1話 手違い転移
本日から基本的に週一回の投稿で書いていきます!
グラジオとギンカガミの二人でやっていく合作用サークルアカウントです。
初めてですので暖かく見守って下さるとうれしいです!
本日はグラジオがお送りします!
周りは何もない真っ白な空間。
「ここは…どこ?」
さっきまで3人で下校していたんだけどな…。
隣には建治と来夢もいる。
「さぁな。急に地面が裂けたのは覚えてるんだが。」
建治は混乱しているようだ。そして、僕も当然混乱している。
どうしてこうなった?
「どこー?ここ。」
ワンテンポ遅れて来夢が会話に交じってくる。緊張感のない、いつもの声だ。
「ここは天界だよ。」
急にどこからか声がした。驚いて周りを見ると僕たちより年下の男の子がいた。
「だ、誰…?」
「僕はねぇ…君たちからしたら神みたいな感じかなー。」
「か、神?」
こんなちっちゃい子が?なんかもっとおじいさんとかのイメージがあるんだけど…。
「本来、君たちは死ぬ運命じゃなかったんだ。だけど君たちの世界を調整してたらミスっちゃって君たちが死んじゃったんだ。ごめんね。」
まさか地面が裂けたのが神さまのせいだったとは。というか、ミスするなよ。
人が3人も死んだっていうのにずいぶん軽いし…。
「それで俺たちはこれからどうなるんだよ」
建治は完全に怒っている。あたりまえだ。だって死んじゃったんだもん。
「えーと、君たちにはこれから別の世界に行ってもらう。文明は古い感じで魔物がいたりダンジョンがあったりする世界だよ。」
うーん、安心感がまったくない。
「そんなところに行ったら、すぐに死んじまうよ。」
僕も建治に同感だ。魔物とかがいたらまともな生活が出来る気がしない。
「大丈夫。君たちの欲しいものや好きな能力を授けよう。」
え、そんなことできるの?さすが神様だな。
「おぉ~!」
建治は数秒前とは打って変わって目を輝かせている。そんなにすぐ意見変わる?
単純過ぎるよ。
「えーっとねぇ…俺は物を作れる能力が欲しいかな。」
さっそく建治の要望。ざっくりしてるな。そんなんでいいの?
「おーけー。建治君には物が簡単に作れる能力をあげるねー」
こっちも結構雑だった。
「私はよくわかんないなぁ。」
うん。僕もよくわからない。というか、まだ納得いかない。
だけど、もうこうなってしまったからにはしょうがない。別の世界に行くしかないんだったらそっちでゆっくり暮らすか。
「じゃあ、この中から選んでみて。」
神様が僕に分厚い辞書のような本を差し出した。
表紙には「職業・スキル図鑑」と書いてある。なんか小学生とかが読んでそうな本だな…。
けど、新しい世界で生きていくうえでどんな職業があるのかわかるのはまあありがたい。
さっそく読んでみよう。
「ふむふむ。賢者、剣士、魔術師、勇者ってのも職業なんだ。」
結構いろいろ書いてある。
「じゃあ私、なんかいろいろできそうだから魔術師になる―。」
うん、決め方が雑。
「おっけー。ただの魔術師じゃつまらないから属性全部あげちゃうねー。」
うん、もう分かってたけど雑。さらっとチートつけてきた。
「で、狩寛君はどうするの?」
あ、そうか。僕も決めないといけないんだった。えーと、どうしようかな。
「狩寛は弓道やってるから、狩りとか向いてそう。」
あ、確かに。ナイス来夢。
「じゃあ僕は狩人にします。」
「了解~。じゃあ、狩りを手伝ってくれる召喚獣もつけとくねー。」
この神様、やたらチート能力っぽいものつけてくるな…。
「んで、どんな所に住みたい?せっかくだから家もあげる。」
気前がいいというか、適当というか…。
「2人はどんなところがいい?」
「人が少ないところ。」
来夢が即答した。え、なんで?来夢は人見知りでもなくない?
「なんか税金とか面倒そう。」
あー、納得。急に現実的になったな…。
「海が近いと釣りとかできそうだな。」
たしかに。建治、ナイスアイディア。
「じゃあ島とかがいいかな?」
「そうそう、そんな感じがいい。」
よし、まとまったな。
「じゃあ、人がいない孤島にお願いします。」
「おっけー。じゃあ、時間も押してるから新しい世界に飛ばすね。
ステータスとかの確認は向こうでお願い。それでは、行ってらっしゃーい‼」
えっ!まだ聞きたいことがあったのに。
「待って、もう少し…」
続きを言おうとしたら、急に足元に魔方陣が出現した。
「向こうの常識とかは記憶の中に入れとくね」
その言葉は僕に言われた気がした。
お読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!