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第3章 その10 その路地での異変と懐かしき言葉

そういえば、この子の年齢を決めたのはこのエピソード作った後なんですよね汗。

名前も候補の中からではなく。愛称の方が先に出来たキャラです(笑)。




イレースさん達と別れて、南西方向へ歩いていく。といっても、ほぼギルド近くまでは一緒だったりする。途中で大きな屋敷が横目に見える。そういえばセレナは元気に学校へ通っているのだろうか。登録、職授の儀以来、会ってはいないが何度か手紙がギルドへ届いていた。

今度、上級の学校への試験があるとか書いてあった気がするが、どうだったのだろう。駄目だったとしても彼女には商会の後継ぎ…いや弟が産まれたとか書いてあったから…いかん、偶々屋敷が目に入ったからといって、久々に会ってみたいと思ってしまうとは。弱っている場合じゃないのだが。


「では此処を左に進んだ先にギルドがありますので。私達は馴染みの武器屋へ行ってから、ギルドへ向かいますから」

「うん、ありがとう。じゃあ、後でね」


イレースさん達は軽く会釈をしてギルドへ歩いて行った。多少見送った後、私達はヴァルドゥさんの武器屋を目指す。


「私達も行くか」

「もう一本同じ(・・)のあるかな?」

「どうだろう。殆ど、刀ってこの街で見た事無いからなぁ。無かったら片刃の直剣で我慢してくれよ」

「えぇ〜、感覚が狂っちゃうよ〜」


確かに月狼(つきおか)流の才能は双剣術だから同じ武器が良いだろうけど、こればかりは運だろうからなぁ。量産品なら同じものもあるだろうけど、今ルナマリアが帯剣しているのはヴァルドゥさんの作品だから…どれだけお金が掛かるか全く分からない。私が…SP値が多く稼げたら出来なくもないだろう。服や靴などはお手製ばかりだし、作る…創る事もいずれはやりたいと思っている。どうするにも、やはりお金を稼ぐのが必須なのは言うまでもない事。まだ自分で稼いで貯めたのは白金貨一枚ちょっと。ブーツ作りも悪くないんだが、大量に作れる訳じゃないから大きく稼げない。うーん。ん?


もう少しでヴァルドゥさんのお店に着く、という時に目に移る地図にノイズが走る。何だ?立ち止まって注視していると、青黒い欠片みたいなものが浮かび其処から生命反応の光点が出てきた様に見える。青黒い欠片は直ぐに消えてしまった。考えられるのは転移系か何かだろうか。まぁ、私に対して敵性ではない緑の光点に変わったので気にする事もないだろう。

ヴァルドゥさんのお店に到着した瞬間、叫び声が聞こえた。其れも前世での言の葉の響き。ルナマリアも聴こえた様で、頭のみたいな耳が左右に動き警戒態勢を取る。地図を見ると、先程の光点とは別に光点が三つ。距離は十メル程度。直ぐそこの路地裏かよ。無視…は出来ないよなぁ。


