10話 頼れるヤツ(後編)
いらっしゃいませ!
待望(?)の後編です。
ギンカガミがお送りします!
3匹をなでていると、遠くで木が動いたように見えた。
なんだあれ…?
ちょっと近づいてみてみよう。
サクリと土を踏んで一歩踏み出すと、それはこちらを向いた。
鋭い牙が2本、鼻の先にツノが一本。
目はらんらんと光っている。
振り向いたことで見えやすくなった身体は完全にイノシシのそれだ。
…非常にまずい。
僕はくるりと後ろを向くと、だっと駆け出した。
「逃げるぞ、シロ、カミ、ルプ!」
こういう時は逃げるが勝ちだ。
…まあ、逃げ切れればの話だけど。
当然ながら、そのイノシシは追ってきた。
とんでもなく早い。あっという間に感覚が詰まっていく。
かなり怒っているらしい。
全力で走っていたが、あっという間に追いつかれた。
イノシシは僕の後ろに来ると、さらにスピードを上げた。
「あっぶな!」
間一髪突進攻撃をよけた。イノシシはそのまま突進すると、立っていた気に激突した。
ぶつかられた木は、めきめきと音を立てて倒れた。
とんでもない破壊力だ。
それでもイノシシは平然としている。
こっちを向いて、前足で土をけり始めた。
まずい。次もよけられるかはわからない。
刀でも、一撃で倒すのは難しいだろう。
弓は撃つまでに時間がかかる上に、至近距離では射ちづらい。
残るは魔法だけど、僕の魔法はまだ攻撃力は高くない。
まさに絶体絶命。
その時だった。
僕の後ろから、カミが飛び出すと、イノシシにとびかかっていった。
それに続いて、シロ、ルプもイノシシに飛びつき、攻撃をし始めた。
イノシシは走ったことで体力を使ったのか、思うように反撃できていない。
しばらく攻撃を続けると、3匹のオオカミたちはさっと身を引いた。
イノシシから光が出ている。
みるみるうちに、イノシシの身体が大きくなりり、最後には大きくなる前の1.5倍ほどの大きさになった。
そのまま突進の準備を始めている。
まずい。と思った瞬間、イノシシがこちらに向かって突っ込んできた。
やるしかない。
僕は刀の柄に手をかけると、鯉口を切り、自分でも驚くほどのスピードで、刀を抜き放った。
気が付くと、目の前には両断されたイノシシが転がっている。
僕の右手には、和泉守兼定。
どうやら助かった。勝てたようだ。
よかったぁぁぁ。
思わずその場にへたり込んだ。
3匹のオオカミたちが寄ってきた。
僕をぺろりと舐めてくれた。
「ありがとう。」
いったん家に戻り、建治にイノシシを解体してもらうと、毛皮と肉、それに牙とツノ、
魔石が3つ出てきた。
肉がたくさんとれたので、半分は自分たちで食べるとして、残りは肉屋に売りに行った。
イノシシ(ミツツノイノシシという種類だったようだ)のツノを売ったお金と、魔石をギルドに提出したお金を合わせて、金貨2枚。
まずまずの結果だ。
技術をもっと磨いて行かないとな。
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