第3章 その1 その森を出る
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ボルゾン達の火葬が終わって家に帰ると、バタンキューだった。後になって考えてみるに、あんな死亡遊戯なぞ出来るだけ避けたい。酷い疲れだったのだ。完全に起きたのはお昼頃。ルナマリアも爆睡して…いや裸で寝てるなよ。見慣れてるから良いけど、世間様的には見せられないぞ。
「ルナマリア、起きろ」
「アゥーン、クワァウン」
身体を揺すりながら声掛けするが、起きる様子がない。てか人化してるのに寝言?は狼語?なのか?よく判らん状況だなぁ。とりあえず下着くらい着せるか?脚を持ち上げたり、足先を通そうと色々やってみるが上手く行かない。寝てるのに嫌々動くなよ。ん〜何か良い方法ないものか。
ふと魔法鞄に下着を入れる。そして出す位置をルナマリアの胸と股間部分に指定する様なイメージで出してみると上手く着せる事に成功した。良し、コレが出来るなら、ポーチに付与すれば早着替えも出来そうだ。まぁ『付与』の才能を試してないから、確実とは言えないが。
◇
その後、起きたルナマリアと一緒に家の中の物を片付けていく。と言っても『容量∞』の魔法鞄に入れるだけの簡単作業ではあるが。この魔法鞄は此方の世界に来て何故か名称が無かったのだが、私が背負うとルナマリアが「ランドセルみたいだね」って発言した後に確定してしまった。ランドセルではないのだが…鏡で背負った自分を見ると、小学生かっ!て思って納得してしまった。デザインはランドセルよりも格好良く作った筈なのだが。
◇
三日後、家の中の荷物を整理し終わる。ルナマリアの首輪…チョーカーも新しく作り直して付けてやる。ベルトの調整機構と、ポーチ…元煙草ケースなのだが、何故かポーチ(小)という名称になっていた…の表にゴブリンマジシャンの魔石を加工付与したものを取り付け、ポーチ内の物を指定して所持者の任意で取り出し収納出来る様にしておいた。所謂、魔法少女が変身するかの様に。コレで銀狼から人に変現しても、裸という事にはならない様に。ルナマリアに変現と解除を何回か試してもらうと、上手く装備と収納が機能してくれた。『付与』って便利だね。これは良い才能をゲット出来たよ。副業にも付与士をセットしておこう。
それにしても『月狼変現』も良い才能だと思ってしまうのは、現在の身長の低さからだろう。未だに小学生未満なこの身体は…いや前世でも生きていくには辛過ぎる。せめて百五十セメル、出来れば百七十セメル以上は…イカン、ネガティブ過ぎる。まだ十三歳なんだ、成長期はきっと来る筈だ。そう信じて頑張ろう。なにを?
◇
家の中に何も無くなり広くなったところで、ランドセルからエミーとオズの死体をリビングに寝かす。見てるとまたウルっと来てしまいかねないので、直ぐにルナマリアと共に家を出る。昨日の朝に家の周りに植えておいた苗木の元に。うん、しっかりと根付きそうなくらい元気がありそうだ。これなら、森林魔法でイケそうだ。
「『大樹墓守』」
ログハウスだった我が家に、苗木だったものが徐々に巻き付く様に大きな大樹へと変わっていく。十メルくらい迄成長したところで魔力を止めた。というより魔力枯渇しかけたわ、才能レベル上げてて良かった。
火葬ではなく木葬という形にはなったが、普通にお墓を作るよりもこの方が二人が常に一緒になれる気がして考えたことだったのだが、上手くいって良かった。一ミネルほどその樹を眺めてから…
「行ってきます」
ルナマリアを連れて家だった樹を離れて森を南下する。徒歩だからべナールまで一週間は掛かるかもしれないな。まぁ、のんびり行くのもいいか。どうせ途中でゴブリンやウルフ系とか狩れるから稼ぎになるし。
これまでオズに連れられて、森の中を獲物を探していた。でもこんなにのんびりと、森の中を歩くのは初めてかもしれない。木漏れ日の輝きが生命に満ち溢れている様に感じ、深呼吸すると空気が美味く思える。とても魔物が棲んでいるような森とは思えない。
三ハウル(3時間)ほど歩いただろうか、水の流れる音が聴こえてきた。こんな処にも水場があったのかと音のする方へ目を向ける。どうやら小さな湖の様だ。眼に映る地図を確認するに、どうやら人がいる様だ。珍しいな。基本的にこのトナンの森に人が来る事はほとんどない。いや先日、私達を襲った奴等がいたか。まさか仲間?いや、眼には一人分の光点しかなく、他は魚などの小さな光点しかない。一人しかいないのもあるが、それが湖の中ってのがよく分からない。
視界が開けて来て、ようやく見えてきた。あぁ、成る程。水浴びをしてるのか。この世界じゃお風呂は貴族などのお金持ちくらいしか普及してないから、大抵は水浴びか濡れた布で身体を拭くのが常識だ。でも、態々トナンの森に入って水浴びしに来たって事は有り得ない。冒険者かな?でも一人ってのが気に掛かる。
そして相手をハッキリと視認出来る所まで近付くと、相手の綺麗さに眼を奪われてしまった。
読んで頂いた方々に感謝を。




