜。今とっても大変なんですよ…。」
「あ、そうなんですか。何が…」
そこまで言うと、奥から赤毛で高身長のイケメンが出てきた。
「誰か来たのか…ってなんだ、君たちか。」
「あっ、コウさん!」
コウ・ウミウノさん。この街の郊外に住む貴族の男性だ。
多分、すごくいい人だと思う。
そのコウさんがなぜギルドに?
「君たちも家にすぐ戻ったほうがいいぞ。今日は異例の定休だ。」
「何があったんですか?」
「実はな…森に封印されていたモンスターの封印が解けてしまったんだ。予定ではあと200年は持つ封印だったのだが…。」
それは大変だ。
神様が言っていたのはこのことか。
その時、ギルドのドアが開き、50代くらいの男性が入ってきた。
耳が尖っている。
「おお、トラウドさん!来てくれましたか!」
コウさんが歓待の声を上げる。
「封印が解けたんだって?」
その男性—トラウドさんが口を開いた。
重みがある声だ。
「あれはあと2、300年は大丈夫だと思っていたが…。」
「そうなんです。詳しい話は奥で。」
そういうとコウさんは、トラウドさんの前に立って奥に向かって歩き出した。
トラウドさんが僕らの横を通るとき、はたと立ち止まった。
「…君たちはエルフか?見た目は人間のようだが。」
「え、あ、はい。あ、いいえ、人間です。」
「…そうか。失礼したな。」
そういうと奥に歩いて行った。
なんだったんだろう?
「…疑似エルフのせいかな?」
来夢がぽつりと言った。
なるほど、疑似エルフの効果か何かをかぎ取ったのかな?
「あの人、多分エルフだよね」
「え、そうなの?」
「うん、多分。エルフは耳がとがっていて、とっても長生きなんだって。本に書いてあった。」
来夢は暇があれば大抵本を読んでいるので、僕らよりも知識が多い。
「同種族の勘みたいなやつかもな」
と建治も言った。
しばらくすると、ギルド職員たちが、やたらそわそわし始めた。
「どうしたんだ?」
と建治が首を傾げる。
ちょうどその時、コウさんとトラウドさんが奥の部屋から出てきた。
「帰ってきたか?」
コウさんがセーラさんに聞いた。
「いえ…まだ…」
「…そうか。」
そういうとコウさんは肩を落とした。
ふと、トラウドさんが何かに気が付いたように顔を上げた
「君たち、ランクは何だね?」
「ええっと、Eランクです。」
「…以前いつ更新した?」
「2か月くらい前ですかね。」
「ふむ…セーラ君、石板を持ってきてくれたまえ」
「えっ、あ、はい。」
そういうとセーラさんは奥に引っ込んで、あのステータスを測る石板を持ってきた。
「測ってみてくれ。」
そういわれたので僕らは一人ずつ石板に手をかざす。
判定結果を僕らが見る前に次の測定を始めることから、事態の緊急性がなんとなくわかる。
そして、何を考えているのかも。
セーラさんの顔は、僕らが手をかざすごとに驚きの表情を浮かぶ。
「す…すごい。3人とも確実にBランクレベルですよ…!2か月で…なんでこんなに…!」
その言葉に僕らは曖昧な笑みを浮かべ「ははは」と力なく笑う。
「セーラ、この3人のBランクへの昇格手続きをとってくれ。今すぐにだ。」
結果をのぞき込んだコウさんが言った。
「えっ、けど、昇格試験は…」
「何とかする。それよりもこっちのほうが重要だ。」
「はっ、はい。では、いったんギルドカードをお預かりします。」
セーラさんは僕らからカードを受け取ると、カウンターへ向かった。
「さて、Bランクになった君たちに協力してもらいたいことがある。もちろん、断ってくれてもいい。」
「は、はあ。」
「単刀直入に言う。封印が解けてしまったモンスター、『レジェンドオーガ』を倒してほしい。この街にいるBランク以上の冒険者はもう君たちしかいないんだ。勿論、報酬も出す。奴がここまで来てしまったら、この街はひとたまりもないだろう。奴はもはや災害級だ。」
正直、命の危険もあるから怖い。
けど、だからと言って僕らがここで断ったら、さらに被害が大きくなることは確実だ。
ならば、出来る事をやってみたほうがいいんじゃないか?
建治と来夢を見ると、二人は僕の目をしっかり見てうなずいた。
やろう。やってみよう。
この街を見捨てる事なんてできない。
「やります。」
コウさんは、すぐには言葉を発さなかった。
ただ、僕らの目をまっすぐに見つめた。
そしてゆっくりと、言った。
「ありがとう。」
「ギルドカード出来ました!」
カウンターからセーラさんが僕らの新しいギルドカードを持ってきた。
僕らはカードを受け取り、再びコウさんのほうに向き直った。
「それで、場所は?」
建治が言った。
「東の森に、洞窟がある。その中だ。案内をつけよう。準備ができ次第、すぐに出発してくれ。」
「はい。」
ギルドを出ようとしたとき、ドラウドさんが小さな声でぽつりと言った。
「この子たちが、そうなんだな。」
僕らはいったん家に戻り、ポーションや矢などを補充する。
「こっちに来てから初めての大仕事だな。」
と建治は言った。その顔はどこかうれしそうでもある。
「この3人なら、なんでもできる気がするんだ、俺。なんだかわかんねぇけど。」
「同感」
来夢も言った。
僕も同感だ。
「絶対、やり遂げよう。」
「おう」
「うん」
まとめた荷物を持ち、再び街へと向かう。
ギルドに行く途中、ムキムキの本屋の店長、つまり建治の師匠と会った。
「レジェンドオークを倒しに行くんだってな。」
「はい。」
「建治、これをやる。」
そういうと店長は、建治に一振りの剣を渡した。
「俺が昔使っていた剣だ。古いが、よく切れる。」
「えっ、師匠、けど…」
「いいから持っていけ。」
店長は一呼吸おいてまた口を開いた。
「信じてるぞ。」
その言葉に、建治は力強く頷いた。
「さあ、行こうか。」
お読みいただきありがとうございました!
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次回は2/6(日)に投稿予定です。
1月もう終わるのか…(´-ω-`)ハヤイネー
次回もよろしくお願いします!