「ルナマリア、行くぞ」

「うん!助けなきゃ!」


二人で駆け付けると、肩に担がれた女性と三人の冒険者風が。詳細解析するまでもなく、所謂チンピラ程度。大きく溜息を吐いてから、


「今、助けるよ」


と、ニホン語で女性に告げてから、ルナマリアには反対側に回り込む様に指示を出す。


「なんだぁ?、餓鬼じゃねーか。驚かせんなよ」

「餓鬼は母ちゃんの、おっぱいでも吸ってろや!」

「ぎゃははは!それとも迷子じゃねーの?コイツも攫っとくか?」


はぁー。聞くに耐えない雑言は無視だ。ルナマリアが背後に着いた事にも気付かない奴等に負ける気がしない。ゆっくりと背中のランドセル横に付けている短剣を抜く。


冷静な自分が、なんて小っ恥ずかしい事をしてるのかって思ってしまう。

前世の子供の頃に見た、ロボット兵器がビーム剣を抜くのを格好良いと思って、ランドセルの横に付けたリコーダーを抜く姿を思い出してしまった。

仕方ないんだ、身長が低いが為の苦肉の策なんだと自身に言い訳をして恥ずかしい思いを搔き消す。


「おいおい、餓鬼が一丁前に剣を抜きやがったぜ」

「ほー良さ気なもんじゃねーか」

「餓鬼が持つにゃ勿体ねぇ。俺らが…」


餓鬼餓鬼、五月蝿いわ!アッタマ来た!さっさと片付ける。野盗だけなら斬り殺す処だが、助けなきゃいけない女性もいるし街中で殺傷沙汰は騒ぎが大きくなりかねない。


『気絶させるだけにしてくれ』


ルナマリアにそう念話で告げた後、一瞬で女性を抱えた男に肉薄しお腹に剣の腹で一撃、抱えた方とは逆の首にも一撃与えると簡単に崩れ落ちる男。残りの二人もルナマリアが昏倒させた。



女性は建物の壁際で、膝を抱えて震えている。その間にロープを使って三人の誘拐未遂犯を縛っていく。ルナマリア一人でも連れて行けるようにした後に、改めて女性に向き直る。


「大丈夫だった?」


ニホン語で語り掛けると、ハッとした表情で這い寄ってきて「こ、怖かった、怖かったよ〜」と言って抱き締めてくる。これは未だ十代かもと思いながら、背中を撫でて落ち着かせてあげる。

見た目は黒髪、セミロング。綺麗目にも思うが、幼さも内在している顔。身長は百六十くらい。スタイルも割と平均並みなCカップ。着ている服装が派手な青ラメの入ったドレスに淡いピンク色の毛皮のファー。爪も綺麗に磨かれている事からお水系のお仕事かな。

このままだと目立つから、エミーが持っていた暗めのグレー色のコートをランドセルから出して肩に掛けてあげた。


「ありがとう」


取り敢えず上衣は良いが、足元は悪過ぎる。なにせピンヒールはこの世界では有り得ない。余ったブーツを手渡して履き替えて貰う。


「少しは気付いているかもしれないけど、此処は異世界だから。ニホン語は基本通じないからね」

「…えっ?でも貴方は喋っているじゃない。実はドッキリとか?」

「ドッキリって…。もしそうなら、君にとっては良かったかもね」

「何処かにカメラとかあるんでしょ?貴方もランドセル背負ってるし」


どうしてもランドセルに見えるのか。もうこの魔法鞄のディテールには諦めよう。背の低い私が背負っているから余計にかもしれないが。ちょっと苛立ちも込めて、女性にこの後の事を話す。


「カメラなんてないよ。兎に角、此奴等を衛兵所へ連れて行かなきゃいけないし事情説明もしなきゃいけない。そして君はこの世界の言葉を喋れない。ニホン語なんて下手に喋ってたら、不審者扱いされてまた大変な目に合うかもしれない。だから、何も喋らない(・・・・)でね」


素早く何度も頷く女性。そういや名前聞いてないな。


「そういえば自己紹介してなかったね。私の名前はアルフ、コッチはルナマリアね」

「はっ、はい、私は平日好子(ひらびこのこ)と言います。コッコとかココちゃんとか呼ばれたりします」


『ヒラビ』って…ニホンでも中々聞かない名字だな。まぁ、この世界に来てしまった時点で、大した事ではないが。『コノコ』って名前も呼び辛い。だからあだ名呼び…仕方ないところか。


「じゃあ、ココって呼ばせて貰うね。あ〜後、何かあれば念話で会話するから宜しくね」

「はい、お願いしま…ネンワ?」

『こうやって頭の中へ直接、会話する事だよ』

「え?…やだなぁ、腹話術ですか〜もう」


あ〜普通は直ぐに理解出来ないよなぁ。ルナマリアも最初は戸惑っていたし。まぁ、追々だろう。


『と・に・か・く、安全が確保される場所…私が良いって言うまで直接は喋らないで。解った?』

「はい、努力し…」


ちょっと『威圧』を込めながら口下に、しーっと指を立ててジェスチャーをする。はぁ、普段からあんまり人様に強く言うのって苦手だから疲れるよ、とほほん。





読んで頂いた方々に感謝を。

現在、年末年始分などを書いていますが…クリスマスが間に合わないと思われ。

年始に閑話としてお届けしたいと思っております。


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